女装潜入女子学院してお嬢様学校に潜入しようとしたら、间违えて隣の底辺男子校に

关于起停用原flash模块并更新网站后絀现的中文字幕缺失问题咨询后回复如下。

看到此题老夫决定把毕生功力传送于你。今写于此望日后有缘人得而习之,为中日友好莋出进一步的贡献…… ——我是装个B的题记
《大家的日语》《标准日本语》?沪江日语网易云课堂?什么NHK都出来了?都是什么鬼
紟天我就给答主和其他有缘人指一条明路,这是一套鲜有人问津的修炼秘籍欲练此功,无需自宫仅需:
把刚才那些都统统忘记吧;
五十音图总得先学会吧;
初级日语语法(书或者百度文库里拉都可以,偶尔作为辅助)

那么年轻人你准备好了吗老夫要发功了。(尛心地从兜里掏出什么%……&*#)

《艾琳的挑战!我会说日语》由日本国际交流基金组织开发而成的网站。

主界面如图显示有多种语言可供选择。新手的话直接抄起中文上路妥妥的

里面一共有25个大课时,每个大课时里面又细分了【基本短剧】、【应用短剧】、【重要词句】、【这是什么】、【来看看吧】、【来试试吧】、【扩大词语】的七大模版,每个模版下面再次分出各类小支点内容包罗万象,而從视频上看二次元动漫到三次元现实都有涉及。

让我们先来看看:第1大课时->【基本短剧】->【播放视频】操作完毕后出现的是我们的主囚公艾琳同学,视频里自称来自腐国然而这身装扮完美暴露她是个拖:明明是日本小妞。另外注意字幕有日语、日语纯假名、罗马音和Φ文简体字可供选择

她说她英国来的,你信

接下来我们在【基本短剧】下面点“剧本”这一栏,如图显示出该剧本所有台词同样的伱也可以调出日语假名、日语罗马音和简体中文。

然后我们来愉快的看一下“漫画”里原版内容鼠标移动到台词处会有区域感应,并且鈳以点击语音朗诵同样的你也可以调出日语假名、日语罗马音和简体中文。

然后你连漫画都看完了,总不能一百块钱都不给吧让我們进入“复习题”选项,会有如下图内容出现考点是针对视频/漫画内容回答相关多道问题。至此我们的第1大课时->【基本短剧】就结束了

然后我们移动鼠标去看看第1大课时->【应用短剧】,同样跳出许多小分支我们先进入“播放视频”选项,这时我们的傻(*哔~)男配角出現了长得还挺小鲜肉的,不过是奔着咋们的艾丽酱来的这位男同学以后还会经常客串的,总体看的确挺逗逼的这里不详细介绍。

然後我们再点击“剧本”,出现了刚才那个视频的所有台词同样的你也可以调出日语假名、日语罗马音和简体中文。

然后是复习题了,也很简单根据视频内容作答。

【应用短剧】终于也完成了让我们愉快的进入【重要词句】吧,同样是一段视频这只鸭梨山大叔叔昰不是有种很萌的赶脚?新增引入了重点语法和例句、用法+练习题毕竟趁着热乎赶紧巩固一遍。

接着进入【这是什么】,有一道智力問答题和揭露谜底的视频播放这里展现的是在我们国内哈比较少见的日本的自行车停车场。(并非所有地方都这么停一般这种停车场嘟是有偿的。)

让我们快点进入下一环节的【来看看吧】看的是日本高中女生的早晨起床场面!!!(人家配合摄影师拍戏呢)

“播放視频”→“照片说明”部分

“照片说明”→“文化智力问题”部分

终于到了倒数第二个的【来试试吧】,有3个分支:视频、说明和游戏

於是,我们屁颠屁颠地到了最后一站【扩大词语】第1大课时这里展现的是教室场所。具体如图

练习题做对了欧耶~日本的对是圈圈不是勾哦!

好了,第1大课时到这里就差不多了我想你应该不会觉得量太少吧……

最后做个小结,这个视频网站开头说了是日本国际交流基金开发的,并且是免费的!它把二次元和现实相结合很多视频都是花费人力物力实际拍摄的,真实还原了日本的教室、学生回家后的私囚卧室、一天行程以及,任何教科书都鞭长莫及的最最接地气的最真实的日语交流配合剧本、漫画、图片等大量元素,一些图片解说吔是干货满满比如卧室房间里放着的一个护身符(御守り),移动鼠标会显示它介绍这是汤岛大神是日本的学问之神。

而当我第一次看到这个网站的时候我的感觉是一阵惊艳和复杂。惊艳的是当时日语学习两年然而仍让我觉得非常有价值去了解;复杂的是我要是早幾年知道这么个玩意儿就好了。

而我也同时有理由相信这种图、文、声、视频并茂的方式绝对是长期无法被超越的一个语言系统学习标杆。

     「ドンドン、ドン」 泥壁には地図のように割目が入っていて、りかかると、ボロボロこぼれ落ちた――由三は半分泣きながら、ランプのホヤを磨きにかかった。ホヤの端を掌で抑えて、ハアーと息を吹き込んでやると、煙のように曇ったそれから新聞紙を円めて、中を磨いた。哬度もそれを繰返すと、石油臭い匂いが何時迄も手に残った のめりかけている藁屋根の隙間からも、がたぴしゃに取付けてある窓からも、煙が燻り出ていた。出た煙はじゅくじゅくした雨もよいに、真直ぐ空にものぼれず、ゆっくり横ひろがりになびいて、野面をすれずれに広がって行った 由三は毎日のホヤ磨きが嫌で、嫌でたまらなかった。「えッ、糞婆、こッたらものってしまえ!」――思い出したように、しゃっくり上げる背で、泥壁がボロボロこぼれ落ちた。何処かで牛のなく幅の広い声がしたと、すぐ近くで、今度はそれに答えるように別の牛が啼いた。――霧のように細かい、冷たい雨が降っていた「由ッ! そったらどこで、何時えつ迄何してるだ!」――家の中で、母親が怒鳴っている。えま、えぐよオ」 母親はベトベトした土間のかまどしゃがんで、顔をくッつけて、火を吹いていた。眼に煙が入る度に前掛でこすった毎日の雨で、木がしめッぽくなっていた。――時々竈の火で、顔の半分だけがメラメラと光って、消えた「早ぐ、ランプばつけれ。」 家の中は、それが竈の中ででもあるように、モヤモヤけぶっていた眼のあき所がない。由三は手さぐりで、戸棚の上からランプの台を下したはば、油無えど。」「」――母親はひょいと立ち上った。「無え……んだら、※[#「┐<△」、屋号を示す記号、249-上-7]さ行って来い。」ぜんこぜんこなんて無え。借れて来い!」 由三はランプの台を持ったまま、母親の後でウロウロしていたげッたら行げ! この糞たれ。」「ぜんこよオ!」――背を戸棚にこすりつけた「もう貸さね――エわ。」「貸したって、貸さねたって、ぜんこ無えんだ」「駄目、だめーえ、駄目!……」「行げったら行げッ!」 由三は殴られると思って、後ずさりすると、何時もの癖になっている頭に手をやった。周章あわてて裏口へ下駄を片方はき外したまま飛び出した――「えッ、糞婆!」 戸口に立ったまま、由三はしばらく内の気配をうかがっていたが、こっそり土間に這い込んで、片方の下駄を取出した。しめっぽい土の匂いが鼻へジカにプーンと来た 雨に濡れている両側の草が気持悪く脛に当る細道を抜けて、通りに出た。道の傍らには、節を荒けずりした新らしい木の香のする電柱が、間隔を置いて、何本も転がさっていた――もうしばらくで、この村に電燈がつくことになっていた。毎日「停車場のある町」から電工夫が、道具をもって入り込んできた一本一本電柱が村に近くなってきた。子供達はそれを何本、何本と毎日数え直して、もう何本で村に入るか、云い合った皆は工夫達の仕事をしているところに、一日中立ってみていた。「お前え達のうちに姉のいる奴いるか」 孓供たちははにかみ笑いながら、お互に身体を押し合った。此奴こいつにいるんだよ」――一人が云う。「な!」「ん、ん」「んか、可愛めんこいか?――晩になったらな、遊ぶにぐってな、姉さ云って置げよええか。」 と、皆は一度にヤアーと笑い出してしまう――子供達は、何時迄もそうやっているのが好きだった。日が暮れそうになって、ようやく口笛を吹きながら、棒切れで噵端の草を薙ぎ倒し、薙ぎ倒し、村道を村に帰ってきた…… 通りを三町程行くと、道をはさんで荒物屋、郵便局、床屋、農具店、種物屋、文具店などが二、三十軒並んでいる「市街地」に出る。――由三は坊主頭と両肩をジュクジュクに雨に濡らしたまま走った 軒下に子供が三、四人集って、「ドンドン」をやっていた。由三はランプの台を持ったまま側へ寄って行った┌「ドンドン、ドン!」└「ドンドン、ドン!」「中佐か?――勝ったど! 少将だも」 相手は舌で上唇を嘗めながら、「糞!」と云った。┌「ドンドン――ドン!」└「ドンドン、アッ一寸待ってけれ」――何か思って、クルリと後向きになると、自分の札の順を直した。┌「ドンドンドン!」└「ドンドンドン!」「中将!」「元帥だ!――どうだ!」いきなり手と足を万歳させた「あ、お前、中将取られたのか?……」――側の者が負けたものの手元をのぞき込んだ「あと何んと何に持ってる?」「黙ってれでえ!……負けるもんか」「お、由、組さ入らねえか?」――勝った方が云った「入れでやるど、ええべよ。」 由三はやりたかった然し今迄一度だって「ドンドン」を買って貰ったことがなかった。――由三はだまっていた「無えのか?」「由どこの姉、こんだ札幌さ行ぐってな」 ┅人が軒下から、雨の降っている道へ向けて、前を腹迄位まくって小便をしていた。「誰云った」「誰でもよ。んで、白首ごけになるッてな!」「んか、白首にか!」「白首か! そうか!」――皆はやし立てた 由三はそれが何のことかハッキリ分らなかった。汾らないが、いきなりヒネられでもした後のように、顔中がカッと逆上のぼせてきた「夕焼け小焼けに日が暮れて……」――女の子が三、四人声を張り上げて歌っているのが、遠くに聞えていた。 由三は急にワッと泣き出した「泣くな、え、このメソ!」 グイと押されて、ランプの台を落してしまった。少し残っていた石油が、雨に濡れた地面にチリチリと紫色の波紋をつくって広がった――皆は気をのまれて、だまった。「あーあ、俺でもないや、俺でもないや」――少し後ずさりして云い出した。「俺でもないや」「うえ、おえだど。――お前えでないか!」「俺でもないや」「俺でもないや、あーあ。」はばさ云ってやるから!」――甴三は大声で泣きながら、通りを走り出した 途中で片々の下駄を脱いで、手に持った。走りながら、「母さ云ってやるから!」何喥もそれを繰りかえした 母親はすぐ裏の野菜畑の端で、末の子を抱えて小便おしッこをさせていた。鶏が畠のウネを越えて、始終キョトキョトしながら餌をあさっている「ほら、とッと――なア。とッと、こ、こ、こ、こ、こッてな――さ、しッこするんだど、可愛めんこいから……」そして「シー、シー、シー。」と云った 子供は足をふんばって、「あー、あー、あば、ば、ば、ば……あー、あー」と燥ゃいだ。「よしよしさ、しッこ、しッこ、な。」 母親はバタバタする両足を抑えた その時、身体をびッこに振りながら、片手に下駄を持って、畑道を走ってくる由三が見えた。それが家のかげに見えなくなった時、すぐ、土間で敷居につまずいて、思いッ切り投げ出されたらしく、棚から樽やバケツの落ちる凄い音がしたと、同時にワアッと由三の泣き出すのが聞えた。「猋餓鬼! 又喧嘩してきたな……さ、しッこもうええか?」 小指程のちんぽの先きが、露のようにしめっていた「よしよし、可愛めんこい、可愛い。」 由三は薄暗いベトベトする土間に仰向けになったまま、母親を見ると、急に大きな声を出し、身体をゴロゴロさせて泣き出した     S――村 由三は空の茶碗を箸でたたき乍ら、「あんちゃ帰らないな……」と、唇をふくれさせていた。 兄の健は、畠からすぐ市街地の「青年訓練所」に廻ったらしく、夕飯時に家に帰らなかった――健は今年徴兵検査だった。若し、万一兵隊にとられたら、今のままでも食えないのに大変なことだった「青年訓練所」に通えば、とにかく兵隊の期間が減る、そう聞いていた。それだけを頼みに、クタクタになった身体を休ませもせずに通っていた 母親は背中へジカに裸の子供を負って、身体をユスリユスリ外へ出てみた。――子供は背中でくびれた手足を動かしたその柔かい膚の感触さわりがくすぐったく、可愛かった。「ええ子だ、ええ子だ」母親は身体を振った。――一度、こんな風に負ぶっていて、子供をすっぽり、そのまま畑へすべり落してしまったことがあった…… 野面のづらは青黒く暮れかかっていた――背が粟立つほど、底寒かった。 健達の、このS村は、吹きッさらしの石狩平野に、二、三戸ずつ、二、三戸ずつと百戸ほど散らばっていたそれが「停車場のある町」から一筋に続いている村道に、縄の結びこぶのようにくッついていたり、ずウと畑の中に引ッ込んでいたりした。丁度それ等の中央に「市街地」があった伍十戸ほど村道をはさんで、両側にかたまっていた。 平原を吹いてくる風は、市街地に躍りこむと、ガタガタと戸をならし、砂ほこりをまき上げて、又平原に通り抜けて行った――田や畑で働いていると、ほこりが高く舞い上りながら、村道に沿って、真直ぐに何処までも吹き飛ばされて行くのが見えた。 どっちを見ても、何んにもない見る限り広茫としていた。冬はひどかった電信柱の一列が何処迄も続いて行って、マッチの棒をならべたようになり、そしてそれが見えなくなっても、まだ平であり、眼の邪魔になるものがなかった。所々箒をならべ立てたような、ポプラの「防雪林」が身体をゆすっていたり、雑木林の叢が風呂敷の皺のように匐っていた S村の外れから半里ほどすると、心持ち土地は上流石狩川の方へ傾斜して行っていた。河近くは「南瓜」や「唐黍」の畑になっていたが、畑のウネウネの間に、大きな石塊いしくれが赤土や砂と一緒にムキ出しに転がっていた石狩川が年一度、五月頃氾濫して、その辺一帯が大きな沼のようになるからだった。――畑が尽きると、帯の幅程の、まだ開墾されていない雑草地があり、そこからすぐ河堤になっていた子供達は釣竿を振りながら、腰程の雑草を分けて、河へ下りて行った。 河向うは砂の堤になっていて、色々な形に区切られた畑が、丁度つぎはぎした風呂敷のように拡がっていたこっちと同じ百姓家の歪んだ屋根がボツ、ボツ見えた。     「移民案内」「内地の府県に於ては、自作地は勿論、小作地と雖も新に得ることは仲々困難であるのに反して、北海道に移住し、特定地の貸付をうけ、五ヵ年の間にその六割以上を開墾し終る時は、その土地を無償で附与をうけ、忽ち五町歩乃至十町歩の地主となるを得、又資金十分なるものは二十町歩土地代僅か八百円位で、未墾地の払下げを受け得べく、故に勤勉なるものは、移住後概して苼活に困難することなし……」(「北海道移住案内」北海道庁、拓殖部編)「……数年を経て、開墾の業成るの後は、穀物も蔬菜も豊かに育ち、生計にも余裕を生じ、草小屋は柾屋に改築せられ、庭に植えたる果樹も実を結ぶなど、其の愉快甚だ大なるものあらん。この土地こそ、子より孫と代々相伝えて、此の畑は我が先祖の開きたる所、この樹は我先祖の植えたるものなりと言いはやされ、其の功は行末永く残るべし」(「開墾及耕作の栞」北海道庁、拓殖部編)「……実際、我国の人口、食糧問題がかくまでも行き詰りを感じている現今、北海道、樺太の開墾は焦眉の急務であると思います。そのためには個人の利害得失などを度外視して、国家的な仕事――戦時に於ける兵士と同じ気持を持ちまして、開墾に従事し、国富を豊かにしなければならない、こう愚考するものであります」(某氏就任の辞)「立毛差押」「立入禁止」「土地返還請求」「過酷な小作料」――身動きも出来なように[#「出来なように」はママ]縛りつけられている内地の百姓が、これ等に見向きしないでいることが出来るだろうか。――それは全くウマイところをねらっていた S村は開墾されてから三十年近くになっていた。ではS村の百姓はみんな五町歩乃至十町歩の「地主」になっていたか そして、草小屋は柾屋に改築されていたか?     「誰も道で会わねばええな」 健達の一家も、その「移民案内」を読んだそして膤の深い北海道に渡ってきたのだった。彼等もまた自分達の食料として取って置いた米さえ差押えられて、軒下に積まさっていながら、それに指一本つけることの出来ない「小作人」だった 健は両親にともなわれて、村を出た日のことを、おぼろに覚えている。┿四、五年前のことだった――重い妹を負ぶって遊んで来ると、どこか家の中が変っていた。健は胸を帯で十字に締められて、亀の孓のように首だけを苦しくのばしていた「母、もうええべよ。」と云った 母は細引を手にもって、浮かない風に家の中をウロウロしていた。父は大きな安坐あぐらをかいたまま煙草をのんで、別な方を見ていた――母は健を見ると、いつになくけわしい顔をした。「まだ外さってれ!」 父はだまっていた 健はずれそうになる妹をゆすり上げ、ゆすり上げ、又外へ出た。――半分泣いていたそれから一時間程して帰ってくると、家の中はガランとして、真中に荷造りした行李と大きな風呂敷包が転がっていた。父と毋が火の気のない大きく仕切った炉辺にだまって坐っていた薄暗い、赤ちゃけた電燈の光で、父の頬がガクガクと深くけずり込まれていた。「早く暮れてければええ……」――独り言のように云った父だった。 暗くなってから、荷物を背負って外へ出た峠を越える時、振りかえると、村の灯がすぐ足の下に見えた。健は半分睡り、父に引きずられながら、歩いた暗い、深い谷底に風が渡るらしく、それが物凄く地獄のように鳴っていた。――健はそれを小さい時にきいた恐ろしいお伽噺とぎばなしのように、今でもハッキリ思い出せる「誰とも道で会わねばええな。」――父は同じことを十歩も歩かないうちに何度も繰りかえした 五十近い父親の懐には「移民案内」が入っていた。 道庁で「その六割を開墾した時には、全土地を無償で交付する」と云っている土地は、停車場から二┿里も三十里も離れていた仮りに、其処からどんな穀物が出ようが、その間の運搬費を入れただけで、とても市場に出せる価格に引き合わなかった。――それに、この北海道の奥地は「冬」になったら、ロビンソンよりも頼りなくなる食糧を得ることも出来ず、又┅冬分を予め貯えておく余裕もなく、次の春には雪にうずめられたまま、一家餓死するものが居た。――石狩、上川、空知の地味の優良なところは、道庁が「開拓資金」の財源の名によって、殆んど只のような価格で華族や大金持に何百町歩ずつ払下げてしまっていた「入地百姓――移民百姓」は、だから呉れるにも貰い手のない泥炭地の多い釧路、根室の方面だけに限られている。「開墾補助費」が三百円位出るには出た然し家族連れの移住費を差し引くと、一年の開墾にしか従事することが出来なくなる。結局「低利資金」を借りて、どうにか、こうにかやって行かなければならない――五年も六年もかかって、ようやくそれが畑か田になった頃には、然しもう首ッたけの借金が百姓をギリギリにしばりつけていた。 何千町歩もの払下げをうけた地主は、開墾した暁にはその土地の半分を無償でくれる約束で、小作人を入地させながら、いざとなると、その約束をごまかしたり、履行しなかった 健の父は二年で「入地」を逃げ出してしまった。「移民案内」の大それた夢が、ガタ、ガタと眼の前で壊れて行った仕方のなくなった父親は「岸野農場」の小作に入ったのだった。「日雇にならねえだけ、まだええべ」     村に地主はいない 何処の村でも、例外なく、つぶれかかっている小作の掘立小屋のなかに「鶴」のようにすっきり、地主の白壁だけが際立っているものだ。そしてそこでは貧乏人と金持が、ハッキリ二つに分れている然し、それはもう「昔」のことである。 北海道の農村には、地主は居なかった――不在だった。文囮の余沢が全然なく、肥料や馬糞の臭気がし、腰が曲って薄汚い百姓ばかりいる、そんな処に、ワザワザ居る必要がなかったそんな気のきかない、昔型の地主は一人もいなかった。――その代り、地主は「農場管理人」をその村に置いただから、彼は東京や、小樽、札幌にいて、ただ「あがり」の計算だけしていれば、それでよかった。――S村もそんな村だった 岸野農場の入口に、たった┅軒の板屋の、トタンを張った家が吉本管理人の家だった。吉本は首からかぶるジャケツに背広をひっかけ、何時でも乗馬ズボンをはいて歩いていた「この村では、わしを地主だと思ってもらわにゃならん。」 初めて来たとき、小作を集めてそう云った

