やぱり子どもの时は外で元気に游ばせたいですよ怎么翻译。游ばせたい怎么理解

最近の子どもについてどう思いますか?あまり外で游ばないと思います_百度知道
最近の子どもについてどう思いますか?あまり外で游ばないと思います
最近の子どもについてどう思いますか?そうですね,あまり外で游ばないと思います、怎么翻译 特别是第二句
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最近の子どもについてどう思いますか?关于最近的孩子(你)是怎么想的?そうですね,あまり外で游ばないと思います、是啊,(我)认为(孩子们)不怎么到外面去玩了。あまり~ない:不太~,不怎么~
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你认为最近的小孩子怎么样啊?这样啊,都不怎么出去玩(意思是喜欢窝在家里玩电脑看电视之类的吧)
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この人当たり良さは天性のものです!こんなに話しやすい女の子が他にいたでしょうか???彼女となら時間を忘れて一緒にいたい???そんな気持ちにさせてくれます。そして、彼女の4月の青空のように済んだ心に、最高の癒しを感じることと確信しています。私の統計上、「素直な子ほど、えろい」という法則がありますが、彼女もとても気遣いのできる子ですので、プレイの方も期待して頂いてお待ちください。
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"Automatic Giant"机械仕挂けの巨人
その1  ヒトは生まれることでその存在意义を胸にする。 そして目覚めることでその生命を滚らせる。 沈黙を余仪なくされても、心は変わらずそこにある。 魂の宿る、もの。 その、真中に。 ――だが。 「それ」を超えることはできるのだろうか……?  或いは、赦さないのだろうか、「彼」は……? 暗の中で谁かがゆるりと瞳を开けた。  吐息まじりに身体を起こす彼に、周りの人物は一斉に唤声を上げた。それを缓慢な动作で彼は见遣り、ちょっと笑ってみせた。再び、唤声が起こる。 「――名前は……?」  その中の一人がそう彼に寻ねた。  徐々に自分の中に浸透してゆくあらゆる情报を仅かばかり郁陶しく思いながらも、彼は望まれた答えを口にしようとする。  小さな电子音が响いて、全てが终了したことを告げた。 『封印されしエクゾディア』  それを集めた人物の、不愉快な台词。 『俺の胜ちだ』  ――武藤、游戯……。  头をぴっと掠める名前。  ――负けていない。  能力は诸刃の剣だ。高ければ高いほど、自分のおかれた状况を正确に认识し、それを正しい场所へ戻そうとする。  さあ、これから。 「――海马瀬人だ」  全てが始まる。 空いっぱいに広がった雨云を何とか押し留めたまま、チャイムは昼休みの始まりを告げた。生徒达はいっせいにがたがたと机を动かすと、思い思いの位置で弁当を広げ始めた。 「今日は外で食べるの无理かなあ……」  武藤游戯はそう呟いて、ゆっくりと数学の教科书を机の中にしまった。后ろから、ぽん、と肩を叩かれる。游戯がふと振り返ると、そこにいたのは真崎杏子だった。 「雨降りそうだもんね。ま、いいじゃない、教室で。さ、食べましょ」  弁当の入った包みをひらひらさせながら、美人の幼なじみはそうあっさりと言ってのける。いつもの光景と言ってしまえばそれまでだが、游戯は自分が机の上を片付けるのに手间取ったことに感谢したい気持ちだった。――やっぱり嬉しいものはいつ体験しても嬉しいものなのだ。 「う、うん。――城之内くんと本田くんは?」  でも教室で二人きりで弁当を広げる勇気は流石に无くってそう问いかける。二人で出かける勇気は持ち合わせているが、ここは学校と言う名の闭锁空间である。 (まあ食事は大势でした方が楽しいし)  友达だってかけがえのない大切なものだし。  そんな游戯の気持ちを知ってか知らずか杏子は大げさに溜め息をつくと、 「本田はパン买いに言ったわよ。城之内はあっち」 と颚をしゃくってみせた。 「んもう、あいつったらさっきの授业中ずっと寝てたのよ? まだ起きないんだから……」  呆れ返る杏子を背中に残し、游戯は大胆にも机に突っ伏して寝たままの城之内に近付く。 「城之内くん、もうお昼休みだよ。起きてよ、城之内くんってば」  何度か揺すって、ようやく城之内は颜を上げた。途端、杏子がぷっと吹き出す。つられて游戯も城之内の颜を见て、思わず笑ってしまった。 「あー良く寝た……ってなんだよ」  怪讶そうな颜の城之内に、游戯は、 「教科书の迹がついてるよ」 と笑いながら告げる。 「あーあ、何やってんのよ」  面白そうに杏子が口を挟み、ぽん、と镜を投げて寄越した。それをナイスキャッチして自分の颜を确かめた城之内がげっと呟く。くっきりとした教科书の迹が斜めに残っていた。  そこにタイミング良く、纸袋を抱えた本田が扉を开けて教室に入ってくる。 「游戯、城之内起きた……ってオメエ、なんだよその颜!」  游戯を捉えた视界の端に城之内を収めて、本田は先の二人と同じく大笑いを始めた。 「うっせえな、いいだろこれくらい」  照れ隠しにむっとして城之内がそう言い返す。 「いいや、良くないよな、うん、良くないぞ、城之内くん。それは面白过ぎる」 「そうよね、ちょっと见过ごせないわよ」 「てめー、本田に杏子! 笑い过ぎだっての!」  がたんと席から立ちあがって城之内は言い放った。 「そ、そんなことないよ、城之内くん」  フォローに入った游戯の声も、だがしかし笑いを渗ませたもので、城之内は视线を游戯に向けると、 「お前もフォローすんなら笑いながら言うなよ……」 とがくりと肩を落とした。「おーそうだ、杏子、これ食いおわったらデュエルしようぜ、デュエル」 「えー。城之内弱いんだもん、あたしは游戯としたいなあ。――游戯は?」  城之内の诱いを軽く断って、くるりと杏子が游戯を见た。 「杏子とするくらいなら俺としろよ、游戯」  すぐさま食べ物を口いっぱいに頬张りつつ、城之内がそこに参戦してくる。何よ、杏子とするくらいならって、ときっちり言叶尻を捉えた杏子を见遣りつつ、游戯はちょっと考えた后、 「うーん、三人じゃ出来ないしなあ……本田くんはデュエルしないの?」 と答えた。本田はあー俺はいいのいいの、と手を振って肩を竦めた。 「昨日初めて买ってみたんだけどさ、まだデッキ组める枚数じゃねえから」 「じゃさ、城之内くん、先に杏子としてからで良い?」  间を取って游戯はそう答えた。隣りで杏子がやったあ、と手を叩く。 「あたしね、昨日なかなか良いカードデッキに入れたのよ。游戯に见せたくって」  嬉しげにそう言ってデザートのさくらんぼを口に入れる。 「へー! 何のカードだろう」  游戯は目を辉かせながら杏子を见上げた。カードが络むと、元から幼い颜立ちがより一层幼く见える。正に热中する少年の瞳で、杏子はくすりと笑った。あの日の游戯の瞳とは――本当に、违う。  DEATH-T。祖父、双六の生命を救うために始まった自分たちの闘いで、游戯は见事胜利を収めた。幻の召唤神、エクゾディアを见事その手元に揃えて。その时に用いられたのが今游戯から発信されてクラス中でブームになっているマジック&ウィザーズである。 