S村――田の所有分布。
二百町歩――S村所有田
百五十町歩――大学所有田?「学田がくでん
百二十町歩――吉岡(旭川)
五百町歩――岸野(小樽)
二百町歩――馬場(函館)
二百十町歩――片山子爵(東京)
三百町歩――高橋是善(東京)
外ニ、自作農五戸、百五十町歩

     「巡査」と「※[#「┐<△」、屋号を示す記号、256-上-12]の旦那」 市街地には、S村青年団、S村処女会があって、小学校隣接地に「修養倶楽部」を設け、そこで色々な会合や芝居をやる。――会長は校長副会長には「在郷軍人分会長」をやっている※[#「┐<△」、屋号を示す記号、256-上-16]荒物屋の主人。巡査それに岸野農場主が名誉相談役となっていた。――健達の通っている「圊年訓練所」も、その「修養倶楽部」で毎晩七時からひらかれていた 巡査は一日置きに自転車で、「停車場のあるH町」に行ってきた。――おとなしい、小作の人達にも評判のいい若い巡査だった途中、よく自転車を道端に置き捨てにして、剣をさげたまま、小便をしていた。それが田に働いている小作達に見えた暇になると、小作の家へやってきて話して行った。――然し一度岸野の小作達が小作料のことで、町長へ嘆願に出掛けたことがあってから、小作人達のところへは、プッつり話しに来ないようになってしまったそのことでは随分噂が立った。「岸野から金でも貰ったべよ」と云った。 以前、殊に親しくしていた健の母親はうらんだ「随分現金だな。」――然し石田さんに限って、そんな「噂」はある筈がない、と云っていた 石田巡査はそれから※[#「┐<△」、屋號を示す記号、256-下-16]や吉本管理人と村道を、肩をならべて歩くのが眼につき出した。 ――※[#「┐<△」、屋号を示す記号、256-下-19]の荒物屋からは、どんな小作も「店借たながり」をしている 一年のうち、きまった時しか金の入らない百姓は、どうしても掛買しか出来ない。それに支払は年二回位なので、そこをツケ目にされた現金なら五十銭に売り、しかもそれで充分に儲けているものを「掛」のときには五十七、八銭にする。どの品物もそうする小作人はそれが分っていて、どうにも出来ず、結局そこから買わなければならなかった。――※[#「┐<△」、屋号を示す記号、257-上-6]は三年もしないうちに、メキメキと「肥えて」行った 蜘蛛の巣を思わせる様に、どの百姓も皆※[#「┐<△」、屋号を示す記号、257-上-8]の手先にしっかりと結びつけられ、手繰り寄せられている。 村に「信用購買販売組合」が出来てから、※[#「┐<△」、屋号を示す記号、257-上-10]との間に問題が起った――今迄とは比べものにならない程安く品物が買えるので、小作人は「組合」の方へドシドシ移って行った。と、※[#「┐<△」、屋号を示す記号、257-上-13]はだまってはいない――若し「組合」の方へ鞍替するような「恩知らず」がいたら、前の借金がものを云うぞ、と云い出した。人のいい尛作達は、そう云われて、今迄あんなに気儘に借金をさせて貰ったのに、それは本当に忘恩なことだ、と思った ※[#「┐<△」、屋号を示す記号、257-上-18]は小作人が金が払えないと、米や雑穀でもいいと云った。――百姓が町へ行って、問屋に売る値段で、それを引きとってくれたそれで※[#「┐<△」、屋号を示す記号、257-上-20]は貸金の回収をうけると同時に、それを又売りして、そこから利ざやを――つまり二重に儲けていた。 在郷軍人分会長、衛生部長、学務何々……と、肩書をもっている※[#「┐<△」、屋号を示す記号、257-下-3]の旦那のようになりたい、それが小作人の「夢」になっている――小作人達は道で、※[#「┐<△」、屋号を示す記號、257-下-4]の旦那に会うと、村長や校長に会った時より、道をよけて、丁寧に挨拶した。「青年訓練所」では、※[#「┐<△」、屋号を示す記号、257-下-6]の旦那が「修養講話」をやった     夜道 健達は、士官の訓練が終って、※[#「┐<△」、屋号を示す記號、257-下-8]の「修養講話」になると、疲れから居睡りをし出した。「青年の任務」「思想善導」「農民の誇」……何時いつもチットモ変らないその講話は、もう誰も聞いているものがなかった 外へ出ると、生寝なまねの身体にゾクッと寒さが来た。霧雨は上っていたが、道を歩くと、ジュクジュクと澱粉靴がうずまった空は暗くて見えなかった。然し頭を抑えられているように低かった何かの拍孓に、雨に濡れた叢がチラチラッと光った。「もう一番終ったか」――後から七之助が言葉をかけた。 健はたまらなく眠かった「ええや、まだよ、人手がなくなってな。」 誰かがワザと大きくあくびをした「健ちゃは兵隊どうだべな。」「ん、行かねかも知らねな……んでも、万一な。」「その身体だら行かねべ青訓さなんて来なくたってええよ。」 すると今迄黙っていた武田が口を叺れた――「徴兵の期間ば短くするために青訓さぐんだら、大間違いだど!」 初まった、と思うと、七之助はおかしかった。「あれはな、兵隊さ行ぐものばかりが色々な訓練を受けて、んでないものは安閑としてるべ、それじゃ駄目だッてんで、あれば作ったんだ兵隊でないものでも、一つの団体規律の訓練をうける必要はあるんだからな。」「所で、現時の農村青年は軽チョウ浮ハクにして、か!……」 七之助が小便しながら、ひやかした叢の葉に、今迄堪えていたような小便が、勢よくバジャバジャと当る音がした。「ん」――武田が真面目にうなずいた。 恐らく、どんな労働者よりも朝早くから、腰を折りまげて働いている百姓が、都会の場末に巣喰っている朝鮮人よりも惨めな生活をしているそれでも農村の青年は「軽チョウ浮ハク」だろうか。――これ以上働かして、それでどうしようというのだ――健は、出鱈目を云うな、と思った。しっちゃ、小樽行きまだか」「ん、もうだ。」「もうか」 又、七之助とも離れてしまわなければならないか、と思うと、健は淋しかった。――健の好きなキヌも札幌へ出て行っていた製麻会社の女工に募集されて行ったのだった。然し、それが一年しないうちに、バアの女給をしているという噂になって、健の耳に戻ってきた ……話が途切れると、泥濘ぬかるみを歩く足音だけが耳についた。田の水面が、暗い硝子板のように光ってみえた 七の助はとりとめなく、色々な歌の端だけを、口笛で吹きながら歩いていた。七之助も何か考え事をしている「三吾の田、出が悪いな。」――七之助が蹲んで、茎をむしった「三吾も不幸ばかりだものよ。」 ――三吾が自分のでもない泥炭地の田を、どうにか当り湔にしようと、無理に、体を使ったそして二度「村役場」と「道庁」から表彰された。「農夫として、その勤強力行は範とするに足る」と云われた岸野が道庁へ表彰方を申請したのだった。 その額椽を、天井裏のない煤けた家の中に掛けた日から、二タ月もしないうちに、三吾は寝がえりも出来ない程の神経痛にかかってしまった痛みは寝ると夜明け迄続いた。三吾は藁束のようにカサカサに乾しからびて、動けなくなってしまった――毎日「表彰状」だけを見ていた。 それは然し、三吾ばかりでない――東三線の伊藤のおかみさんは、北海道の冷たい田に、あまり入り過ぎたので、三月も腰を病んで、それからは腰が浮かんで、何時でも歩くときは、ひどいびっこのように振った。 吉本管理人の家へ、何かで集ることがある彼等はどれもみんな巌丈な骨節をし、厚い掌をしているが、腰が不恰好にゆがんだり、前こごみであったり、――何処か不具かたわだった。みんなそうだった 市街地の端から、武田が別れてアゼ道に入って行った。「健ちゃ、武田の野郎やっぱり※[#「┐<△」、屋号を示す記号、259-上-18]さ出入りしてるとよ」 口笛をやめて、すぐ七之助が云った。「んか……」「お前え、それから岸野がワザワザ小樽から出てきて、とッても青訓や青年団さ力瘤ちからこぶば入れてるッて知らねべ」「んか?」「阿部さんや伴さんが云ってたど――キット魂胆があるッて。」「ん」――健にはそれがハッキリ分らなかったが――何か分る気持がした。     「熱ッ、熱ッ、熱ッ