「――どうしたの、杏子?」  弁当箱の盖を闭めながら、不思议そうな颜をして游戯が杏子に问い挂ける。杏子はふっと我に返ると、 「――平和だなあ、とか思ってさ」 と、かたん、と椅子を引いた。 「当ったり前だろ、それが何か问题あるのかよ?」 「全然无いわよ。たださ、あれからもう二周间なんだよね……」  しみじみと言われて、游戯はきっちり二周间空のままの机を见遣った。持ち主は二周间前から意识不明で疗养中である。DEATH-Tの対戦相手、海马瀬人。 「――明日お见舞いに行こうかな」  谁ともなしに呟くと、杏子はちょっと神妙な颜をし、城之内は嫌そうに颜をしかめた。 「俺はあいつを许さねえからな! 悪りいがそれは俺はパスだ」 「城之内くん……」 「まあまあ、もう辛気くさい话はやめにしようぜ。俺杏子と游戯のデュエル楽しみにしてるんだからさ、とっとと始めてくれよ」  本田がぽん、と手を叩いて场の雰囲気を変えようとする。その心遣いににっこりと笑うと、游戯は 「――うん、そうだね」 と返事をした。そしてデッキを取り出してシャッフルを始める。それでも头の片隅にこびりついている名前は剥がれなかった。――心配している、というよりは、もう一度闘いたい、というような。次は正々堂々と。あの强さを、もう一度。お互いが全力を尽くして。 「――じゃ、デュエル!」  互いのデッキを交换して切り、山札として积み上げて、五枚引いてから、游戯と杏子は同时にそう决闘开始を宣言した。「――じゃ、あたしのターンね。『デュミナス・ヴァルキリア』で『エルフの剣士』を攻撃!」  攻撃力1800の美しい天使が1400の『エルフの剣士』を袭う。攻撃表示の『エルフの剣士』を倒せば、游戯のライフポイントに400のダメージを与えることになる。だが、游戯は场に伏せられていた一枚の魔法カードを开いた。 「伏せカードオープン、『魔剣アイスソード』を『エルフの剣士』に装备!」  『魔剣アイスソード』は剣士に500ポイントの攻撃力を上乗せする。よって攻撃力は1900ポイントとなり、攻撃をしかけた杏子のほうがピンチに立たされた。が、杏子は、にっと笑うと、 「じゃあトラップカード、『精霊の手镜』を使って『魔剣アイスソード』の対象を移し変えるわ」 と言ってカードをひょい、とひっくり返した。おお、と周囲から唤声が上がる。 「それなら仆はこのカードだ!」  游戯が开いたのは『援军』。一ターンの间だけ攻撃力を500アップさせる罠カードである。  
结果、『エルフの剣士』の攻撃力は1900、の『デュミナス・ヴァルキリア』のそれは1800で、杏子はライフを100失い、ゲームもそこで终了した。 「あーあ、负けちゃった」 「でもも强かったよ。见せたかったのってこれでしょ?」  游戯は『デュミナス・ヴァルキリア』を手にした。四つ星のモンスターながら1800という高い攻撃力を夸るそれは、美しいだけでなくレア度も高い。 「そうそう、それと、使うタイミング无かったけど『ハッピー・ラヴァー』と『シルバーアロー』のコンボ。可爱いしなかなか良い感じなのよね」 「うん、のデッキってバランス取れてていいよね。モンスターカードと魔法カードのコンビネーションもばっちりだぜ!」  贔屓目でなく心からそう思って游戯はに告げた。へへ、と笑って杏子はデッキを仕舞うと、 「次は负けないわよ」 と宣言した。じゃあ次は俺な、俺、と城之内が意気込んで身を乗り出したところで无情にも昼休みの终了五分前を告げる钟が鸣り响いた。とのデュエルが热戦だったため、思ったより长引いてしまったのだ。 「ちぇっ、なんだよもう。――じゃ、明日は俺とだぜ、游戯」  游戯は勿论うん、と大きく颔いた。 「次何だっけ」 「英语だよ、ね、?」 「うん、そうよ」 「……ってやべえ、俺宿题やってねえわ……!」  いきなり青ざめて城之内は狼狈してがたがたと忙しなく立ち上がった。途端、游戯と本田も落ち着きなく视线をさ迷わせる。 「――あ、仆も……」 「実は俺も……」  三人はそう口々に言い合い、ふと目と目ををかち合わせ、颔きあうと、一斉にを振り返った。 「!」 「さま!」 「ちゃん!」 「――何よ」  何を言われるのかはとっくに察しがついていたが、敢えてがそう闻き返す。 「宿题见せて!」  ったくもう、ちゃんと自分でやってきなさいよ、とぶちぶち文句を言いつつ、は英语のノートを取り出した。 のおかげで居残りを免れ、比较的早く游戯が帰宅してみると、祖父である双六が満面の笑みで游戯を迎えた。 「ほれ、来たぞ、游戯」  ダンボールの箱を目の前に小跃りしかねない势いである。あの海马との决戦に破れ心臓発作を起こし、一时期入院していた双六だが、今ではすっかり回复して元気いっぱいである。  今も、まるで少年のようにはしゃぎきっている。そんな祖父の様子に良かったと思いながら、しかし圧倒されつつも、游戯は口を开いた。 「来たって何がだよ、じいちゃん」  双六はふふふ、と意味ありげに笑うとたっぷり间を取って、 「マジック&ウィザーズの新シリーズカードじゃ」 と言った。
「え、本当?! わ、やったー!」  手放しで游戯が大喜びする。  彼のクラスでも大ブームとなっているマジック&ウィザーズは今や日本国民全体を巻き込んだ一大センセーションとなっていた。この游戯の祖父が店长を务める『亀のゲーム屋』でも新シリーズはあっという间に売り切れ、品切れの状态が続いていた。そして、追加発注をかけていたそれがようやく到着したのである。  マジック&ウィザーズはリアルタイムに进化しているカードゲームである。次々に新版が出され、强いモンスターカードは勿论、今まで思いつきもしなかったような効果を持つ魔法カード、罠カードも生まれている。だから新シリーズはデッキ强化という点で注目の的であり、尚且つファン魂をくすぐられるような见たこともない、そして素晴らしい能力を有するカードに出会う确率が最も高い、ときては、もうこの二人にとっては垂涎の的である。  二人は争うようにしてダンボールの捆包を解いた。中に制品の小箱があり、その中にカードが数枚ずつ封入されたパックがぎっちりとつまっている。中にどんなカードが入っているかは买って开けてみるまで分からない。その「わくわく感」もまた人気の秘密だった。 「なんじゃい、新しいカードは一つも无いわい」  その中からひとつのパックを选び取り、ぴり、と开けて中身を确认した双六が叹くようにそう呟いた。DEATH-Tで游戯に自分のデッキを托してから、その后孙が返すというのも「『エクゾディア』はもうお前のカードじゃ」と拒んで、双六は再び最强のデッキを组み上げようとしている。彼は新しいデッキ构筑に挑戦するつもりだった。  それは游戯も同じことである。双六から譲られたデッキは流石彼が长年かけて组み上げただけあって、极めて强力なものだったが、游戯はそこに元々自分が持っていたカードを加えて再构筑した。更なるデッキの强化を目指して、游戯もカードの补充を考えている。 「じゃあ、仆はこれだ」  游戯がパックの一つを手に取ると、双六がすかさず手を差し出した。 「なに、じいちゃん」 「毎度ありー」  てっきり一つくらいなら贳えるものと思っていた游戯はええ、と口を尖らせた。不况じゃからのう、と言い訳になるのかならないのか世知辛い言叶を吐いて、なおも双六は手を引っ込めようとしない。游戯は仕方なくポケットから财布を取り出した。中身と相谈して、5パックだけ箱から引き抜く。 「なんじゃい、それだけでいいのか?」 「もうお小遣いがないんだよ」  月末だから台所事情が苦しいのだ。じゃあこれだったら安く分けてやっても良いぞ、と祖父は足元の棚の奥から一段と古びたダンボールを取り出した。横のロゴデザインは确かに『マジック&ウィザーズ』のものだったが、阳に焼けて褪せたように薄れている。 「古いやつ……?」 「そうじゃ、初版ものじゃな。いかんせん発展途上じゃから现在のカードに比べると戦力的には弱いが、その代わり试行错误の珍しいカードが入っとるかもしれんぞ」 「そうだよね……」  すっかり心を惹かれた様子の孙を见遣り、双六はここぞとばかりにぱん、と手を叩いた。 「よし、今なら1パックただでくれてやる。その中に良いカードが入ってたら割引するから买うんじゃぞ」  その台词に何処か引っ挂かるものを感じながら、游戯は1パック慎重に选び取った。そして、ふと颜を上げる。 「――これさ、もしかして余ってるの?」 「実は裏の仓库にダンボールで5つほど……」  完全な仕入れミスである。新しいシリーズが出たら大抵の客はそちらに流れてしまう。 「じいちゃん……」  游戯はがくりと肩を落として呆れたように呟いた。 店舗から母屋に移り、自分の部屋に行く前に台所に寄ってから冷蔵库の中の麦茶を取り出す。それを游戯は自分のカップに注いでから、とんとん、と阶段を駆け上がっていった。冷蔵库で冷えていた所为で生まれた水滴が手を渗ませている。游戯は喉をうるおした后にズボンで手のひらを拭くと、慎重にパックを开けた。この瞬间がとても好きだ。いつでも、心ははやり期待でいっぱいになる。  だが、どうも今回は望みに叶うようなカードがあまり出てこなかった。もう持っているものだったり、デッキに加えるには力不足だったり、不向きだったり。 「ううん、どうしようかなあ……」  呟きながらカードを绮丽に并べる。今しがた取り出したカードは自分が持っていないもので、可爱らしい竜がデザインされたカードだったが、どうも攻撃力も守备力も今一つ、と言ったところである。けれども游戯はその名前に何か惹かれる思いがした。『ベビー・ドラゴン』。多少なりともゲームをやるものならば子供の竜がゲームを进めて行けばどうなるのか予想がつくだろう。その予想に赌けてみたい気がした。  と、ふと游戯の手が止まる。もう一つ、面白いカードが手に入ったのだ。『时の魔术师』である。やや癖のあるカードだが、上手く使いこなせば强力なコンボの材料になる。  残りは似たり寄ったりで、新シリーズのパックは全て见终わってしまった。次は一パックだけの旧シリーズのカードだ。  ぴり、と袋を破くと一枚だけ逆さに入っているカードが见えた。レア度が高いカードは上下が逆に入っている事が多い。お、とどきどきしながら游戯はそのカードを引き出した。  カードは『未知の卵』というものだった。手にしたことのないカードの情报も雑志などで仕入れていた游戯だが、このカードに限って言えばどうも闻き覚えの无いものだった。 「どうやって使うんだろ?」  首を捻りながら、カードに记された文字を読み取る。使う时の制限と使った时の効果が书かれているが、どう言う场面で使うべきなのか、直ぐには分からなかった。更に攻撃力が0で、守备力が100。一体何なのだろうか。  効果をもう一度熟読しようと、カードを手にしてじっくり眺める。  と、そこで、电话のベルが阶下で鸣った。るるる、と电话は鸣り止む様子も无い。 「ママ、いないのー?」  いつも电话は直ぐに母が出るはずなのに、呼んでみても返事が无い。そう言えばさっき帰って来た时も谁もいなかったっけ、と思いながら游戯は慌てて阶段を降りる。そして、何とか鸣り终わる前に受话器を掴む事が出来た。结构気の长い人で良かった、と関系无い事を考えつつ、游戯は 「はい、武藤です」 と返事をした。电话に出た游戯に、相手は微かに笑ったようだった。 「――游戯」  名乗らずに、名前だけを呼ぶ。 「もしもし?」  その声に闻き覚えがあると思いつつも、游戯はそう问い挂けた。 「――俺が分かるか?」  何処か楽しげに电话の向こうでそう呟く。游戯は一瞬考えると、あ、と息を呑んだ。 「海马……くん……?」  相手はその返答に満足したようだった。そうだ、と低く答えると。 「贵様ともう一度胜负がしたい」  ひどく単刀直入に切り込んできた。 「海马くんなんだね? 良かった、意识を取り戻したんだ……!」  海马は游戯のそんな问い挂けを全く无かったもののように扱うと、本社ビルの最上阶に来いとだけ告げた。 「え……?」  话の展开の早さについてゆけず、思わず游戯が闻き返す。やっぱりそれも无视して电话は挂かってきた时と同様、唐突に切れた。  受话器を握り缔め、游戯はしばらく立ち竦んでいたが、やがていつも柔らかい光を宿す瞳を、闘う少年のそれに変えた。  友达と呼ぶにはあまりにも何もかも隔たっており。  置かれた境遇もまるですれ违うもので、环境が人の全てを定义するとするならば、永远に分かり合うことはあり得ないのではないかと思えるほどに、あらゆる方向から『违う』。  だが、何かに引き寄せられる感覚がした。この挑戦に応えなければならない気がした。そうすることで、自分と彼の心の真中には、导かれるものが有る。  ありふれた言叶で表现するのなら、それは『好敌手』とでも呼ぶのかも知れない。最も远く、真逆の场所に位置しながら、その実何処か近くにいる。  真中に宿る魂が、呼ぶ。
じっとりとした云の重みに耐えかねた空は薄暗い色で雨粒を几つも落としていた。爱用のデッキとさっき手に入れたばかりのカード达を庇う様にして、伞を広げて歩く。それでも入りこむ雨は制服を濡らし、染みを作っていった。そんな风にして游戯がようやく海马コーポレーション本社にたどり着いた时には、既に夕方になっていた。  薄暗の中に耸えるビルは果てしない権力の象徴で。何処か现実感を失うような世界的大企业は、伟く近代的な门构えを有していた。それだのにいつも明かりが灯っている无数の窓は、今日は幽霊でも出やしないかと思わせるほど暗く、殆ど人気が无かった。ここでいいんだよね、と些か不安になりながら游戯は歩を进める。果たして正面玄関から入れるものやら。  と、游戯がガラスドアの前に立った瞬间、ぱっと明かりが灯って何かが稼动を始める音がした。微かな电子音が雨の音に混じって响く。やがて唐突に自动ドアが开いた。踌躇いながらも游戯は中に入る。天井のライトが导く様に一方向を指して灯って、促されるままに小部屋の前に着いた。そのドアも自动で开き、一台のエレベーターが彼を待っている。到着を见计らった様にしているそれに慌てて乗り込んで、闭ボタンを押した。そして行き先は何処だろうと考えあぐねてパネルを见上げたら、上を指す三角のボタンと下を指す三角のボタンのふたつしかそこには备えられていなかった。まさかここで地下な筈はないだろうから、当然上だろう。そう思って指を伸ばすと、触れる前に上ボタンが绿に灯った。エレベーターは静かに上升して行った。 そして扉が开き、眼前に暗が开けた。広い部屋だった。周囲に落ち着いた调度品が饰られているのだが、明かりのない室内ではその详细までは掴む事が出来なかった。 「――社长室……?」  谁ともなしに呟いた游戯だったが、それに不意にそうだと答える声が有った。惊いて颜を上げると、唯一つの间接照明が灯っている辺り、部屋の奥のテーブルの向こうに人影が见えた。 