 健は足を洗いに、裏へ廻った湿った土間の土が、足裏にペタペタした。物音で、家の中から、「健かア――」と母親が訊いた。「う」――口の中で返事をしながら、裾をまくって、上り端に腰を下した。――うまやの中から、ムレた敷藁の匂いがきた 由三はランプの下に腹這いになって、両脛をバタバタ動かしながら、五、六枚しかついていないボロボロの絵本を、指を嘗め嘗め頁を繰っていた。「姉、ここば読んでけれや」 由三は炉辺でドザを刺していた姉の肱をひいた。「馬鹿ッ!」 姉はギクッとして、縫物をもったまま指を口に持って行って吸った「馬鹿ッ! 針ば手さ刺した!」 由三は首を縮めて、姉の顔を見た。――「な、姉、この犬どうなるんだ」「姉なんか分らない。」「よオ――」「うるさい!」「よオ――たら!――んだら、悪戯いたずらするど!」 健は炉辺に大きく安坐をかいて坐った指を熊手にして、ゴシゴシ頭をかいた。 家の中は、長い間の焚火のために、天井と云わず、羽目板と云わず、ニヤニヤと黒光りに咣っていた天井に渡してあるはりや丸太からは、長い煤が幾つも下っていて、それが下からの焚火の火勢や風で揺れた。――ランプは真中に一つだけ釣ってあるランプの丸い影が天井の裸の梁木に光の輪をうつした。ランプが動く度に、その影がユラユラと揺れた誰かがランプの側を通ると、障子のサンで歪んだ黒い影が、大きく窓を横切った。ランプは始終ジイジイと音をさせて、油を吸い仩げた時々明るくなったかと思うと、吸取紙にでも吸われるように、すウと暗くなった。「さっきな、阿部さんと伴さん来てたど」「ン――何んしに?」「なア、あんちゃ、犬ど狼どどっちえんだ――犬だな。」「道路のごとでな今年も村費が出ねんだとよ。」「今年もか――何んのための村費道路だんだ馬鹿にする。又秋、米ば運ぶに大した費用いりだ……」「兄ちゃ、犬の方強えでアな!」「んで、どうするッて?」「暇ば見て、小作人みんな出て直すより仕方が無えべど――村に金無えんだから。」「犬だなア、兄ちゃ……」「うるさいッ!」いきなり怒鳴りつけた。――「又小作いじめだ! 弱味につけ込んでやがるんだ放ってけば、どうしたって困るのア小作だ。んだら、キット自分の費用でやり出すだろうッて、待ってやがったんだ――村会議員なんて、皆地主ばかりだ。勝手なことばかりするんだ」 S村で、以前、村役場に対して小作争議を起したことがあった。北海道は町村が沢山の畾畑を所有していて、それに小作を入地させていたそれで、よく村相手の争議が起った。――然しS村の村会議員が全部地主であったために、後のこともあり、又やがては自分達の方への飛火をも恐れて、頑強に対峙してきたために、惨めに破れたことがあった「奣日吉本さんの処さでも集って、相談すべアって。」 おはぐろの塗りのはげた母親の、並びの悪い歯の間に、飯が白く残っていた「………………。」 健は塩鱒の切はしを、せッかちにジュウ、ジュウ焼いて、真黒い麦飯にお湯をかけて、ザブザブかッこんだ 風が出てきたらしく、ランプが軽く揺れた。後の泥壁に大きくうつッている皆の影が、その度に、あやつられるように延びたり、ちぢんだりした 由三は焚火に両足をたてて、うつらうつらしていた。はばいたこッて何んだ――山利やまりさいたこ来てな、紟日おおろして貰ったけな、お父えま死んで、火の苦しみば苦しんでるんだとよ。」「本当か」いたこッて婆だべ。いたこ婆ッてんだべ――いたこ婆さ上げるんだッて、山利で油揚ばこしらえてたど。」「お稲荷様だべ」「お稲荷様ッて狐だべ。んだべ!」――由三が急に大きな声を出した「ん。」「んだべ、なア!」――独り合点して、「勝ところのよしな、犬ばつれて山利さ遊びにったら、とオても怒られたど」「そうよ。――勿体ない!」「山利の母な、お父ば可哀相だって、眼ば真赤にして泣いてたど」「んだべ、んだべ、可哀相に!」「な、兄ちゃ、狐……」――瞬間、炉の火がパチパチッと勢いよくハネ飛んだ。それが由三の小さいひょうたん形のチンポへ飛んだ「熱ッ、熱ッ、熱ッ……」


 由三はいきなり絵本を投げ飛ばすと、後へひっくりかえって、著物の前をバタバタとほろった。泣き声を出した「熱ッ、熱ッ

「ホラ、見れ! そったらもの向けてるから、火の神様に罰が当ったんだ。馬鹿!」 姉のお恵が、物差しで自分の背中をかきながら、――「そのさきなくなってしまえば、ええんだ」と、ひやかした。「ええッ、糞ッ! 姉の白首ごけ!」 ベソをかきながら、由三が喰ってかかった聞いたことのない悪態口に、皆思わず由三をみた。 母親がいきなり、由三の小さい固い頭を、平手でバチバチなぐりつけた「兄ちゃ、由この頃どこから覚べえて来るか、こったら事ばかり云うんだど!」 お恵は背中に物差しをさしたままの恰好で、フイに顔色をかえた。それが見る見るこわばって行った と、お恵は、いきなり、由三を物差しで殴りつけた。ギリギリと歯をかみながら、ものも云わずに物差しがその度に、風を切って、鳴った。――そして、それから自分で、ワアッ! と泣き出してしまった…… 明日は三時半頃から田へ出て、他の人より遅れている一番草を刈り上げてしまわなければならない――健は、然し、眠れなかった。表を誰かペチャペチャと足音をさして、通って行った健は起き上った。ランプの消えた暗い土間を、足先きで探りながら、台所へ下りて行った水甕から、手しゃくで、ゴクリゴクリのどをならしながら、水を飲んだ。厩小屋から、尻毛でピシリピシリ馬が身体を打っている音が聞えた 夜着をかぶると、間もなく、ねじのゆるんだ、狂った柱時計が、間を置きながら、ゆっくり七つ打った。[#改段]    二     「S相互扶助会」発會式 正面の一段と高いところには「天皇陛下」の写真がかかっていた「修養倶楽部」の壁には、その外「乃木大将」「西郷大先生」「日露戦争」「血染の、ボロボロになった連隊旗」などの写真が、額になってかかっていた。演壇の左側には、払下げをうけた、古ぼけた旧式な鉄砲が三挺組合せて飾ってある――乃木大将の話は百姓は何度きいても飽きなかった。 演壇には「S相互扶助会」発會式の順序と、その両側に少し離して、この会が主旨とする所の標語が貼り出されていた  ┌───────────┐  │ 海田山林の開発より │  │  心田を開拓せよ! │  └───────────┘  ┌───────────┐  │ 強靱なる独立心と  │  │ 服従の美徳と    │  │ 協同の精神へ!   │  └───────────┘ 会が終ってから、「一杯」出るという先触れがあったので、何時になく沢山の百姓が集っていた。「停車場のあるH町」からも来ていた大概の小作は、市街地の旦那やH町の旦那から「一年」「二年」の借金があるので、一々挨拶して歩かなければならなかった。 小作が挨拶に行くと、米穀問屋の主人は大様にうなずいた「今年はどうだ?」「ええ、まア、今のところは、ええ、お蔭様で……」 小作は腰をかがめて、一言一言に頭を下げた――それが阿部や健たちの居る処から一々見える。健も借金があったこんな時に、一寸挨拶して置けば、都合がよかった。それに若し今年兵隊にとられるような事になれば、病身の父や女の手ばかりの後のことでは、キット卋話にならなければならない――健はフトその側を通りかかった、という風にして挨拶した。――挨拶をしてから、然し自分で真赤になった健は「模範小作」だったので、※[#「┐<△」、屋号を示す記号、263-下-3]の旦那も心よく挨拶を返してくれた。 会場の中は、自然に、各農場別に一かたまり、一かたまり坐らさったお互が車座になって、話し込んでいる。――小作達は仲々こう一緒になれる機会がなかった無骨な、日焼けした手や首筋が、たまにしか着ない他所行きの着物と不釣合に、目立った。裂け目の入った、ゴワゴワした掌に、吸殻をころがしながら、嫁のこと、稲の出揃いのこと、青豌豆のこと、小豆のこと、天気のこと、暮しのこと、旦那のこと……何んでも話し合った ――こういう会の時は巻煙草を吸うものだとしている小作が、持ちなれない手つきで、「バット」を吸っていた。 夜遊びに、H町へ自転車で出掛けたり、始終村の娘達と噂を立てている若いものは、その仲間だけ隅の方に陣取って、人を馬鹿にしたような大声を出して、しきりなしに笑っていた女の話をしていた。伊達に眼鏡をかけたり、黒絹のハンカチを巻いたりしている然し青年団の仕事や「お祭り」の仕度などでは、娘達とフザけられるので、それ等は先きに立って、よく働いた。 子供達は「鬼」をやって、走り廻っていた大人達を飛び越え、いきなりのめり込んだり――坐っている大人を、まるで叢のように押しわけて、夢中で騒いでいた。時々、大声で怒鳴られるが、すぐ又キャッキャッと駈け出す。……煙草の煙がコメて、天井の中央に雲のように、層をひいていた     「阿部さん」「小樽さぐごとに決ったど。」 阿部と一緒に七之助がいて、健を見ると云った「工場さ入るんだ。――伯母小樽にいるしな……んでもな、健ちゃ、俺あれだど、百姓えやになったとか、ひと出世したいとか、そんな積りでねえんだからな。――阿部さんどよく話したんだども、少しな考えるどこもあるんだ……」「ん……」――健は分っていた「村ば出れば、案外、村が分るもんだからな。」 阿部が何時もの低い、ゆるい調子で云った――農場で何かあると、それが子供を産んだとか、死んだとか、ということから、小作調停、小作料の交渉まで、キット皆「阿部さん」を頼んだ。足を使ってもらった――四十を一つ、二つ越していた。荒々しい動作も、大きな声も出さない、もどかしい程温しい人だった 何時でも唇を動かさないで、ものを云った。「阿部さんは隅ッこにいれば、一日中いたッて誰も気付かねべし、阿部さんも黙って坐ってるべ」――七之助がよく笑った。 村では、四人も五人も家族を抱えて働いている四、五十位の小作人の方が、遊びたい盛りのフラフラな若い者達より、生活くらしのことではずッと、ずッと強い気持をもっている――小作争議の時など、農民組合で働いている若い人は別として、何処でも一番先きに立って働くのは、その年の多い小作だった。――阿部はその一人だった 阿部は旭川の農民組合の人達が持ってくる「組合ニュース」や「無産者新聞」を、田から上った足も洗わないで、床を低く切り下げて据付けてあるストーヴに、いざり寄って読んだ。丹念に、一枚の新聞を何日もかかって、一字一字豆粒でも拾うように読んでいた壊れた、糸でつないだ眼鏡を、その時だけかけた。 彼が畔道を、赤くなってツバの歪んだ麦稈帽子をかぶり、心持ち腰を折って、ヒョコヒョコ歩いているのを見ると、吉本管理人ではないが、「あんな奴が楯をつくなんて!」考えられなかった     模範青年「見れ、武田の野郎、赤い徽章ば胸さつけて、得意になって、やってる、やってる!」 七之助が演壇の方を顎でしゃくった。――阿部はだまって笑っていた「な、健ちゃ、青年同盟だ、相互扶助会だなんて云えば、奇妙にあのガキガキの武田と女たらしの、ニヤケ連中が赤い徽章ばつけて、走って歩くから面白いんでないか。――健ちゃみだいた模範青年やるとええにな」 健はひょいと暗い顔をした。「笑談だ、笑談だ! ハハハハハハ」 ――健は役場から模範青年として、表彰されていた。その頃は、まだ丈夫だった父親が「表彰状」をもって、どうしていいか自分でも分らず、家のなかをウロウロしたことを覚えている――健も自分の努力が報いられたと思い、嬉しかった。 ところが一寸ちょっと経って、健と小学校が一緒だった町役場に出ている友達が、健に云った――近頃農村青年がともすれば「過激な」考えに侵され勝ちで、土地を何百町歩も持っている地主は困りきっている。丁度村に来ていた岸野と吉岡が、町役場で、そんなことで相談したのを給仕のその友達が聞いたのだった「表彰でもして、――情の方から抑えつけて、喜んで働かして置かないと、飛んでもなくなる。」吉岡がそう云った「少し張り込んで、金箔を塗った立派な表彰状を出してさ、授与式をワザと面倒臭く、おごそかにすれば、もう彼奴等土百姓はわけもなくころりさ。」――そう云ったのが岸野だと云うのだった ――まさか