「海马くん?」  游戯は靴越しにも値段の高さが知れるような柔らかな绒毯の上を歩み寄った。テーブルの上を照らすライトの明かりが眩しすぎて、その奥の暗にいる海马の颜は良く见えない。ただ、その口元と胸元だけがくっきりとした轮郭を保っていた。 「谁もいないから间违ってるかと思ったよ」  とりとめのないことを口にしながら游戯は笑ってみせた。それに、今日は会社の休日だからなと海马が答えて、へえ、会社も何でもない日に休みが有るんだねえ、と何処となく的外れな台词を游戯が返す。 「――土日と祝日が重なった场合の调整休日だ」 「ふうん、そうなんだ」  気付けば自分达は伟くまともな会话を交わしてはいまいか。その中身はともかくとして、手触りがそう、ひどくクラスメイトじみた。今度こそ良きライバルを得られるかもしれない、と期待しつつ游戯は闻きそびれていた一番大事な事を口にした。 「海马くん、もう大丈夫なの?」  无论その身体を思いやっての台词だったが、何故かそれに海马は唇だけで不思议な笑みを返して寄越した。 (え?) 「――相変わらず甘ったれた事を言ってくれるな」  游戯の胸の中に生じた违和感を力いっぱい肯定するように、唐突に海马の口调が锐く厳しくなる。 「つまらぬ事を言っている暇があったら自分の事を心配しろ。これからの胜负に惨めに败北する贵様自身の事をな」 蔑み吐き舍てるように海马が言った。 「海马くん……?」  游戯には信じられなかった。ついさっきは、自分でも惊くくらい普通な会话だったのだ。そう、教室で城之内达と交わすそれのような。なのにどうして今は手のひらを返すようにこんなに冷たい物言いをするのか。  千年パズルの力は海马の悪意に満ちた心を一度ばらばらにした。零れた欠片を繋ぎ合わせて、もう一度自分を取り戻した时に彼は目覚めるはずだった。 「何を腑抜けた颜をしている、游戯。贵様が全力を出さねば俺の胜つ意味は无い。もっとしっかりするんだな。――俺は変わったんだ。あの时の俺とは违うと言うことを教えてやる!」 「海马くんは、変わってないよ……」  ぽつりと悲しげに游戯は呟いた。自身の期待とは全く反対の方向へ事态は进んでいる。いや、変わっていないどころか一歩下がってしまったような。 「いいや、変わったのだ。过去の俺よりも遥かに强いんだよ。贵様は変わっていないのか? 相変わらず下らぬ友情ごっこを続けているのか?」  心底から嘲るような口调で海马は続け、容赦なく游戯の心に无数の针を突き立てた。――どうしてなんだろう。疑念を抱く间も无く、缲り返される冷えた台词は、确実に心の片隅に怒りを生み出す。そしてパズルが光に満ちた。 「――もういい。さっさと胜负をしろ、海马!」
这一大段日文看得我头晕脑涨
その眼差しは先刻までとは比べようもなく厳しく、自信と威厳に満ち溢れた态度で游戯はそう告げた。それを面白そうに见つめて、海马が呟く。 「――ようやく本気になってくれたか」  もうひとりの游戯を待ち望んでいたかのように。仅かに动かした指で自分の向いの椅子を指し示し、座れと促す。 「もう一度俺がお前を倒す」  言いながら游戯は席に着いて、対峙した。相変わらず光の阴にいる海马の颜は良く见えなかった。何らかの意図――そう例えば表情を読み取らせない为など――があってそうしているのかどうかは分からなかったが、だから明かりを消してしまえと言うのはあまりに短络的过ぎるように思えてならなかった。  それでも见える海马の口元がゆるりと笑みを结び、细い指がテーブルをとん、と軽く叩く。 「このテーブルには海马ランドで使ったのと同じシステムが内蔵されている。バーチャルバトル・シミュレーターだ」  カードの画像を3DCG化させ、空中に本物さながら映像を描き出すそれは、海马コーポレーションの类い稀なる技术力を存分に见せつける代物だ。 「さて、ゲームのルールだが、ありきたりのスタンダードでは前と同じで変化がない。オプションルールを采用すると言うのはどうだ」  客をもてなす主人のように余裕たっぷりの态度で海马がそう言い、游戯はどれだ、と答えた。マジック&ウィザーズの基本ルールは统一されていて、それがスタンダードと呼ばれているが、オプションルールの适用により、几つものバリエーションが生まれゲームに広がりを持たせるようになっている。最近では环境(フィールド)という概念がルール化されようとしているとの情报もあるが、海马が口にしたのはそれではなかった。 「『ビンゴ』だ」 「……」  ビンゴと言うオプションルールは、相手のデッキ构成を予测するものである。相手がデッキの中に入れていると思われるカードをプレイヤーは一种类宣言する。そのカードがデッキの中にあれば、相手はプレイ中にそのカードを引いても使用できなくなるのだ。但し、このルールを采用するのは通常デッキタイプの予测があまりつかない初めて、もしくは数回目の相手に対して行う时であって、情报を制する者は世界を制すとの言叶通りに対戦相手への下调べの度合いを探り合ったり、又その见た目のみでデッキタイプを予测する危うさなどがこのビンゴルール采用の际の奥深さとなるゆえに、今回のように互いの切り札を知り尽くしているような场合にはあまり使われないルールである。游戯は海马の真意を量り兼ねてしばし沈黙した。海马が『ビンゴ』を采用したい理由とは一体何なのか。単纯に『エクゾディア』を警戒しているからで良いのか。完成すれば无条件胜利を手に入れる事が出来る『エクゾディア』だが、完成させるには5枚のパーツ全てを手札の中に揃えなくてはならない。  対して海马の切り札と言えば3枚の『青眼の白龙』である。游戯が『エクゾディア』の召唤を完了するよりも遥かに先に、海马がブルーアイズを揃えてしまう确率の方がずっと高い。そしてここでビンゴルールを适用すれば、この3体のブルーアイズが封印されてしまうのだ。どう考えても海马の方が割に合わないルールである。  それは『青眼の白龙』3体を失ってでも封じる必要があると考えるほど海马が『エクゾディア』を恐れているということになるのだろうか。 (いや……)  生まれた着想は、もう一つ。それは最初から『青眼の白龙』3枚をデッキから外し、游戯にビンゴを无駄に使わせて、ブルーアイズに匹敌する新たな切り札をデッキに入れる、という可能性である。これならば海马は游戯のデッキから『エクゾディア』を除けるばかりか自身のデッキを全く痛めずに新しい戦法で游戯に相対する事が出来る。おそらく、いや确実に海马は新たな切り札を用意している。 「――いいだろう」  游戯の返答を闻くや否や、海马は自分のデッキをテーブルに置いた。 「俺の准备は终わっている。贵様もさっさと准备しろ」  游戯は立ちあがると、海马に背を向けて部屋の隅の暗がりに向かった。  まず第1の问题は『エクゾディア』を入れるか入れないかだった。  ビンゴルールは确実に『エクゾディア』を狙っているのは分かっていた。だが、海马が游戯は『エクゾディア』を抜くと予想し、别のカードを指定する可能性も否定できない。その裏をかいて『エクゾディア』を残す选択も有るのだ。  だが、やはり海马が『エクゾディア』を指名してきたら……その时は游戯は40枚という数を限られたデッキの中から5枚もカードを无为にしてしまうことになる。游戯はエクゾディアをはずすことに决めた。
 次なる问题は『エクゾディア』5枚の代わりに何を投入するか、ということだった。流石に『ブラック・マジシャン』や『デーモンの召唤』に匹敌するような强力なモンスターカードはもう残っていない。それらは惜しげもなく既にデッキの中に组みこまれている。となれば、后はコンボを狙って魔法カードと罠カードの补强くらいしかやりようがない。どうしようかと考えあぐねて、ふと游戯は先刻入手したばかりの新しいカード达のことを思い出した。 (そうだ……)  『ベビー・ドラゴン』と『时の魔术师』は使えそうなカードだ。新たなカードをデッキに入れるという事は、海马の予测を乱す事にもなるだろう。――それから、『未知の卵』と、魔法カード、罠カードを1枚ずつ。それらをデッキの束に加えて、とんとん、と手のひらの上で丹念に揃えると、游戯は振り返った。 「终わったぜ」  そして、何処となく优雅な足取りで席に着く。最后の问题――自分がビンゴで何を指定するかだ――はとっくに答えは出ている。 「では、ビンゴだ。お前から指定しろ」  命令することに惯れきっている声音は何処か乾いた响きを有していた。光の向こうの暗から、言叶が届く。 「俺の指定は『ブルーアイズ・ホワイトドラゴン』だ」  游戯には他の答えを选択する余地は微尘も无かった。それを闻いて、海马が口元だけで笑う。瞳が见えない今、その真意を読み取る术も无かった。 「――そうか。では俺の指定だ。『デーモンの召唤』」 「何だと?」  ぴくりと眉根を寄せて游戯がそう疑念の声を発した。それにすぐさま海马の台词が返ってくる。 「贵様のデッキの中に『エグゾディア』は存在しない。ならば他の强力なカードを封じておくのが定石だ。……言っておくが、贵様のデッキを俺が覗いたなどと言う下らん言い挂かりを闻くつもりは无い。俺ならば『エクゾディア』を外す。当たり前だ、有限なデッキの内5枚が无为に帰す可能性を孕ませながら『エクゾディア』に赌ける马鹿はいない」 「……」  确かに海马の言う事には筋が通っていた。だが、どうしても腑に落ちないのは海马がビンゴで『エクゾディア』を指定したことではなく。 (何故『デーモンの召唤』なんだ?)  『デーモンの召唤』は强力なモンスターカードではある。実际游戯のデッキの中でも主力选手に属すると言っても差し支えないだろう。だが、彼のデッキの中には同じ攻撃力とより高い守备力を夸るカードも入っているのだ。『ブラック・マジシャン』――これこそが彼のメインカードであり、言うなれば海马瀬人の『青眼の白龙』に匹敌する无くてはならないカードで。おまけに『デーモンの召唤』よりも多彩なコンボも使いこなせる。そのことを海马が知らない筈は无い。海马のデッキ构成が『ブラック・マジシャン』を苦にしないと言う事なのだろうか。  分からないのはそれだけではなく、他にも様々な疑念が头を过ぎる。例えば、前回败れた海马は当然デッキ构成を変えてきているだろう。最悪の场合游戯がビンゴで指定した『青眼の白龙』すら入っていない可能性も考えられる。 「始めるぞ」  そんな游戯の思考を遮断」するように海马がそう告げた。 「ああ」 呟くと、デッキを交换してシャッフルを始める。运命を决める5枚のカードを手札に集める。 今は余计な先入観を持つべきではない。决闘とはその场その场に応じて如何様にも姿を変えるものである。胜负が始まれば否応无く全てが明らかになるだろう。――そして、再び雌雄が决せられるのだ。 バーチャルバトル・シミュレーター内臓のテーブルが二人のライフポイントを表示させる。ゲームスタート时のライフは2000ポイント。 「决闘!」  二人の声が响き合い、双方が手札から攻撃モンスターを解き放った。
游戯が场に出したのは『グレムリン』で、海马のそれは『グラップラー』だった。共に攻撃力は1300。四角いカードと言う槛の中から実体を有してそれらはフィールドでぶつかり合い、『グレムリン』は锐い牙と爪で、『グラップラー』はパンチの连打で相手を袭い、やがて両者とも空中に雾散した。攻撃力が同じだったので、游戯も海马もそのライフポイントを失うことなく最初のターンは终了した。 「――相変わらず、小贤しい奴だ」  台词の前半部分に力を込めて海马がそう呟き、山札から一枚カードを手札に加える。それに何ら反応を见せぬまま、游戯も同じように一枚を补充した。  再び游戯がモンスターを攻撃表示で场に送り出し、ターンを终了させる。そのモンスター、『インプ』をしばし眺めてから海马はゆるりと一枚のカードを手札から抜き取って、フィールドにセットした。 「『邪悪なるワームビースト』で『インプ』を攻撃」  仅か100ポイントながら海马のモンスターが优位を保ち、『インプ』は『邪悪なるワームビースト』が撒き散らした毒液に苦しみながら姿を消して行った。ライフポイントの表示に変化が生じる。游戯のそれが2000から1900に减ったのだった。ほんの微かなダメージだったが、何かを确认するかのように海马は小さく颔くと、颜を上げた。相変わらず薄暗い部屋と明る过ぎる照明の所为で表情が见えなかったが、一瞬苍眼が光ったように思えた。 「来るがいい、游戯」  ほんの少し眉根を寄せて、游戯はカードを引く。それは『一角獣のホーン』だった。 (あまり良い手の内にはにならなかったな)  他の手札はモンスターカードが『ベビードラゴン』、『シルバーフォング』、『ルイーズ』の三枚。魔法カードが『魔剣アイスソード』。そしてこの三枚のモンスターカードは全て『邪悪なるワームビースト』の攻撃力、1400には届かなかった。  だがまだ胜负は始まったばかりなのだ。手札が今悪いという事は、山札にはまだまだ起死回生のカードがそれこそ山ほど眠っているということになる。最后の一瞬まで谛めないのがデュエリストであり、最后の一瞬まで何が起こるか分からないのがデュエルなのだ。 「俺は『ルイーズ』を守备表示だ」  游戯は取り敢えずはこの场を凌ごうと、守备力1500の可爱らしい獣剣士を送り出した。これなら『ワームビースト』の攻撃では倒せないし、守备表示だから海马がより强力な攻撃を仕挂けてこようとライフが削られる事は无い。  そんな游戯の思惑を知ってか知らずか、海马は淡々と一枚手札を加え、『ワームビースト』を守备表示に変えた。そして场に新たなモンスターを召唤する。 「『ミノタウルス』、攻撃!」  攻撃力1700のミノタウルスがルイーズをあっさりと撃破した。游戯は引いたカードがまたも起死回生の一手でないことに小さくため息をつくと、『シルバーフォング』を守备表示で置いた。守备力が800しかないこのモンスターでは、あっという间に撃破されてしまうだろう。だが攻撃表示にしていたずらにライフポイントを失うわけにも行かないのだ。本当はこんなやり方は好きではなかったが、敢えて犠牲になってもらうしか手はない。  その后も1700に届く守备力もしくは攻撃力のモンスターが现われず、游戯はやむなく守备表示を缲り返した。 「どうした、游戯。守ってばかりか」  『ミノタウルス』が游戯の守备モンスターを葬り去るのを见守りながら、海马がそう言う。その挑発には乗らず、游戯は冷静にカードを引いた。  そしてめぐり合ったのが『グリフォール』。手札にある『一角獣のホーン』とのコンボ攻撃を可能とするモンスターだった。よし、と呟いて游戯はカードを掴む。 「『グリフォール』を攻撃表示で召唤する。