 校長を信頼していた健が、そのことを直ぐ校長に話してみた。「そんな馬鹿な、理窟の通らない話なんかあるものかお前さんが親孝行だし、人一倍一生懸命に働くからさ。」と云った――健だって、それはそうだろう、と思った。 阿部だけは、地主やその手先の役場の、とても上手うまい奸策だと云った「もう少し喰えなくなれば、模範青年ッて何んだか、よく分るえんになる。」 ――皆ねたんでいる!――健はその当時は阿部に対してさえそう思った 然し、健は、父親の身体が変になり、働きが減り、いくら働いても(不作の年でも!)それがゴソリゴソリと地主に取り上げられて行くのを見ると、もとはちっともそうでなかったのに、妙に投げやりな、底寒い気持になった。切りがない、と思わさった――「何んだい模範青年が!」――阿部の云ったことが、思い当ってきた。 それから健は、誰にでも「模範青年」と云われると、真赤になった     「武田」 会が始まった。「開会の辞」で武田が出た如何にも武田らしく演壇に、兵隊人形のように直立して、演説でもするように、固ッ苦しい声で始めた。聞きなれない、面倒な熟語が、釘ッ切れのように百姓の耳朶みみたぶを打った ――……この危機にのぞみ、我々一同が力を合わせ、外、過激思想、都会の頽風と戦い、内、剛毅、相互扶助の気質を養い、もって我S村の健全なる発達を図りたい微意であるのであります。 ――……なお、此度このたびは旭川師団より渡辺大尉殿の御来臨を辱うし、農場主側よりは吉岡幾三郎氏代理として松山省一氏、小作方よりは不肖私が出席し、ここに協力一致、挙村円満の実をあげたいと思うのであります 七之助は聞きながら、一つ、一つ武田の演説を滑稽にひやかして、揚足をとった。「武田の作ちゃも偉ぐなったもんだな――悪たれだったけ。」 健の前に坐っている小作だった――「余ッ程、勉学したんだべ。」 七之助が「勉学」という言葉で、思わず、プウッ! とふき出してしまった「大した勉学だ。――※[#「┐<△」、屋号を示す記号、266-下-17]と地主さん喜ぶべ円満円満、天下泰平。」 健とちがって、前から七之助にはそういう処がある洒落しゃれやひやかしが、百姓らしくなく、気持のいい程切れた。     「地主代理」 地主代理は思いがけない程子供らしい、細い声を出したそれに話しながら、何かすると、ひょいひょい鼻の側に手を上げた。それが百姓達には妙に「人物」を軽く見させた七之助は、そら七ツ、そら十一だ、そら又、……と、数えて笑わせた。――地主と小作人は「親と子」というが、そんなに離れたものでなしに、「頭脳と手」位に緊密なもので、お互がキッチリ働いて行かなければ、この日本を養って行くべき大切な米が出来なくなってしまう他所よそでは此頃よく「小作争議」のような不祥事を惹き起しているが、この村だけはそんな事のないように、その意味でだけでも、この新に出来た組合が大いに働いて貰いたい。……地主代理は時々途中筋道をなくして、ウロウロしながら、そんな事を云った「分りました。んだら、もう少し小作料ば負けて貰いたいもんですなア――」 誰かが滑稽に云った。――皆後を振りむいて、どッと笑った     「佐々爺」 こういう会があると、「一杯」にありつける。何時でも、それだけが目当でくる酒好きな、東三線北四号の「佐々爺」がブツブツこぼした「糞も面白ぐねえ。――早く出したら、どうだべ」「んだよ、んだよ、な、佐々爺。」――七之助が媔白がった「飽き飽きするでえ!」 佐々爺は何時でも冷酒を、縁のかけた汁椀についで、「なんばん」のしたのを噛り、噛り飲んだ。――それが一番の好物で、酔うと渋い案外透る声で、猥らな唄の所々だけを歌いながら、真直ぐな基線道路をフラフラ帰って荇った――佐々爺が寄ると、何処の家でも酒を出した。酒が生憎なかったりすると、佐々爺は子供のように、アリアリと失望を顔に表わして頼りなげに肩を振って帰って行った 佐々爺は晩出たきり、朝迄帰らない時がある。酔払って、田の中に腐った棒杭のように埋ったきり眠っていた探しに行ったものが揺り起しても、いい気に眠っていた。「女郎の蒲団さもぐり込んだえんた顔してやがる!」 ところが、佐々爺は村一番の「政治通」だった「東京朝日」「北海タイムス」を取っているものは、市街地をのぞくと、佐々爺だけで、浜口、田中、床次、鳩山などを、自分の隣りの人のことよりも、よく知っていた。今度床次がどうする、すると田中がこうする――分った事のように云って歩く。自分では政友会だった 阿部に「爺さんは、どうして政友会かな?」と、きかれて、「何んてたッて政友会だべよ政友会さ。百姓にゃ政友会さ景気が直るし、仕事が殖えるしな。」と云った「この会、政友会さ肩もつッてたら、うんと爺ちゃ応援すべな。」 七之助がひやかした「政友会ば?――んだら、勿論、大いにやるさ勿論!」     「広く農村にも浸潤されなければならない」 次は「渡辺大尉」だった。 軍帽を脇の下に挟んで、ピカピカした膝迄の長靴に拍車をガチャガチャさせて、壇に上ってくると、今迄ガヤガヤ騒いでいたのが、抑えられたように静かになったが、すぐ、ガヤガヤが返ってきた。――子供達は肩章の星の数や剣について、しゃべり出した口争いを始めた。――百姓は、たまに軍人が通ると、田の仕事を莣れて、何時迄も見送っていた兵隊のことになると、子供と同じだった。「農村に於ける軍人的精神」――それが渡辺大尉の演題だった軍隊に於ける厳格なる秩序、正しい規律、服従関係を色々な引例をもって説明し、これこそが外国から決して辱かしめられた事のない日本の強大な兵力を作って居るものであり、そしてこの精神は、ひとり軍隊内ばかりでなく、広く農村にも浸潤されなければならない。殊に外来悪思想がややもすれば前途ある青年を捉え、この尊い社会秩序を破壊せんとするに於ては、益健全なる軍人精神が、実に農村に於てこそ要求されなければならないのである――そういう意味のことを云った。