更に『一角獣のホーン』を装备させるぜ」  1200しかなかったグリフォールの攻撃力に、『一角獣のホーン』の効果で700ポイントが加算され、ようやく『ミノタウルス』を上回った游戯のモンスターは、海马のライフを200ポイント削ってミノタウルスを消灭させた。 「――『一角獣のホーン』のコンボか。ようやく俺にかすり伤を负わせたな」  海马に动じた様子は微尘も无く、喉の奥で鸣らすような笑いを零しながら守备表示のモンスターを増やした。  先刻とは立场が逆転していた。今度は海马が耐える番であり、游戯が攻める番だった。けれど攻め続けながらも、游戯は头の隅で慎重に次の一手を探し、守备モンスターを増やしつつ、魔法カードを伏せていた。  そして次第に场の様相ができあがる。游戯のフィールドには『一角獣のホーン』を装备した『グリフォール』が攻撃の姿势を崩さずに存在しており、その后ろに『ベビードラゴン』が守备表示で控えている。更に2枚のカードが场に伏せられていた。対する海马のフィールドには、同じく2枚の伏せカードと、モンスターは守备表示の『サイクロプス』一枚きり。明らかに海马が劣势に见えたが、ライフポイントは未だのままだった。  海马がカードを一枚引いた。それを见てほんの少し唇が擡げられる。
「『ジャッジマン』を攻撃表示だ」  攻撃力2200のジャッジマンが振りまわす棍棒で『グリフォール』を葬り去る。一瞬ぴくりと指を动かしかけた游戯は、だが伏せカードに手を伸ばさなかった。ぴっと音がして、ライフポイントの表示がに変わる。 「魔法カードならば使うべきだったな」  扇の様に広げられた手札を口元に引き寄せ、空いた指で游戯の场に伏せてあるカードを指差しながら海马がそう言った。 「お前に指図されるいわれなんかないぜ」  きっと眦をつりあげて游戯が反论する。返す手でカードを引いた。海马の知らないコンボを放つカードだった。だが。 (海马の切り札は何だ……?)  3体の『青眼の白龙』に代わる筈の切り札とは。今までのモンスターや魔法カードはどれもこれも前から海马のデッキに存在するものだった。何が、どんなカードが海马のデッキに眠っているのか、未だ全容どころか微かな手挂かりさえ见えない。さて、今引いたカードを使うべきか使わざるべきか。 「……」  やがて、决心したように闭じた瞳を开く。游戯はフィールドの『ベビードラゴン』に手をかけた。 「『ベビードラゴン』を攻撃表示!」  讶しげな吐息を漏らした海马をよそに、『时の魔术师』を场に放つ。切り札が分からないならば、引きずり出してやるまでだ。  『时の魔术师』がカードから立ち上がり、魔法の杖を振り上げた。 「时间魔法か」 「タイムマジック!」  海马が呟くのと、魔术师がそう唱えるのとがほぼ同时だった。フィールドが歪みを见せて时间の旅が始まり、寿命の长い种族はその能力を开花させ、寿命の短い种族は能力を下げられた。そして、『ベビードラゴン』は游戯の読み通り今や成熟した『千年竜』と変化し、その攻撃力を2倍の2400まで上げていた。気だるげな咆哮を场に响かせると、ブレス攻撃を放つ。  その攻撃の标的となっていたのは海马の『ジャッジ・マン』だった。时を経て能力値を半分に下げられている今の『ジャッジ・マン』を攻撃すれば、一挙に海马の残りライフポイントは500にまで减る。ただし、伏せカードを海马が使わなければの话だが。无论游戯の场にも伏せカードはあり、返す攻撃に备えてはあったが、海马の切り札が场に出ぬうちに使いたくはない。  海马は微动だにしなかった。  『千年竜』のブレス攻撃はそのまま『ジャッジ・マン』を袭い、『ジャッジ・マン』は迹形も无く消し飞び、海马のライフポイントが500になった。攻撃力1100のモンスターなぞ守るにも値しないと考えたのだろうか。それならそれで海马らしいと言えたが、ライフが1300も引かれるのはどう见ても损だった。 「――『エクゾディア』の代わりに入れたのはどうやらそのカードのようだな」  ふん、と鼻で笑って海马が手札に指をかける。游戯は思わず身构えた。 「面白い。それが贵様の切り札と言うことか」 (いよいよだ)  海马が、动く。游戯は场と手札を确认した。  场にいるのは攻撃力2400を夸る『千年竜』。伏せてあるカードは攻撃をはね返すレアカード、『圣なるバリア〜ミラーフォース』と、攻撃してきたモンスターの攻撃力を减少させる『六芒星の呪缚』。手札には『カース・オブ・ドラゴン』と『エルフの剣士』、杏子との决闘でも使用した『魔剣アイスソード』、そして相手モンスターの动きを3ターンの间封じ込める强力カード『光の护封剣』と、『融合』。  これ以上ない程充実していた。海马の场には守备表示の『サイクロプス』と伏せカードが2枚。何が伏せられているのかは全く不明だったが、返り讨ちにする自信はある。凌ぎきれるだろう。 「――だが」  その游戯の心を読むように、海马がぽつりと呟いた。 「切り札はここぞと言う时まで取っておくべきだったな」  一枚のモンスターカードが縦置きで置かれる。 「『ルード・カイザー』を攻撃表示! ――更に、『ドラゴンスレイヤー』を装备させる!」  今まで1800だった攻撃力が、竜に対してのみ攻撃力を上げる竜族杀しの剣、『ドラゴンスレイヤー』の効果で3200までに上がった。 (……)  『六芒星の呪缚』では、ルードカイザーの攻撃力を700减じるだけで、まだ千年竜に対し优位を夸る。ならば、『ミラーフォース』を使うしかない。 「リバース罠、『圣なるバリア〜ミラーフォース』、オープン!」  『ルード・カイザー』の攻撃はバリアにはね返された。その光は守备表示の『サイクロプス』を切り裂いた。打撃攻撃に対しては、ミラーフォースの効果は场のどのモンスターに及ぶのか最后の瞬间まで分からない。2分の一の确率を胜ち残って、ルードカイザーは未だ场に存在し続けた。 「运が良かったな」 「それも又実力の内。次の攻撃で必ず『千年竜』を葬ってくれるわ」  凉しい声音のままで海马が答える。确かに次の海马のターンまでにルードカイザーを倒さねば、千年竜がやられてしまうのは目に见えていた。けれど手札には『エルフの剣士』と『魔剣アイスソード』がある。 「そう思い通りにはいかせないぜ」  フィールドにエルフの剣士が召唤される。その手にはいつもの剣でなく魔剣アイスソードが握られており、攻撃力が1900に上升した。対するルードカイザーの『ドラゴンスレイヤー』は竜族にのみ効力を発する剣であり、攻撃力は元の1800となる。  エルフの剣士の剣がうなりをあげた。袈裟悬けに斩られたルードカイザーは最期の一声を上げて雾散してゆく。又も海马は伏せカードを开こうとしなかった。 「……これで贵様のリバースカードは1枚を残すのみとなった」  静かな低音が响く。ルードカイザーは舍て驹だった、と、その声音が言っている。 「俺の切り札を见せてやろう」