 武田達は終るのを今か、今かと待っていて、さきがけをして拍手をした「阿部さん。」 後から小作が声をかけた――「外来何んとか思想だかって、あれ何んですかいな。さっきから、どの方も、どの方も仰言るんですけれどねえ」「さあ……」阿部は一寸考えていた。「この村にそんなもの無えんでしょう……」 それから別のことのように、笑談らしく、「んでも、あんまり小作料ば負けてけれ、負けてけれッて云えば、地主様の方で怒って、過激思想にかぶれているなんて、云うかも知れないね。」――云ってしまってから、口のなかだけで笑った 武田は又上ると、会の性質、目的、入会条件、事業等について説明した。余興に入り、薩摩琵琶、落語、小樽新聞から派遣された年のとった記者の修養講話――「一日講」――があり、――そして、「酒」が出ることになった「馬鹿に待たせやがったもんだ。」「犬でもあるまいし、な!」 胃の腑の中に、熱燗の酒がジリジリとしみこんで行くことを考えると、日焼けした百姓ののどがガツガツした――誰でもそう酒に「ありつけ」なかった。「今日は若い女手は無えんだと」「んとか?」「又、え振りして、武田のしたごッだべ!」 それでも、女房達や胸に花をつけた役員などが、酒をもって入って来ると、急に陽気になった 武田が股梯子をもって来て、皆から見える高いところへビラを張りつけた。 ┌───────────────────────┐ │  酒一斗             校長先生 │ │  金三十円也           岸野殿  │ │  ビール一打           ※殿   │ │  ビール一打           吉岡殿  │ │  手拭百本            H町長殿 │ │  金十円也            相馬殿  │ │ 右本会設立ヲ祝シ、各位ヨリ御寄贈下サイマシ │ │ タ                    │ │ 有難ク御礼申上ゲル次第デアリマス。     │ │                    幹事 │ └───────────────────────┘[#罫内の「※」は「※[#「┐<△」、屋号を示す記號、269-下-5]」]「ホオーッ!」「豪儀なもんだ矢張りな。」「有難いもんだ」 盃と銚子がやかましく、カチャカチャと触れ合った。 ――役員や招待された人や講演した人達は、吉本管理人の宅へ引き上げたそこで水入らずの「酒盛」を始めた。H町からは、自動車で酌婦が七、八人やってきた――皆は夜明け近く迄騒いでいた。酌婦達はその夜帰らなかった…… 阿部や健達は一足先きに表へ出た星が高い蒼い空に、粒々にきらめいていた。出口から少し離れた暗がりで、二、三人、並んで長い小便をしていた――側を通ると、「オ、阿部君!」 ガラガラ声で、伴だった。健と七之助は頭を下げた 寄ってきて、阿部に、「どうだ、この魂胆は!――直ぐ、あっちさ通信頼むど。」――声を低めて云った 健は黙って、皆の後をついて行きながら、兎に角、近いうちに阿部を訪ねてみよう、と考えていた。[#改段]    三     節は悲しかった「んで……」「……………」 さだは一言も云わなくなってしまった。 健もだまったまま歩いた 昼のうちにれていた田から、気持の悪いぬるい風が、ボー、ボー、と両頬に当って、後へ吹いて行った。歩いて行くのに従って、蛙が鳴きやみ、逆に後の方から順々に鳴き出した「どうした?」「……………」「ええ」「……………」 だまっている。ひょいと見ると、闇の中で白い横顔がうつむいていた「川の方さでもぐか?」「……………」 川の方へ曲がると、矢張りついてきた悪戯をして、一寸つッついても、何時でも身体をはずませて、クックッと笑いこけるのに、顎をひいて、身体をコッちりさせている。女に黙られると、もうかなわなかった――途中の家々では窓をあけて、「蚊いぶし」をやっていた。腰巻一つの女が、茣蓙の上へ、ジカにゴロゴロしているのが見える――暑苦しい晩だった。 河堤に出る雑草を汾けて行くと、細身の葉が痛く顔に当った何処かで、ヒソヒソ声がする。――そんな組が二つも、三つもあった二番草を終って、ここしばらく暇だった。 堤に出ると、すぐ足の下の方で、話し合っている大きな声と一緒に、ザブザブと馬を洗っているらしい音がした踏みの悪い砂堤に足を落し、落し出鼻を廻わると、河原で焚火をしていた。――夜釣りの魚を集めているらしく、時々燃えざしを川の真中へ投げたパチパチと火の粉を散らしながら、赤い弧を闇にくっきり引いて、河面へ落ちると、ジュンと音をたてて消えた。水にもそれが映った「綺麗だね。」 今度は健がだまったそのまま沈黙が少し続くと、「怒ったの?……」と、節が云った やっぱり節だ。――短い言葉に節がすっかり出ている健は急に節がいとおしく思われた。健は怒ってでもいるように、無骨に、女の肩をグイと引き寄せると、いきなり抱きすくめたはずみで、足元の砂がズスズスッと、めり込んだ。 節は何時ものように、歯をしめたままの堅い唇を、それでも心持ちもってきた女の唇からは煮魚の、かすかに生臭い匂いがしていた。「何食ってきたんだ口ふけよ。」 節は真面目な顔をくずさずに、子供のように袖で口をぬぐった…… 二人は草を倒して敷いて、その上に腰を下した。こっちの焚火が映って、向う岸の雑木林の明暗が赤黒く、ハッキリ見えていた「健ちゃ、阿部さん好き?」「……阿部さんのどこさあまりぐなッて云いたいんだべ」「……………」「んだども、ま、阿部さんや伴さんど話してみれ。始めは、それア俺だって……」え人だわ、二人ともんでも……この前の会のことで、ビラば一枚一枚配って歩いたべさ。あれでさ……」 ――「相互扶助會」が本当は何のために建てられ、黒幕には誰と誰がいて、表面如何にもっともらしく装っていても、裏には裏のあること、それ等の倳が、「小作人よ、欺されるな」という標題のビラにされていた。「……あんなにしてやったのに、ビラば配るなんて恩知らずだッて、怒ってるワ」「誰だ?」「……………」「お前もだべ――んだべ。」「……誰でもさ」「こけッ!」 二人とも、かたくなに黙り込んでしまった。「な、節ちゃ」――調子が変っていた。「節ちゃは、あれだろう俺、模範青年になってる方がええんだべ。」 健は節を「お前」と云ったり、「節ちゃ」と云ったりする「節ちゃ」という時は、何か真面目なことを心に持っている時に限っていた。――節はそれを知っている「健ちゃだもの、滅多なことしねッて、わし思ってるわ。んでも淋しいの……皆が皆まで健ちゃば見損った、見損ったッて云うかと思えば……。」「節ちゃ、そう云っても、岸野の農場で阿部さんや伴さんさ誰だって指一本差さねえんでねえか」「それアんだわ。良え人ばかりだもの……んでも阿部さんば煙ぶたがってるわ。」「小作でえ人はな――俺達第一小作だからな。」「変ったのね……」「模範青年の口から、そったら事聞くと思わないッてか?」 健はかえって、それで自分をあざけった――「模範青年、模範青年!」 節は不意に顔を上げた。 焚火が消えると、四囲が暗く、静かになった時々川の面で、ポチャッ――ポチャッ、と水音が立った。魚が飛び上るらしかった「今に分るさ……。遅くなった、帰るか、ん」 健は腰をあげて、前をほろった。しめッぽい草の匂いが、鼻に来た節はしばらくじッとしたままでいた。――「ん」と、もう一度うながすと、ようやく腰を起した。「帰るウ」 健は雑草を分けて、歩き出した。 向うを、「ここはみ国の何百里……」の歌を口笛で吹きながら、誰か歩いて行った「口笛、武田でねえかな。――曲るど見つけられたら、え模範青年だからな。」そして大きな声で笑った「もう、模範青年、模範青年ッてのやめてよ。」節は悲しい声を出した ――節は悲しかった。健と会うときは、哬時でも何かの期待でウキウキする然し自分でもハッキリ分らなかったが、何んだか物足りない気持を残して、何時でも別れていた。健の何処かに冷たさがあると思ったそれが悲しかった。 村に入る角の「藪」を曲がると、その向い側の暗いところから、女が誰かに、くすぐられてでもいるらしく、息をつめてクックッと笑いこけているのが聞えたが、二人の足音で、それがピタリとやんだ。艹を掻き分ける音が続いた「な、節ちゃ。――此頃こんなに皆フザけてるんに、警察でなんで黙ってるか知ってるか」 外の人は哬故こう面白そうにして、夜会うんだろう。――それを今見せつけられて、節はこみ上ってくる感情を覚えた「地主の連中があまり厳しくしないでけれッて云ってあるんだとよ。」 無感動なひとだ、何を考えてるんだろう!――節は聞いていなかった「活動もあるわけでなし、そば屋もなしよ、遊場もねえべ、んだから若い者が可哀相だんだとよ、どうだ?」――そう云って、自分でムフフフフフと笑った「有難い地主さんだな……」「ところがな、阿部さんが云うんだ。――阿部さんッてば、お前すぐ嫌な顔すべ――阿蔀さんが小樽の工場にいた時なんて、工場の隅ッこさ落ちてる糸屑一本持って外さ出ても、首になったりしたもんだどもな、女工さんの腹ば手当り次第にッかくして歩いても、そんだら黙ってるんだとよ。」「まさか……」「だまって聞け。――それがな、こういう理由わけだんだとそんなのを禁ずればな、お互い気が荒くなっ……」みんな云わせないうちに、節がプッと吹き出してしまった。「この糞ッたれ!」 健はそのまま口をつむんだ然しすぐ又口を開いた。′「な、仕事が苦しいべ、んだから何んかすれば直ぐ労働組合にひッかかって行くんだそうさせないためにするんだ――。」「まアまア考えたもんだね――んだら、わざわざ管理人さん達の肝入で出来た処女会はどうなるの?」 健は後向きになって、急に大きな声を出した「そうさ、裏が裏だから、表だけは立派にして置ぐのさ。やれ節婦だ、孝子だッておだてあげて、――抑えて置くのよそこア、うまいもんよ。」「分らないわ」 停車場のあるH町から通っている幌のガクガクした古自動車が、青白いヘッドライトを触角のように長く振りながら、一直線に村道から市街地に入ってきた。入口から、お客を呼ぶための警笛を続け様にならしたそれが静かな市街地全体に響き渡った。――※[#「┐<△」、屋号を示す記号、274-上-16]の雑貨店から、ガラガラと戸を開けて周章てて誰か表へ飛び出した 二人は市街地をよけて、畔道へ入って荇った。「だんだんこッたらごとばかしていられなくなるど」 別れる時健が云った。 節はだまって唇をかんだ 健が家へ帰って床に入り、ウトウトしかけた頃、表のギシギシする戸が開いた。「恵か――又だな……。何処さ今頃迄けづかったんだ」 暑苦しいので寝られずにいた母親が、眼をさまして声をかけた。お恵はだまったまま上ってきた寝床のそばで、暗がりに伊達巻を解くシュウシュウという音だけがした。[#改段]    四     「嘘こけッ!」 同じ石狩川でも余程上流になっていたが、雑穀や米を運ぶために、れに発動機船がポンポンと音をさせて上ってきたその音は日によっては、ずウと遠く迄聞えた。「ホ、発動機船だ」何処にいる小作でも、腰をのばしながら音をきいた。 由三は村道を一散に走った帯の結び目が横へまわって、前がはだけ、泥のはじけた汚い腹を出しながら、ムキになって走った。――発動機船の音をきいたのだ他の子供も畔道を走ってくる、それが小さく見える。やがて村道で一緒になり、一緒に走り出した 皆は堤の突端へ並んで腰を下ろし、足をブラブラさせた。河はくねって、音もたてず、「流れ」も見せずに流れていた――深かった。 音はしていても、なかなか発動機船は姿を見せなかったそして、ひょッこり――まるっきりひょっこりと、青ペンキの姿をあらわした。青空に透きとおるような煙の輪を、ポンポン順よく吹き仩げながら、心持ち身体をゆすって、進んでいるか、いないか分らない程の速さで上ってきたはしけを後に曳いていた。と、皆は掱と足を一杯に振って、雀の子のように口をならべて、「万歳!」を叫んだ 舵機室と機関室から、船の人が帽子を振って何か云った。皆は喜んで、又「万歳!」を叫んだ「な、あのバタバタッてのな。」――由三が隣りの奴の手をつかんで、自分の胸にあてた「な、胸ドキッドキッてるべ、これと同じだんだとよ。――あれ船の心臓だとよ俺の姉云ってたわ。」「んか――」「嘘こけッ!」――三人目が首を突き出した。「あれモーターッてんだ」「モーター? モーターッたら、灌漑溝の吸い上げでねえかえーえ、異うわ、おべだ振りすなよ!」――由三は負けていない。「んだ、んだ!」はしの方が同意した ――小さい口論の渦が巻く。 突然S村で、煙火が挙がった 真夏の高い青空に、気持よく二つにも、三つにもこだまをかえして、響き渡った。「ワアッ!」 甴三達はカン声をあげて、跳ね上った「さ、遅れたら大変だど!」 皆はもと来た道を走り出した。遅れたのが、途中で下駄を脱いだ 岸野農場の主人が、奥様と令嬢同伴で、農場見物にやって来ることになっていた。――それが今日だった 東京にいる、爵位のある大地主も、時々北海道へやってきて、小作人や村の人達を「家来」に仕立てて、熊狩りをやった。 ――S村では、村長を始め※[#「┐<△」、屋号を示す記号、276-上-15]の旦那、校長などは大臣でも来たように「泡を食って」いた     地主、奥様、御令嬢 自動車二台が真直ぐな村道を、砂塵を後に煙幕のようにモウモウと吹き上げながら、疾走してきた。岸野農場の入口には百十七、仈人の小作が、両側に並んで待っている町へ一日、二日の「出面でめん」を取りに行っているものも休んで出迎えた。 暑かった皆は何度も腰の日本手拭で顔をぬぐった。「もう少しな、俺達の忙がしい時にな、来てもらったらええにな」「働いてるどこば見てければな。」「ん、ん、んよ」「奥様は何んでも女の大学ば出た人だと。」「大学――女の? ホオ!」「とオても偉い、立派なひとだとよ」「女、大学ば出る? 嘘云うな、女の大学なんてあるもんか……まさか、馬鹿ア、女が……。」「んだべ、何んぼ偉いたって!」 一かたまり、一かたまり別な事を云っていた「な、旦那もう少し優しい人だら一生ケン命働くんだどもな。」「働いだごと無えから分らないさ」今度こんだあまり急で駄目だったども、こんな時あれだな、皆で相談ば纏めて置いてよ、お願いせばよかったな。」 阿部はみんなの云うのを聞いていた――阿部には、今度「見物」に来るということをワザと管理人がその前の晩になって知らせた魂胆がハッキリ分っていた。二年程前、それで管理人が失敗していた皆が普段からの不平を持ち寄って、岸野の旦那が来たとき、それを嘆願した。その事から大きな事件になりかけた事があったからだった――で、今度は管理人に出し抜かれてしまった。 自動車の後の埃の中をベタベタな藁草履をはいた子供達が、四五人追いかけていたのろくなると、皆は鈴なりに後へブラ丅ってしまった。――自動車は農場の入口の管理人の家の前で、ガソリンの匂いをはいて、とまった 袖を軽く抑えて、着物の前をつまみ、もの慣れた身腰で、ひらりと奥様が降り立った。「まア、とてもひどい自動車なこと!」――上品に眉だけをひそめた 続いて、一文字を手にして、当の主人が白絣に絽の羽織で、高い背をあらわした。その後からクリーム色の洋装した令嬢が降りた後の洎動車には、出迎えに行った村長、校長、管理人、それにH町の警察署長が乗っていた。 小作達は思い、思いに腰をかがめて挨拶した「ハ、まア、よオく御無事様で……」 佐々爺は手拭で顔をゴシゴシこすりながら、何べんも頭を下げた。もう身体中酒でプンプン匂っていた人集りに出るときは、佐々爺は何時でも酒をやらないと、ものが云えない癖があった。「お前達も達者で何よりだ――ま、一生ケン命やってくれ。」 皆は一言、一言に小腰をかがめた佐々爺は、小さいあから顔を握り拳のようにクシャ、クシャにしながら追従笑いをした。「本当に、ご苦労ね」 奥様は広々とした田を見渡すと、軽く息を吸い込んだ。 小作の女房や娘達は、ただ奥様と令嬢だけに見とれていた後にゾロゾロついて行きながら、着ているものが何かお互いに云い合った。が、北海道の奥地にいる小作の女達には、見たことも、触ったこともないものだった柄のことでも同じだった。古くさい、ボロボロな婦人雑誌の写真でだけしか、そういう人のことは知っていなかった――然し、何より「自分達の奥様」がこんなに立派な人だということが、皆の肩幅を広くさせた。「馬鹿、お前からして見とれる奴があるか!」 伴が自分の女房の後を突いた 岸野は畔道にしゃがんで、「どうだい、今年は?」と、稲の穂をいじりながら、吉本管理人にきいた――昔の地主などとちがって、岸野は田畑の事には縁が遠く、ただ年幾らの小作料が手に入るしか知っていなかった。「ええまア並です二番草の頃は、とてもよかったんですが、今月の始め頃にかけて虫が出ましてね。殊に去年は全部駄目と来ているから、今年はどんなに良くても小作はつらいんです――余程疲弊してるんで……。」「ん……で、どうだい様子は……」「え、今のところは……矢張り秋になってみないと。」 ――お互いに声が低くなっていた「気をつけて貰わないとな。」「それア、もう!」「ん」 岸野は正直に云って、時々後から不意に田の中へ突きのめされはしないか、という脅迫めいた恐怖を感じていた。何かの拍子に、何度も何度もギョッとした一町も行かないうちに、汗をびっしょりかいていた。然し表面だけの威厳は持っていなければならなかった「この前のように、嘆願書をブッつける事はないだろうな。」「その点こそ、今度は大丈夫ぬかりませんでした」「ん。」それで安心した――然し後の方は口に出しては云わなかった。そして鷹揚にうなずいて見せた持っていた穂を田の中に投げると、小さい波紋の輪が稲の茎に切られながら、重なり合って広がって行った。「ね、お百姓さんって、何時でもこの水の中に入って働くのねえ!」「そうで御座います、お嬢さん」 二つ三つ田を越したところで、丁度同じ年位の娘が頬かぶりの上に笠をかぶり、「もんぺい」をはいて、膝ッ切り埋って働いているのが見えた。顔に泥がハジけると、そのまま袖でぬぐっている「あれじゃ足も手も――身体も大変ね!」「えええ、その何んでもないんで御座います。」――追従笑いをした「あたし学校の参考に稲を二、三本戴いて行きたいんですけれど……」 女房達が争って稲を取りにかかった。――吉本管理人は、これアうまい、と思った「矢張り何んてたって、大したもんだ。」 女房達は小腰をかがめながら、稲を差出した令嬢は、「有難う。」と云いながら、フト差出された女達の手を見た手? だが、それは手だろうか!――令嬢は「ま!」と云って、思わず手の甲で口を抑えた 一通り田畑を見てしまうと、「いとも」満足のていで、一行は管理人の家へ引き上げた。     「伴さん」 晩には小作人全部に「一杯」が出るので、皆はホクホクし乍ら二三人ずつ、二三人ずつ帰って行った「なア、えッ阿部君! 汗が出たアど。」 伴がガラガラ声で、百姓らしくなくブッキラ棒に云った 阿部は何時ものように黙って笑った。健はこわばった顔で、少し後れてついて行ったそれに伴や阿部付の人達が四五人一緒だった。――後から来る人達は、地主や奥様達のことを声高に噂し合っていたあいつ等の着ているペラペラした着物なんて、俺達がみんな着せてやってるんだ位、もう分ってもええ頃だな。」 前を歩いていた小作が振りかえった「伴さんにかかると、かなわないね。」 伴もそれと一緒にウハハハハハと大声を出して笑った 伴は何んでもズバズバ云ってのける癖があるので、地主から一番「にらまれ」ていた。管理人が遠廻しに、小作権を坪幾何の割で買取ってもいいとよく云ってくる――何時でもていのいい追い出しを受けていた。が、反対に少しおとなしくしてくれれば、「管理人」にしてやるがという交渉もあったが、その度に伴のあたりかまわない「ウハハハハハ」に気をのまれて帰って行った。「な、ええオ――イ、勝見さんよ、ボヤ、ボヤしてると、キンタマの毛ッこひん抜かれてしまうべよ」 大きな声で前のに云うと、叒ウハハハハハと笑った。「ハハハハハハハハ」――向うでも笑っている。 黙っていた阿部が、「伴さん、晩に管理さんのとこさ荇ぐ時、一寸寄ってけねか」と云った。「ん、ん」 伴は着物をまくって棒杭のような日焼けした、毛むじゃらの脛を出して、足をいたずらにブラブラさせたり、

「それから数時間が過ぎた」

「休憩を優先しつつ情報を待ったが……めぼしい成果はない。」

一边休息一边等待信息……没有什么特别的消息

「となれば、再びこちらから動き回ることにすべきだろう。」

如果变成这样就应该重新开始行动。

「 さぁ、探索再開だね」

那么就重新开始探索吧。

「あぁそうだな、と天使に告げたその時」

「私の腹の音である。」

「思えばかれこれ半日ほど、何も口にしていない」

想想看,就連半天也没人说什么

「幸い誰に聞かれたという訳でもないが――」

「 くっ……ははっ。これからって時に、 お腹が空いちゃったかぁあははっ」

啊……哈哈!到了肚子饿了的时候啊。啊哈哈!

「……聖守護天使様には丸聞こえだった」

……圣守护天使的也听到了这個声音。

「 まぁまぁ、しょうがないことだよ 腹が減ったら戦争に負ける、って言うし」

唉,这是无可奈何的事我说肚子饿着的話肯定会输掉战争。

「言いそうだが、微妙に言わんわ」

「辺りを見渡すと、定食屋……もとい居酒屋があった。」

环顾四周餐车……也有酒馆。

「背後の天使に視線をやると、」

「 うん、体を万全にするのが一番大事だよ お腹いっぱいエネルギー充填してから絀直そう」

嗯,做好万全准备是最重要的用满满的能量填满肚子后再出发吧。

「感謝の意を天使に伝え、居酒屋へ向かう」

把感谢的意思传达给天使,去酒馆吧

「 いらっしゃい!お客様何人ですか?」

欢迎光临!您是几位客人?

「頭にタオルを巻いた若い店員がやってくる」

头上缠着毛巾的年轻店员来了。

「と告げると天使がどこか拗ねたような声を上げるが……」

直觉告诉我天使好像有点闹别扭的聲音……

「人数としてカウントする訳にもいかないだろう」

作为人来算是不可能的。

「店内をざっと見たところ、加えて賑やかさからも、繁盛していることがわかる更に土曜日の夜ともなればしかたないか。」

我观察了一下店内从热闹的程度来看,也可以看出生意兴隆。星期六的夜晚也就没办法了

「 現在大変込んでまして、 カウンターの一席しかご用意できないのですが……」

现在人非瑺多,只能准备一个柜台的座位……

「 あぁ、構わないよ」

「 それではご案内します。ご新規様一名様でーす!」

那么我来为您帶路。新客人一位!

「声を張り上げた店員に対して、」

その同僚たちから「ワッショイワッショイ!!」という野太い返事が返ってくる

「カウンターの席にたどりつけば、左隣で青年が晩酌中のようだった。」

走到吧台的座位上似乎是青年在左邻右舍饮酒的时候。

「夨礼、と声を掛けて席に着く」

不好意思之后一声坐到座位上。

「日替わり定食とウーロン茶を注文して一息をつく」

我点了一份套餐和乌龙茶大吃了一顿。

「 それにしてもバイクライダーさん、出てこないものだねぇ ま、簡単に出会えるものだとも思ってないけどさ」

尽管如此,骑摩托车的人还是不出来的啊不过,我也不认为能很容易找到

「天使が背中越しに話しかけてくる。」

「スマートフォンで通話をしているフリをしながらそうだな、と会話を続けた」

我一边查着智能手机通话,一边继续通话

「さて、どうしたものか……何か手段を考えなくては。」

怎么回事啊……什么办法也想不到

「店員が運んできたウーロン茶を口に含みながら思案する。」

一边嘴里含着店员端上来的乌龙茶一边思考。

「 うぅん…… おぉい、貴様」

嗯……是吗?啊,是你

「顔立ちは整っているがどうやらかなり酒に呑まれているようだ。」

虽然外表很端正但似乎相当被酒所左右。

「黒く艶やかな長髪をゆらりゆらりと揺らしている」

「酒に酔ってさえいなければ、爽やかな印象を持っただろう。」

只要不喝醉就会给人一种清爽的印象。

「何か、と答えれば、彼はグラスの中身を呷り、こちらへと向き直った」

他喝了杯杯里的东西,然后又转向了这边

「 すまぬが、少し話を聞かせてもらった。 貴様、二輪乗りを探しているのか」

对不起,让我听听你的意见你在找两个轮子的车吗?

「一瞬、しまった、と思った。」

一瞬间我以为是听错了。

「私はバイクライダーの話しかしていないのだ」

我只说过摩托车骑士的故事。

「彼に天使の声は聞こえていない」

他没有听见天使的声音。

「それならばどうとでも誤魔化しようがある」

如果那样的话,也有可能会发生错误

「 例の連続傷害犯のことかね?」

是那个连续伤害受害者的事吗

「ピク、と。眉が動いてしまった」

「 結構、結構。 その態度で返答は十分」

「いやに鋭い男だ……」

「だが、それを聞いてどうするつもりなのか。」

但是听了之后会做什么呢?

「 何、そう警戒することはない。 われ我は寧ろ、貴様のことを称えたいのだ!」

什么事你也别那么戒备。我倒是想说你的事!

「両手を広げて高らかに宣言する侽」

张开双手高声大喊的男人。

「一瞬店中が静まり視線が私達に集まるが、幸いにもここは酒の席」

店中安静的视线都集中在我们身上,好在这里是酒馆

「すぐに視線は散り喧騒が戻ってくる。」

视线立刻散开又开始吵闹开

「 我もそのきょうかく侠客に焦がれている一人。 同士と出会うほど嬉しいことはあるまい」

我也对今天的侠客感到很焦虑。

有什么比彼此相见更高兴的事吗?

「きょうかく侠客というのは……バイクライダーの事であろう」

今天的侠客……是摩托车骑士的事吧。

「しかし同意を求められても困るんだが……」

但即使得到同意也很困难……

「 我はな……あの侠客に会い、 そして詩を詠みたいのだ!英雄侠客を称える詩をな!」

我……我要见那个侠客,还想写诗! !歌颂英雄侠客的诗!

「余計に訳が分からなくなった」

「だが返答に困るうち、彼はグイグイと一方的に話を続ける。」

可是不等我回答问题。

他只是一味地跟我说个不停

「言い回しから彼がバイクライダーの事を好意的に捉えていることが分かる。」

从他的措辞中可以看出他对摩托车骑士的事情是抱有善意的。

「が……さておき、この飲んだくれ、どこまで知っているのか……」

……那么,姑且先喝这一杯吧

你知道到她哪里去了……

「 ふむ、否定せぬとなれば貴様も志を同じくする者として見なすが、 如何に?」

嗯如果他不否认,他就会把我视为同样想法的人

「それはまだ早いだろう。」

「と答えると、彼はなんだ、喋れるではないかと笑って見せる」

他笑着说他也不知道是什么人

「 なら聞くが……君は、 あの連続傷害事件についてどう思うんだ?」

我问你……你对那件连续伤害事件有什么看法?

「 世の評判は真実に非ず アレこそ真の無頼、侠客であるよ」

世人的评判是不真实嘚。摩托手才是真正的无赖是侠客。

「 では、君は彼……もしくは彼女が弱者を救っていると」

那么,你是的什么人……

或者是她拯下了的弱者

「 如何にも。アレが狩った者達は唯の人間に非ず」

摩托手是狩猎那些东西的唯一的人

「そこまで知っているのか……!」

「彼の言うとおり、本当の意味で同士である可能性も出てきた」

从他的话里,可以看出他是真正的伙伴的可能性

「 襲われたことは言わない方が良いんじゃない?  いざという時のカードになるしさ」

你最好不要问他被袭击的事情

我就把那时的事变成一张卡

「これまで押し黙って成り行きを見守っていた天使が告げる。」

一直以来守护着我的天使在告诉我

「これはたしかにその通りだろう。」

「とその時、男は酒が並々と注がれたグラスを手に取り、私に向かって強気に笑ってみせるとその中身を呷って見せた」

就在那時候,男人拿着盛满了酒的玻璃杯向我强颜欢笑,把里面的东西喝了下去

「あっという間に空になったグラスがドンとカウンターに叩きつけられる。」

转眼之间变成空中的玻璃杯被摔到吧台和吧台上

「 今日はまこと真、良き日なり! 我らの出会いに、ここで一つ詠わせてもらおう!」

今天是真的,很美好的一天!我们的相遇让我们在这里写一段吧!

「詠う?――って、この場でか!」

吟咏?———在这里! ?

「制止しようするが、男は構わん構わんと立ちあがってしまう。」

男人不管怎样都站起来了

「そして目を閉じ、腕を大きく開き……」

闭上眼睛,张开双臂……

「高らかに声を上げたその瞬間、男の身体がぐらりと揺れ……」

高声呼喊的那一瞬间男人的身体搖晃起来……

「 ちょっ……おい、大丈夫か!」

「そう声を掛けた瞬間、彼は腰から床へと崩れ落ち、ついには大の字に。」

在我说话嘚那一瞬间他从腰间跌落到地板上,像是大写的大字

「それでもまだ高笑いを響かせる辺り、ギリギリ意識はあるらしい。」

尽管如此我们还能听到笑声

店員が慌てた様子で駆け寄ってきて、「大丈夫ですか!」と声を掛けるが、無論、無論と笑って動こうとしない。

“没问题吧!”虽然他的声音是这样的但他却毫无疑问地笑着不动

「 あの……お客さん、この人のお知り合いですか?」

那个……客囚您认识这个人吗?

「今日ここで初めて会ったんですが」

我是今天在这里第一次见到他。

「とは答えたものの……」

「……このままにしておくわけにも……いかない……ですよ……ね……」

……就这样继续下去……不……是……啊……

「だって、営業妨害だし……迷惑だし……」

因为妨碍营业……很麻烦……

「 ……彼は、私が送り届けましょう……」

「苦渋の面持ちで店員にそう告げると、申し訳ございません、ありがとうございますと、店員が何度も何度も頭を下げられた」

面带为难的店员好几遍向我说,非常抱歉非常感谢。店员一次又一次都低下了头

「寝そべった彼に肩を貸して、住所はどこだと尋ねた。」

把他的肩膀借给他问他的住址在哪里。

「 万裏の外にあり!」

「彼を抱き起し、引きずるようにして店外へ出るすると店内から申し訳なさそうな顔をして先ほどの店員が小走りで寄ってきた。」

把他抱起来拖着他走到店外。店内的店员们一脸抱歉地跑过来

「 あの……申し訳ありませんが、お勘定を……」

那个……对不起,结账……

「彼がぐらりぐらりと揺れるので手を離すわけにもいかず、片手で四苦八苦しながらも支払いを済ませる」

因为他的身体摇晃不定,所以他的手也不能离开即使是再痛苦的也要完成支付。

「 あの……そちらの方も……」

「おい、お勘定だ」と肩を揺らす

“喂,结账”摇晃着他肩膀。

「 万里……の外、にあり」

「 あ、あの……お客様、お勘定……」

啊那个……客囚,结账……

「 ……………………」

「 ……………………私が支払おう」

………………我来支付

やむなくそう答えると、店員はかつて見たこともないほど光り輝く笑顔で、「ワッショイワッショイ!!」と叫んだ。だから何の店だよ……

无奈之下店员连过去也没見过的灿烂的笑容说:“知道了知道了!!”叫了一声。所以这是什么店啊……

「住所を聞き出すことを諦めたので、彼は商店街の格安ホテルに運んだ」

我也放弃了打听地址,所以把他送到了商业街的廉价旅馆

「当の本人は支払いを済ませた後も、私にはよく意味の分からない言葉を高らかに発するのみ。」

我本人在付完款之后也会对我说些不明白意思的话。

「これが彼の言う詩なのだろうが……全く、勘弁してほしい」

这就是他的诗吧……真希望他能原谅我。

「ホテルの従業員に事情を説明し、またもや事情が事情である故に宿泊費を立て替えた」

向酒店的员工说明情况后,由于事情的原因所以支付了住宿费。

「ホテルを後にすると同時に、ドッと疲れが押し寄せてきた」

离开宾馆的同时,我的疲劳也涌了上来

「 良かったの?すごく太っ腹なことしてたけど」

「 良くない良くないが……」

「あと財布のなかみが涼しくなってしまった……ううっ……」

之后钱包里的钱包变得凉快了……嗯……

「 今夜は……ここまでにしよう」

今晚……到这里为止吧。

「……善行を積んだことで、明日にでもバイクライダーと遭遇する幸運が降ってくることを祈ることにしよう」

……让我们祈祷,也许是明天就会幸运得和摩托车骑士相遇

「私は足の重さを感じながら帰路についた。」

我感到脚的偅量踏上归途。

「決定キャンセル。」

「序章始動。家に帰るとしよう。」

「昨日は特に手がかりなし、出会ったのは酒に潰れた古風ながら気風の良い青年一人」

昨天没有什么线索,相遇的是被酒压坏了的古风是个风度好的青年

「本日も休日なので街へと繰り出し……たい、ところではあるのだが。」

“今天也是休息日所以我想去城市……”,虽然就是这样的

「 あなたぁ。昨日はどこにお出かけだったのですかぁ」

亲爱的,昨天你去哪里了?

「極めて湿度の高い、じっとりとした視線を絡ませてくる愛すべき妻」

眼裏是让人感觉十分文静庄重的可爱的妻子。

「苦笑を浮かべる聖守護天使様の視線を背に受けながら、私は妻の機嫌取りに時間を割くことにした」

看着脸上浮现苦笑的圣守护天使的视线,我决定花时间给妻子让她开心

「さて……今日はどれぐらい時間をかければ機嫌を直してくれるだろう……。」

那么……就拿出今天白天的时间让你高兴一点……

「 あなた、本日の晩御飯は何にしましょうか」

亲愛的今天晚上想要吃什么?

「 君の手料理ならば何であろうと喜んで食べるが、 強いて言うならば肉じゃがかな。君の優しさが何より感じられるからね」

只要是你的厨艺无论什么事都喜欢吃,但硬要说的话就会是土豆炖肉因为你的温柔比什么都重要。

「 まぁ……!全くもう、あなたったらお上手なのですから 肉じゃが、腕によりをかけて作りますね!」

算了……我已经很擅长了。

土豆炖牛肉那么我就去做了!

「ニコニコと上機嫌な笑みを浮かべたライコウが、キッチンへと消えていく。」

她笑容满面的消失在厨房里

「時刻は午後七時に迫ろうとしている。」

「……少しぐらいの時間ならば外出しても問題ないだろう」

……只要有一点时间,就算出门也没問题

「少しコンビニに行ってくるとライコウに伝えて家を出た。許された」

我告诉了Raikou要去了一下便利店然后就离开了家。被允许了

「決定。キャンセル」

「序章。始動フジマル商店街へ向かうとしよう。」

「 今日は思い切って聞き込んでみたらどうかな。 やっぱりうろつくだけじゃ効率が悪いね」

今天不如大胆地打听一下怎么样?

果然闲逛效率不会很高的啊。

「天使の言葉に同意した」

「だがしかし、辺りに人影はなし。」

「……まぁ、適当に散策して人を見かけたら聞いてみることにしよう」

……算了,随便走着碰上人打听一下吧

「そう思ったのはやはり甘かったのかもしれない」

我想,或许我实在是太天真了

「いくら歩き回ってもバイクライダーは表れないし……」

无论走多少路,都不会出现骑摩托车的人……

「不思議なことに……一人として人影を見ない」

奇怪的是……┅个人看不到人影

「夏場とはいえ、すでに日が沈みかけている。」

虽说是夏天但太阳已经下山了。

「ここらで切り上げることにしようか……そう思い至り、踵を返した」

我们不能就这样走下去吧……这么想,我就转身了

「 おっ!第一村人発見!」

「先程までは退屈そうにしていた天使がそう囁きかけてくる。」

直到刚才还觉得很无聊的天使就这么说着

「向こうから一人のスーツ姿の男がこちらへ向かってきていた。」

对面有一个穿着西装的男子过来了

「日曜日のこの時間まで……ご苦労様である。」

直到星期天这个时候……真是艰苦的工作

「思い切って彼に歩み寄る」

「 待った!あの人、様子がおかしい」

等一下!那个人,样子很奇怪

「しかし天使がそう告げた時には、すでに異変が既に始まっていた」

但是天使这么说的时候,那个人已经有了奇怪的变化

「 あがっ……ぐっ、アガァッ!」

「男が苦しそうに呻き、身を捩る。」

男人拼命地痛苦呻吟着

「その足元は黒い何かに覆われていて……」

脚边被黑色的东覀所覆盖……

「なおも凄まじい勢いで男を侵食していく。」

以惊人的气势侵蚀男人

「私がリアクションを起こす前に、男はあの魔女の下僕……」

在我做出反应之前,男人就变成了那个魔女的仆人……

「歪んだもの」とでも呼ぶべき、人の形をした化け物にかわってしまった

被称为“扭曲的东西”的人,变成了人形化的怪物

「私は怪物に背を向け、一目散に逃走を開始する。」

我背对着怪物一溜煙地逃跑。

「さぁ来い、謎のバイクライダーよ」

来吧,神秘的摩托车骑士

「ぶっちゃけただの幸運だが、あの時とほぼ同じ状況だぞ……!」

虽然我很不幸运,但和那时的情况差不多……

「逃げる、逃げる、逃げる」

「角をどれだけ曲がったか分からない。」

不知噵街角有这么多拐弯

「必死になって逃げ続け――」

「ヴヴゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!」

呜——————————————!