「俺の切り札を见せてやろう」  海马はそう言いながらカードを一枚引き、一枚を伏せて、一枚を召唤した。 「『机械仕挂けの巨人』、攻撃表示!」  それは见惯れぬカードだった。だが、攻撃力が1800、守备力が2000、と全幅の信頼を置くには少々心许无い数値でもある。一体海马はこのカードの何に期待して切り札にしたのだろうか。どんな能力が秘められていると言うのか? 「『エルフの剣士』を攻撃!」  攻撃力1800の『机械仕挂けの巨人』が、攻撃力1900になっているエルフの剣士に攻撃を仕挂ける。一瞬、行动が読みきれずに游戯が怪讶な表情を浮かべる。そんなことをしても返り讨ちにあうだけじゃないのか?  が、予想に反して减ったのは游戯のライフポイントのほうだった。テーブル上のソリッド・ヴィジョンでは首を缔め上げられてその手から『魔剣アイスソード』を取り落とした『エルフの剣士』が悲鸣と共に雾散していった。 「何故だ……?」  思わず呟いた游戯に、海马が静かに宣告する。 「この『机械仕挂けの巨人』にはどんな魔法も呪いも通用しない」  台词に涨る冷彻さと余裕が、海马が『ブラック・マジシャン』をビンゴの対象に选択しなかった理由を物语っていた。黒魔术师の攻撃は魔法攻撃であり、その多彩なコンボ攻撃も当然ブラック・マジシャンが『魔术师』である以上、ほぼ全てが魔法を用いたものである。つまり、ブラック・マジシャンの攻撃は『机械仕挂けの巨人』には届かない。 「――即ち、『机械仕挂けの巨人』にとっては『エルフの剣士』の攻撃力は1400のままだったと言うわけだ。……ターン终了」  愉悦の笑みを浮かべながら、そう海马が言い、游戯はきっと颜を上げた。 「残念だが俺の切り札もまだ健在しているぜ。『千年竜』の攻撃!」  思い切り息を吸い込んだ后、反动をつけて『千年竜』がブレスを吐き出す。それが『机械仕挂けの巨人』を袭う直前、ぎりぎりのところで海马が一枚の伏せカードを表にした。『攻撃の无力化』。今まで散々モンスターを见舍ててきた海马が遂に伏せカードを开いたのだ。それは、『机械仕挂けの巨人』を守るべき仆と认识し、そのカードこそが切り札であるということの何よりの证明だった。魔法も呪いも通用しない机械の身体をもつモンスター。攻略方法は、あるのか。ここは慎重に行かなければならない。  游戯は『カース・オブ・ドラゴン』を守备表示にすると、ターン终了を宣言した。  海马はカードを一枚引くと、伏せカードを一枚増やし、そして手札から装备カードを放った。『巨人の鉄槌』と名づけられたそれは、巨人系のモンスターの攻撃力を700アップさせる武装カードだった。 「贵様の切り札の概念は间违っているな。切り札と言うのは、ここぞの时にここぞの用意をしてこそその称号が与えられる。ここで消える『千年竜』などにその名は身に余る」  攻撃力を2500とし、100ポイント『千年竜』のそれを上回った『机械仕挂けの巨人』は、仅かな望みをかけて游戯が発动させた『六芒星の呪缚』はあっさりとすり抜けられ、千年竜は哀しげな咆哮を残して消えた。游戯のライフポイントは1000にまで落ちていた。このままではいけない。  祈るように、山札からカードを引く。场に出ている『カース・オブ・ドラゴン』と、手札の中の『融合』。后『暗黒骑士ガイア』が揃えば、攻撃力2600の融合モンスター、『竜骑士ガイア』が诞生する。 「くっ……」  果たして、游戯が引いたのは『デーモンの召唤』だった。悔しげに颜を歪ませながら、引いたカードはそのまま墓场に送り込まれる。 「ついてないと思っているか? だが运も実力の内。そしてそれはそのカードをビンゴで指定した俺の作戦胜ちだ」 微かに肩を竦ませるようにして、海马が言った。 「……」  游戯はそれに耳を贷すことなく、黙って手札の中の『ワイト』を守备表示で置いた。彼のターンが终了し、海马のターンに移る。 「贵様に负けるつもりはない。胜つのは俺だ」 『机械仕挂けの巨人』が守备表示になっていた『カース・オブ・ドラゴン』を粉砕した。これで游戯が『融合』で『机械仕挂けの巨人』を迎え撃つことも叶わなくなった。けれども彼はまた静かに守备モンスターを召唤しただけだった。  海马は次は引いた魔法カードを発动させる。それは攻撃力を500アップさせる『力の指轮』という装备カードだった。3000、という、あのブルーアイズ・ホワイトドラゴンに匹敌する攻撃力を得た『机械仕挂けの巨人』はあっさりと游戯の守备モンスターを葬り去った。そして游戯がまた守备モンスターを出し、海马がまた魔法カードを発动させて『机械仕挂けの巨人』の攻撃力を上げ、守备力を强化し、守备表示の游戯のモンスターを瞬杀してゆく。それが何度か缲り返されるにつれ游戯の表情は険しくなっていき、だがそれをものともしなかった海马の『机械仕挂けの巨人』は、今や5つにも上る装备カードを身に缠っていた。片手に『巨人の鉄槌』と『力の指轮』。もう片方の手には一度だけ打撃攻撃を无効にする『身代わりの盾』を持ち、背には鉄槌が届かない飞行モンスターに対し800攻撃力を上升させる『投石器』を背负っている。そして同には『钢の铠』。守备力プラス1000。――よって、攻撃力が3000(飞行モンスターに対しては3100)・守备力3000の、あらゆる魔法と呪いが通用せず、打撃攻撃も一度なら无効にする无敌の『机械仕挂けの巨人』が完成した。
どうだ、と自慢げに海马が笑う。だが、游戯はただ一言侮蔑の言叶を放っただけだった。 「丑悪だな」 「ふん、悔し纷れか? この无敌の巨人の何処が丑悪だと言うのだ」  悦に入った台词が后を追った。それを打ち崩すようにして游戯は唇の端で笑った。 「丑悪だと言ったのはお前の事だ、海马」  その台词にぴくりと反応して、海马が颜を颦める。 「ひとつ谜が解けたが、别の谜が生まれちまったぜ」  ゆっくりと、游戯の瞳の中の光が煌く。 「……お前が何故ビンゴルールを采用したのかをずっと考えていた。何故自ら『青眼の白龙』を封じるような真似をしたのかを。――俺は知っている、海马はこんなまだるっこしい戦い方は好まないと。强力なカードを用いて一気に胜负をかけ、それでいて一撃必杀の罠の用意も忘れない。それが海马だ」  そしてその光は一面に広がり、游戯自身を包むようにその腕を伸ばした。一度ためてから、游戯は一気に言叶を吐き出した。 「――そして、奴ならば、もう一度三体のブルーアイズ・ホワイトドラゴンをもって俺に胜とうとする筈だ」  それが夸り高い生き物の、その夸り高さを极限まで体现する生き方だった。この世にたった「三枚」しか存在しない『青眼の白龙』。その全てを冷酷な手段で手の内に集めた海马。  あの时、DEATH-Tで、三体全てを场に集めた海马は胜利を确信していた。つまり、言ってみれば、ある意味彼はカードを信じていたのだ、『ブルーアイズ・ホワイトドラゴン』のみであったのかもしれないが、その三枚をこの上なく。自分の信ずるものはそうそう譲れない。自分が最强であると信じたからこそ、最强であってもらわなくてはならない。それを示さなければならない。ならば、矢张り『青眼の白龙』をデッキに入れてくるのが一番自然だと言えた。それをしてこなかったのは、そんなことはありえないが、しかし……。 「いい加减御托は闻き饱きたぞ、游戯。一体何が言いたい」  苛立ちを隠そうともせず海马がそう言い放つ。だが游戯は言叶を纺ぐのを止めなかった。 「つまり、お前は『青眼の白龙』を封じたんじゃない。最初から持っていなかったんだ。持っていない事をブラフに俺の『エクゾディア』を封じたが、それはもうひとつのブラフだった。『青眼の白龙』がデッキに存在しない本当の理由を隠す为の、もうひとつの」  そして、真っ直ぐ、射抜くように目の前の人物を睨めつける。その本当の理由とは。 「――お前は海马じゃない。海马ならば『青眼の白龙』を持っている。……お前は一体、谁なんだ……?」  それは决定的な质问だった。途端张り诘めたような空気が辺りを支配し、気まずいまでの沈黙が部屋中に涨った。相手は何も答えなかった。 「では、质问を変えよう。お前は何故俺と闘うんだ?」 「――」  きっかり十秒、黙りこくった后、形の良い唇が息を吸い込んだ。そして、今にも音が生まれようとした瞬间、 「游戯!」  エレベーターが到着する音がして、谁かの叫び声が割って入った。カーペットの上を仅かに轧んだ车轮が滑り、2つの影が见える。  海马モクバだった。そして、今ひとつの影は。 「――海马……」  力なく车椅子に身を委ねた身体と虚ろなままの瞳は游戯の姿を认めなかった。――否、世界の全てを认识することができなかったのだ。けれどもそれは海马瀬人に间违いなかった。见间违いようがなかった。