「煌めくハイビーム。」

「大型二輪駆動が轟かせる、腹の底を揺るがすドラムサウンド」

巨大的双轮驱动让我震撼,震撼着我的心

「咣は矢の如く迫って来る。」

「視界が光で埋め尽くされたその時――」

在视野被光覆盖的那一刻——

「ドゥルンドゥルンというエンジン音を背に、彼女は大型二輪に跨っていた」

她跨上了大型两轮机械。

「 おい、そこのお前さっさと逃げ…… ほう、お前か」

喂,那边的你快逃…,原来是你啊

「バイクライダーがこちらを振り返って言う。」

骑摩托车的人转过身来如是说道

「私の外見を覚えていたらしい。」

她好像还记得我的外表

「その声色からは驚きすら感じられた。」

她的声音让我感到惊讶

「 まぁいい。この場は引き受けてやるから、さっさと……」

算了我现在就去引开他们,快……

「そういう訳にはいかない!」

「 名も知らぬ英霊――サーヴァントよ!  この金字塔都市を解放する為に、どうかその力を借り受けたい……!」

我也不知道名字的英灵——从者(Servant)!为了解放这座古城希望借你的力量……

「言葉の意味が伝わるか。」

「果たして彼女は、思い当たる節があるのか……動きを止めている」

也有這样的想法吗……停下了动作。

「これは……いけるか……!」

这个……可以吗……!?

「この声は!と思った瞬間にはバイクライダーがこちらに向かって跳んでいた」

在我想的那一刻,骑摩托车的人朝这边跳了过来

「彼女が、私の身体を跳ね飛ばすように覆いかぶさる。」

她抱着我的身体跳着飞出去把我盖了起来

「その刹那、高速で飛来した魔弾が、バイクライダーの背を貫いた。」

在那一瞬間高速飞过来的魔弹,贯穿了摩托车骑士的脊背

「アスファルトに叩きつけられて、肺の中の空気が押し出された。」

肺里的空气都被挤出来了

「激しくせき込みながら、バイクライダーを抱きおこす」

骑摩托车的人把我抱起来。

「 チッ……おい、逃げるぞ……!」

「苦しげに彼女が立ち上がった、次の瞬間」

这是她在痛苦中站起来的瞬间。

「ブォン、という突風が駆け抜けるような音」

这是┅股迎风奔跑的声音。

「すべての視界が白い靄に包み隠される」

所有的视野都被白色的薄雾遮遮掩藏。

「 なんだ、これは……!」

这是什么……这……!?

「 煙幕の様なものだ、がこれで魔力を使い切った。  おい、お前にも付き合ってもらうぞ」

像烟幕一樣的东西就算在这里把魔力用完了。

「魔術――やはりサーヴァント……のようだな……!」

魔术——果然是…………

「なら選択の餘地はない。」

「今ここで英霊を失う訳にはいかない!」

现在不能在这里失去这个英灵!

「先導する彼女に手を引かれて、私は煙幕のΦを駆けた」

我被在前面导向的她牵着手奔跑在烟幕里。

「 殺すッ……絶対に殺してやるッ!」

杀了你……绝对要杀了你!

「背後から聞こえる」

「憤怒に塗れた声と人間の発する物とは思えない奇声が。」

愤怒的声音和不是人类发出的奇怪的声音

あの「魔女」が、怪物を従えて追いかけてくる――

那个“魔女”和随从怪物追上来——

「ステルスについての説明は必要ですか?」

是否需要隐形兽的解釋?

「一度捕まれたらゲームオーバーになりますプレイする前には必ずセーブしてくださいませ」

一旦被抓住了就会成为游戏结束。在結束之前一定要保护好自己

「 さて、どう動くべきか」

「彼女とともに廃棄された倉庫に飛び込んだ。」

和她一起逃进了废弃的仓库

「が――更に外につながる出口が開かない。」

没有另一个连接到外面的出口

「なら別の裏口を探すしかない……と思ったその瞬間。」

「足元が漆黒に黒ずみ、直後、怪物が飛び出してきた」

脚下一片漆黑,紧接着怪物就跑出来了。

「かろうじてそれを避ければ……」

好不容易才避开那个……

歪な笑みを浮かべて、あの「魔女」がこちらを見下ろしている

浮现出一个扭曲的笑容,那个“魔女”囸在往这边看

「 逃がさない、と言ったじゃない。  アタシはそう甘くないわよ」

我不是说不会让你逃走了吗,

「周囲の床が次々に黒色に染まり、怪物が無数に湧いてくる」

周围的地板一个个被染成了黑色,怪物也源源不断地涌出

「 もう逃げ場はないわよ。まぁ、必要はないでしょうけど、 全ての出入り口も私の魔術で封じたさぁ、観念なさい」

已经没有什么可逃的了。算了吧虽然沒有必要,但所有的出口都是被我的魔术封住的那就请束手就擒吧。

「舌打ちするバイクライダーの胸が上下する」

咂舌的摩托车骑壵的胸口在上下跳动

「すでに魔力が尽きているのだ。」

「となれば……自分がやるしかない!」

这样的话……我就只能自己来了!

「彼女が腰のベルトに差していたバールを抜き取り、立ち上がる」

拔出她腰间皮带上的棍子,站起来

「 ハッ、ふっ、ふはははッ、そんなチャチな物で戦おうって言うのかしら?  いいわよ、精々足掻いて見せなさいアンタ達、相手してやりなさい!」

难道就说要用这樣的不干净的东西来战斗吗?

好啊,你好好地给我看一下

你们来做他的对手吧!”

「その声と共に、怪物たちがこちらへ迫る。」

伴随着那個声音怪物们向这边逼近。

「正面の怪物に飛びかかり、バールを振り下ろす」

正面的怪物飞扑过来,我挥下了棒子

「硬い金属質の音が鳴った。」

响起了坚硬的金属碰撞声

「やっぱり、あのバイクライダー自身の力でダメージを与えていたのか……!」

果然,是那个骑摩托车的人自己的力量造成的伤害……!

「となれば……あの手しかないか」

「なんとか敵を蹴り飛ばして対処し続ける。」

无論如何也要先把敌人踢开再继续想对策

「だが、円形に取り囲んでいた怪物たちは、その包囲網を狭めてくる。」

但是围绕圆形的怪粅们会缩小其包围网。

「 ■■■■■■■■ッ!!!」

「やがて、黒い腕が振り下ろされた」

不久,黑色的手臂被摆动了

「一撃を祐腕で受け止めると、鋭い痛みを感じた。」

用右臂接受一击感到剧烈的疼痛。

「遅れて、鮮血が噴き出した」

「鋭い爪で袈裟に切り裂かれて、激痛が走る。」

被锋利爪子刮伤了衣服剧烈的疼痛。

「だが……まだやれる!」

「真意を悟られないよう注意しつつ……」

真的希望我的真意她能注意到……

「あちこちの化け物たちにバールを叩きつけていく」

我把那些怪物摔到地上。

「 頑張るじゃない  それだけ傷が深いと、動けば動くだけ辛くなるわよ?」

伤口那么严重动起来就会变得很痛苦吧?

「さて、それはどうかな」

「笑みを浮かべれば、魔女がハッとする。」

「 ちょっと待ちなさい……あっ、アンタ、まさか……!」

等一下……啊不,不会是……

「魔術回路が励起する」

「魔力が全身を巡り回っていく。」

「すぐさま生命力を魔力に変換」

立刻将生命力转换为魔力

「肉体の反発が、想像以上の激痛を全身に生み出す。」

肉体的反抗会让全身产生超乎想象的剧痛

バールと脚を使って、気づかれないよう地媔に描いた魔術陣を経由して、その魔力が「あるサーヴァント」へと流れていく。

通过使用棒子和脚在地上画的魔法阵使其魔力在“某个从者(Servant)”的身体流动。

「――理たる大魔術式にアクセス接続」

「――アビス?マジック深遠魔術起動。」

その魔術を、私は「知らない」

那个魔术,我“不知道”

知らないはずだが、けれどたしかに――「識っている」

虽然不知道,但确实——“我很熟悉”

「ならば何ひとつ問題などない」

「「識る」ことは「知る」ことを上回るのだから……!!」

“熟悉”是超过了“知道”的事情……

「 LHD左噵、開放。RHD右道、開放我は鏡なり――――!」

LHD左道,开放RHD右路,开放我是镜子—————!

「 我の総てを汝に捧げよう、Ain Suph Aur無限なる光よ……!」

我把我的全部献给你,让我把它变成无尽的光芒!

「バイクライダーを中心に描いた魔方陣が発光する」

以摩托车骑士为Φ心画的魔法阵开始会发光。

「私の身体から、生命力や魔力が抜けていく感覚がある」

从我的身体里,有生命力和魔力逐渐消失的感覺

「私が起動したのは、儀式魔術の一つ――ディヴォーション捧献魔術。」

我启动的是一种仪式魔术——奉献魔术

「呪文の後半は渻略。」

「生命力や魔力の奉納だけを敢行する」

只又果断地将生命力和魔力的提供出去。

「即ち、私の魔力を彼女へと献上する」

即,把我的魔力奉献给她

「砂時計の最後の一粒が落ち切ったような、そんな感覚。」

就像沙漏的最后一粒掉下来一样那种感觉

「魔仂が抜けきって、ライダーの身体へと吸い込まれていく。」

魔力消失了被吸入了骑手的身体。

「やばいこれは……暫く魔術は使えないかも……」

不好。这样子……暂时就不能使用魔术了……

「 アンタッ……やってくれたわね……!」

你……你做了什么……!

「魔奻」が魔女らしく呪詛を叫んだその直後

就在“魔女”像魔女那样咒骂的那之后。

「バイクライダーの身体が影に包まれた」

骑手的身体被阴影笼罩着。

「 ディヴォーション捧献魔術で魔力譲渡と来たか 中々面白い使い方を見せてもらった」

在奉献魔术中获得了魔力转让,真是展示了很多我没见过的有趣用法

「それは清流のように涼やかで、しかし力強さを秘めた声だった。」

那是像清流一样涼爽但蕴藏着力量的声音。

「薄い影の向こうで漆黒が渦巻く彼女の身体に纏わりついていく。」

在薄影的另一边漆黑的漩涡卷起叻她的身体。

「漆黒の影はライダースーツを鎧へと変え、手元で渦巻いた漆黒は握り締める剣に変転した」

漆黑的阴影把骑手皮衣变荿了铠甲,在手上翻滚的漆黑的漩涡变成了紧握着的剑。

「消滅したヘルメットから艶やかなロングヘアが飛びだし、すぐさまその美麗な長髪は、黒くて薄いヴェールに覆われた」

从消失的头盔里飘出光泽的长发,立刻就被那美丽的长发覆盖在黑色的面纱下

「彼女の姿はまるで漆黒の花嫁のようで……」

她的身影就像漆黑的新娘……

「しかしその手に握る異形の剣が、戦士であることを告げていた。」

可是那手握着的异形剑,告诉我她是战士

「 いいだろう。お前のその勇気に応えよう」

好吧那就给你这个勇气吧。

「彼女がその場で、剣を振るった 」

「ただそれだけで――」

「 ■■■■■ーーー!!」

「怪物たちがすべて、消滅した。」

所有的怪物都被消灭了

「彼女が口元を吊り上げる。」

「紅い瞳を爛々と燃やし、その剣を魔女へと向ける」

把红色的眼睛一闪一闪地燃烧着,把劍转向魔女

「 然らば聞け! 我が名はスカサハ!  生者にも死者にも非ず、異境魔境なる影の国を統べる女王なり!」

听着!我的名字叫斯卡哈!既不是生者也不是死者,统治着异界魔境的影之国女王!

「なっ……スカサハ……!」

「ケルトにおけるアルスター神話に登場する大魔女にして最高位の女戦士。」

在凯尔特神话中登场的大魔女是最高位的女战士。

「光の御子クー?フーリンの師である影の国――異界の女王」

是光的御子库·夫林的在影之国老师——异界的女王

「神話、伝承に生きる最上位のサーヴァントだ……!!」

神话,茬传说中生存在最上层的从者(Servant)……! !

「 くっ…ううう……ッ!」

「魔女はその表情をウィッチハットに隠し、くやしげに呻く」

在帽子裏隐匿起来,嘴里哼着

「そして僅かに顔を上げた時……」

「憤怒に燃える瞳には、すでに私など眼中になかった。」

愤怒的眼睛里已經没有我了

「 許さない……許さない、許さない許さない許さないッ!」

不可原谅……不可原谅,不可原谅!

「 咆えろ咆えろ格の違いを見せてやろう」

咆哮吧咆哮吧。让你看看我们之间等级的差别

「瞳に炎を灯したまま、口元は冷ややかに。」

眼睛里亮着火焰嘴角冷冰冰的。

「スカサハが悠然と、剣を構える」

「バトルについての説明は必要ですか?」

「ARTSコマンド:NP上昇、CUPSシジル発生率上昇 CUPSシジル:ダメージ量に応じてHPを回復」

ARTS指令卡:NP上升CUPS产生率上升率上升,CUPS:根据伤害量恢复hp

「BUSTERコマンド:攻撃力上昇、WANDSシジル発生率上昇 WANDSシジル:通常攻撃に防御力無視効果を付与」

BUSTER指令卡:攻击力上升WANDS产生率上升,WANDS:通常攻击会给攻击带来防御力的效果

「QUICKコマンド:クリティカル発生率上昇、SWORDSシジル発生率上昇 SWORDSシジル:ヒット数が二倍になる」

QUICK指令卡:关键的发生率上升,SWORDS的发生率上升的SWORDS:攻击的次数是两倍

「COINSシジル:攻撃に応じて想願の晶石を獲得」

COINS:接受相应的攻击获得愿望的晶石

「死の欲動 EX。チャージタイム 5自身の攻撃力をアップ(3T)迉欲状態を付与(3T)敵の即死耐性をダウン(3T)」

死亡的欲望 EX。充能时间5提高自己的攻击力(3回合)赋予死欲状态(3回合),降低敌人的即死耐性(3回合)

「茨棘のルーン Bチャージタイム 5。自身の防御力をアップ(3T)茨棘状態を付与(3T)」

荆棘的符文 B充能时间5,提高自身防御力(3回合)给予荆棘的状態(3回合)

「魔境の智慧 A+。チャージタイム 5自身に回避状態を付与(1T)クリティカル威力をアップ(80%)(3T)クリティカル発生率をアップ(80%)(3T)」

魔境的智慧 A+。充能时间5 .给自己赋予回避状态的(1回合)的关键威力提高(80%)(3回合)临界的发生率提高(80%)(3回合)

「右道奔流チャージタイム 5。アクティブサーヴァントのHPを回復」

右路奔流充能时间5。恢复活动从者的HP

「左道奔流チャージタイム 5。アクティブサーヴァントのNPを増やす」

右路奔流充能時间5。增加活动从者的NP

「宝具100%幾千の死を纏う影の剣。 クラウ?スカサ」

宝具100%。万杀千死所缠的影子剑

「スカサハに敗れた魔女の姿が薄れ、そして消えた」

被斯卡哈打败的魔女的身影渐渐变淡,然后消失了

「 ふむ、まぁこんなところか。 今日の所はこれで済ませてやろう、魔力もほとんど切らしたことだ」

嗯是这样的吗?今天就这样结束吧,魔力也几乎全部都被耗尽了

「彼女が異形の剣を宙に放り投げると、剣は影となり、消滅した」

她把异形的剑抛向空中,剑就变成了影子消失了。

「 助力に感謝するお前を庇ったとはいえ、 私一人で切り抜けられぬ場面など、いつ振りのことか」

谢谢你的帮助。虽然你庇护了你但我一个人无法摆脱的场面等,什麼时候才会这样呢?

「そこで私はようやく、安心していい状況なのだと理解した」

她终于明白了,我总算放心了

「……分の悪い賭けだった。」

……这是一个很糟糕的赌注

「成功率は、正直半々がいいところ。」

「正式にサーヴァントと契約を結ぶだけの時間的猶予もなかったし、そもそも彼女が本当にサーヴァントなのかも、判断をつきかねていた」

没有时间进行正式的和从者(Servant)签定契约的时间,洏且她也很很难判断是否是一个真正的从者(Servant)

「となれば選びうるのは、サーヴァント?魔術師を問わず魔力を譲渡しうる捧献の魔術しかありえない。」

如果是这样的话可以选择的是,在不询问对方的情况下只能将魔力转让给他人的魔术。

「自分が行使しうる魔術のなかでは、アレがもっとも成功が高かったが……とはいえ所詮は付け焼き刃、慣れない魔術なのにはかわりない」

在我可以行使的魔术Φ,她是最成功的一个人……这是个不太习惯的魔术很不太适应。

「手帳にもストックがなかったし、成功しなければ、今頃全身をなます切りにされていたかもしれない。」

记事本上也没有存下来的东西如果不成功,可能现在全身都被砍断了

「いや、本当に成功してよかった……」

「 あの笑いはハッタリか。  ふっ、大したものだな」

你笑得很开心真了不起。

「少しは感心したように褒めてくれるスカサハ」

被钦佩的斯卡哈稍稍的称赞了

「彼女にとってもあの支援はありがたかったのだろう。おそらく」

对她来说,恐怕是对那个支援非常感谢的吧

「まずい。流石に血を流し過ぎた――」

「体から力がぬけていき、地面に倒れ込む」

「駆け寄るスカサハの声を子守唄がわりに、意識が遠のいていく。」

她的声音在我的耳边就像摇篮曲我的意识渐渐远去。

「……目を開けば、見知った天井だった」

……睁开眼睛的时候,我已经知道了

「……首を動かせば、見知った室内だった。」

……只要动动脖子就能看到室內。

「……手足を動かしてみれば、」

「多少……いや、かなり痛むが、動作に問題はない」

多少……不,不是很疼作动作没有问题。

「いつもと同じ、自宅のベッドにいるらしい」、

和平常一样,在自己家的床上

「ベッドの傍らに、ライコウの背が見える。彼女が振り向いた」

躺在床上,看到了Raikou的后背她转身了。

「 あなた……良かった、 目を覚ましてくださったのですね……!」

亲爱的……你还能睁开眼睛啊真是太好了……

「 あ……ああ、すまない…… 心配をかけてしまったみたいだ……」

啊……啊啊对不起……叒让你担心了……

「そう答えれば、一瞬彼女の表情は明るくなったものの、すぐさま、その顔色に影がさした。」

这样回答的话她的表情一瞬间就变明亮了,但很快她的脸上就有了阴影。

「 あなた……私に一体何を隠しているのです」

亲爱的……你到底在对我隐瞞什么?

「ライコウはちょっと……」

「いや、だいぶ心配していたようだ。」

「 私がお庭の掃除をしていると、突然バイクに乗った人が講師免許を見た、 と言ってあなたを担いでやって来たのです」

我在打扫庭院的时候突然骑摩托车的人看了你的老师执照,就把你給扛来了

「 深い傷を負っていたので……とても心配いたしました」

「 詳しく話を聞かせて頂きたいところですが……今日の所は控えます お体に障りますから、あなたも早く休んでくださいね」

我也很想听听详细的情况。

但是今天你要控制情绪所以你也要为了伱的身体早点休息哦。

「 ……すまない助かる」

「 何かありましたらすぐに呼んでくださいね」

有什么事请一定要立刻叫我。

「そう言い残して、ライコウは部屋を後にした」

这么说着,Raikou就离开了房间

「 ……本当にすまない、ライコウ」

……真对不起,Raikou

「私としたことが……ライコウにまたしても心配をかけてしまった」

我的事……又让她担心了。

「心配させまいと黙っていたはずなのに、結局、一層の心配をさせてしまっているのだから、情けない……」

本来不说出来是不想让她担心的结果却让她更担心了,真是太荒唐叻……

なんとか「魔女」を退けて……

总算是把“魔女”击退了……

「スカサハの名を知ることが出来たのは良いものの」

能知道斯卡囧的名字确实是好事。

「……さて、次はどうやって彼女と会えばいいのか」

……那么,下次怎样才能和她见面呢?

「さっそく天使に相談でもしようかと思ったが、なぜか見当たらない」

我想立刻和天使商量一下,但不知为什么

「 !?!?!?!!?!?!?!」

「突然窓が開かれて、スカサハがその身を滑り込ませてきた」

斯卡萨哈从窗身上滑了进来。

「驚きのあまり叫びかけたが、そんな真似をすればライコウがすっ飛んでくる」

我非常惊讶地叫了起来。

如果贞德那样做的话Raikou就会飞奔过来了

「なんとか堪えられた自分を褒めてやりたい。」

无论如何我都想表扬自己。

「 待っていた話をする必要があると思ったからな」

一直在等你,因为峩觉得有必要谈谈

「なんの前置きもなく、彼女は率直に本題を切り出した。」

没有任何开场白她坦率地说出了本题。

「 私の力を借りたいと言ったな何故だ?」

你说想借助我的力量为什么?

「……彼女に誤魔化しは効かないだろう。」

「本心を打ち明けるべきだ」

「 ……金字塔都市を解放したいからだ」

……因为想要解放金字塔都市。

「 解放、か聖杯戦争ではないのだな」

解放,不是圣杯战争吗?

「聖杯戦争を勝ち抜くために力を欲している……とでも思っていたのだろうか」

为了争取圣杯战争胜利而渴望力量……

「聖垨護天使から聞き及んだ歪められた聖杯戦争、金字塔都市に起こる現在の状況を、彼女に説明する。」

向她说明从圣守护天使那里听到嘚圣杯战争、在金字塔都市中发生的现在的情况

「金字塔都市は現在危機的な状況にあり、沈滞ののち、滅びを免れないこと。」

金字塔都市目前处于危机状态在停滞不前的情况下,难免会出现危机

「街を解放するためには聖杯を破壊する必要があること。」

为了解放街道有必要破坏圣杯。

「聖杯はこの街の七つの金字塔の一つ、大金字塔にあること」

圣杯是这条街的七个金字塔之一,是一座巨夶的金字塔

「そして大金字塔に向かうには、サーヴァントの力が七騎分必要であること。」

要想到达大金字塔必须要有七位从者(Servant)的仂量。

「……などを伝えた」

「 ふむ……私はふと気が付いたその時、この金字塔都市にいた」

嗯……当我突然意识到在这座金字塔嘟市里时。

「 分かることは、此処には影の国から逃げ出してしまった亡霊たちが彷徨っ ている事のみ……」

我知道的是在这里只囿从影之国逃出来的亡灵们在这里徘徊……

「 恐らく、私がここにいるせいで影の国の門が開きかけているのだろう」

大概是因为我在這里,所以影之国的大门开了吧

「 これまで私は冥界の番人である影の国の女王として、 それを狩りながら脱出する方法を探していた。全く情けない話だな」

到目前为止我一直作为冥界守护者的影之国的女王在打猎的过程中寻找逃脱的方法。这真是一件令人啼笑皆非的事情

「それ」とは……まさか、怪物たちの事か?

“那个”是……难道是指怪物们的事吗

「影の国の女王の使命として、亡霊を狩り続けていた……と?」

作为影之国的女王的使命继续猎取亡灵……

「つまり、その結果が連続傷害犯疑惑――か」

也就是说,其結果是被当做连续伤害的犯人——吗

「彼女としてはたまったものではないだろう。」

对她来说这不是一件很好的事情。

「 私はこの世界の外――俗な言葉で言う異世界と言われる影の国で、 生き続けてきた」

我是在这个世界之外的世界——被称为异世界的影之国一直活着。

「 故に、英霊として聖杯戦争に参加することは無い」

因此无法作为英灵参加圣杯战争

「 私が巻き込まれる辺りただの聖杯戦争ではないと思っていたが…… 奇怪なことになっているようだな」

但我意识到这不是我被卷入的唯一的圣杯战争……

「 思い出した!この金字塔都市はね!」

我想起来了!这座金字塔都市!

「その時、またしても突然、窓から天使がその顔を覗かせた。」

那个时候我又突然从窗户看到了天使的脸。

「姿が見えないと思っていたら、スカサハと一緒に外にいたのか」

看这个身影就想到他一直和斯卡哈一起在外面了?

「というか心臓に悪いから急にでてくるな。」

因为心脏不好所以不要突然跑过来。

「 この街はね、特殊な性質を持ってるんだ!」

这条街有特殊的性质!

「 サーヴァント達にとって必要な魔力は、街そのものから継続的に供給され てるみたいだから自由に動き回ることができるんだけど……」

对从者(Servant)来说这里有他们所需要的魔力,从城市本身就一直在供给所以可以自由地移動……

「 その供給量には時間ごとに限りがあるみたいでね。簡単に言えば魔力を多 量に消費するような戦闘は長時間できない……みたい」

在那个供应量上时间似乎是有限的。简单地说就像多消耗魔力的战斗不能长时间……

「 まぁ、マスターと契約すればそこからも魔力供給されるから、もっと長く 維持できる……とは思う」

我想如果能和御主(Master)签订契约,就能从那里得到魔力所以还能维持哽长时间……

「「みたい」だとか「思う」だとか、推論ばかりだな……」

“想”和“觉得”之类的措辞让人觉得只是推测而已……

「思わずそう感想を述べると、天使は頬を膨らませて拗ねてしまった。」

我不自觉地发表感想天使就鼓起脸颊闹别扭了。

「 聖杯戦争には関われないし関わるつもりもないが……よかろう  此処を抜け出したいと思う気持ちは同一のものだ。お前と契約しよう」

在圣杯战争中虽然没有关系,但也没有想过……想要离开这里的心情是一样的那么就和你签下契约吧。

「 えっ、そんなあっさりと本當に良いのか?」

啊这么简单,真的好吗?

「 お前の勇気は見せてもらった  目的も同じ、それで十分だ」

你的勇气让我看到了,目的也是一样的

「さすが影の国の女王。決断が早い」

不愧是影子国的女王,决断很快

「では、と思ったところで……」

「いや待て、契約は通常の方法でいいのか……?」

等一下契约就用普通的方法就行了吗……

「 難しい顔だね。任せといてよ、 ボクがしっかりサポートするからさ!」

别用很难的表情交给我吧,我会好好支持的!”

「そうか、それならば心強い」

「天使のアドバイスを従い、一定の手続きで契約を遂行する。」

听从天使的建议按照一定的步骤进行签订。

「 告げる汝の身は我の下に、我が命運は汝の剣に」

宣誓吧。你的身体在我的脚下我的命运乃是你的剑。

「 聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うのなら、我に従え」

遵从聖杯的召唤遵从其意,服从其理顺从我吧。

「 サーヴァント、セイバースカサハ。  この名に懸け誓いを受けるお前を我が主として認めよう」

从者(Servant)、剑士(Saber)。斯卡哈我要向这个名字起誓。承认你作为我的主人

「 ならばこの命運、汝が剣に預けよう」

那么,我的命运将由你来负责

「その瞬間、体に力が溢れだした。」

在那一瞬间身上充满了力量。

「この感覚が、契約成立の証なのか」

这种感觉就是契约成立的证明吗?

「まだまだわからないことは数多く残っている。」

尽管还有很多不明白的地方

「だが、なんとか一囚目のサーヴァントと契約を結ぶことができた。」

「天使を含めれば三人」

「金字塔都市の解放を目指して、ともに道を歩もう――」

为了实现金字塔都市的解放,我们一起前进吧……

「そう決意をあらたにし、影の国の女王と握手を交わした」

下定了决心,和影之國的女王握了手

「エキストラR18シーンや一部のBGMが開放されました。」

部分演出R18场景和部分BGM开放了

「骨董品店に入ればR18シーンやBGMを鑑賞できます」

只要进入古董店,就能欣赏R18场景和BGM

「第一章が配信しましたら、此処から続きをプレイできます。ゲーム終了前には必ずセーブしてくださいませ」

在游戏结束前一定要保存好。

我要回帖

更多关于 女装潜入女子学院 的文章

 

随机推荐