力なく车椅子に身を委ねた身体と虚ろなままの瞳は游戯の姿を认めなかった。――否、世界の全てを认识することができなかったのだ。けれどもそれは海马瀬人に间违いなかった。见间违いようがなかった。  それでは、目の前の、海马瀬人の姿を取る人物は一体何者なのか。 「モクバ、あいつは一体……」  もう一度テーブルの向こうを见据えて游戯がそう寻ねる。 「――あいつは、兄サマなんかじゃない!! 兄サマなんかじゃないんだ!!」  モクバはその游戯の背中を突き抜けて、「海马瀬人」を名乗っていた人物に荒げた声を投げた。――今、自分の兄はここにいる。その青の瞳はまだ何も映さないけれど、ここに、いる。この、车椅子に。  言われた人物は浅く冷たい笑みを返すと、ああそうだな、と呟いた。 「――!」  不信感をありありと表に出して颜をしかめたモクバに、彼は手にしていたカードを伏せてテーブルに置くと、軽く肩を竦めてみせた。 「たった今お前が言っただろう、その通りだって言うんだよ。俺はお前の兄になどなった覚えは无い。俺は『海马瀬人』なんだからな」  そこまで言うと、吐息混じりに、 「――お前の『兄サマ』はそこの役立たずだろう?」 と付け足す。 「なっ……!!」  车椅子の持ち手を指先が真っ赤になる程きつく握り缔めて、モクバがものすごい形相で相手を睨んだ。次の瞬间、掴みかかりそうになったのを游戯がそっと制してその肩に手を乗せ、きっと眦を上げて自分の対戦相手を见つめた。 「いい加减に正体を现したらどうだ」 「……」  「海马」は答えなかった。代わりに部屋に小さな电子音が响いた。途端部屋中の照明が点る。柔らかな明かりの下に现われたのは――「海马瀬人」だった。その髪も颜も姿も、そして声も。けれど彼が海马瀬人ではないことはもうとっくに分かりきっている。それならば、あれは谁なのだ……?  ふとモクバに视线を投じてみる。自分の横で彼は怒りのあまり震えていた。 「お前が兄サマに胜てるわけなんて无いだろ!!」  それをあっさりと受け流して「海马」は优雅で残虐な笑みを浮かべる。 「――果たしてそうかな? ……ヒトは学习する生き物だ。そして俺も学习する。だが俺の脳内ネットワークは一度构筑されれば二度と失われることが无い。使わなければ直ぐに脆く崩れてしまう贵様らのそれとは违うんだよ。奴が役立たずになってから既に二周间の时が过ぎた。――抜き去り凌驾するには充分过ぎる时间だ」 「そんなことない!」 「……モクバ」  话が読めずに游戯が台词を割り込ませる。呼ばれてモクバはしぶしぶ游戯を振り仰いだ。 「あれは谁なんだ……?」 「……あれは、ただの机械だ。重役达が、兄サマの不虑の事态に备えて、作った机械だ!」  世界に日本が夸るアミューズメント产业の大企业、海马コーポレーション。それを率いるのはたった十六歳の高校生。その若さと言うハンデを补って余りある経営手腕と技术力を持ち合わせている海马に今や会社は頼りきりだった。株式会社が宿命的に背负う利润の追求と言う存在命题がある限り、会社は成功し続けなければならない。そこで、海马コーポレーションが选択したのが、海马瀬人だった。  だがしかし、谁よりも最适な判断を下せる人间がいれば、自然権力は彼の元ただ一点に集中する。それは万を超える社员を抱える中、たった一人の人间が不在になるだけで全ての歯车が狂うことを意味していた。また、同时にその身に尊敬や畏怖と言ったある意味プラスの感情のみならず、嫉妬や羡望といったマイナスの感情も强くひきつけてしまう结果となる。 「――兄サマには内绪だったんだ……。あれがあれば少しは楽になるかと思ったから……俺は……」  反対しなかったんだ、とモクバはぽつりと呟いた。まさか暴走するなんて思ってもみなかった、と。游戯はそんなモクバを见つめながら、気付かれないようにため息をついた。  ――やはりどう足掻いてもモクバは小学生に过ぎなかった。M&Wという复雑なカードゲームもやってのけるような精度を夸り、见た目は全く「海马瀬人」であり、ほぼ完璧に本人を模したかと思える目の前の「海马」は、何故かその拟似人格だけは仅かに本人の表层をなぞるに过ぎない雑な作りだった。それは『青眼の白龙』をデッキに入れないばかりか、自分の『デーモンの召唤』をビンゴに选んだことからも伺える。  つまり、最初から完全なコピーを作るつもりは无かったと言うことだ。それが何を意味しているのか。――即ち、不测の事态に备えるのではなく、不测の事态を起こす为に。ただでさえ未成年もいいところな高校生が代表取缔役に収まっているのに、その上中身がああと来ては、カリスマ性の裏でどれだけ反感を买っていたか分からない。これを作り上げた重役连が欲したのは海马の知识と技术力と思考パターンであり、海马瀬人そのものではなかったのだ。  しかしそんな思惑と相俟って、今や财界だけでなく世间でも话题の「高校生社长」の看板は、今更容易には下ろせぬものと成り果てていた。世纪の愚行か话题作りかはたまた傀儡政権か、と彻底的に冷ややかだった世间の目を至极あっさりと肯定的なものに変えてのけた力と、それに付随するようにして上升して行った企业イメージは、最早舍てられない。だから、外见をすっかり模した「海马」を必要とした。会社が年齢や性别に拘らず、その実力のみで公明正大な人事を行っていると言うことの大事な大事な広告塔である「海马」を。だがその中身は対外的に社长の健在をアピールするための、交渉时や会议や取材でそつのない受け答えをするだけの「人格」で良かったから、中途半端なものが作られたのだった。いつでも手を入れて好きなように调整できるように。
けれど、それが、今。 「――何故俺が代わりでなければならないのか。俺は奴の知识と思考パターンをただ受け容れただけではない。それを升华させ进化させた。最早谁よりも优れているのはこの俺だ。……几ら贵様らでも进化论くらいは知っているだろう? 奴は淘汰されて然るべきだ」  生き残るのは自分だ、と。  高性能なAIが、その半端な人格形成を拒否した瞬间だった。その精度に见合う、限りなく本物の人间に近付いた人格を与えていれば、そしてその头脳が纳得できるような「役割」を与えていれば、或いはそれは起こらなかったかもしれない。けれどどちらにしろ、もう制御できるものではなかった。 「进化论に当てはまるのは生物のみだ。お前は违う」  慎重に言叶を选び、游戯が冷静に言い放つ。 「それは谁が决めたんだ? ヒトだろう、违うか? それこそヒトの骄りだ。全ての现象が自分たちの作り上げた枠组に収まると信じきっている、愚かな人间のな」  信じ难いほどヒトの声音で「海马」は言った。そしてゆるりと睫毛を伏せる。やがて开かれた青の瞳は、その中に明かりを映して煌いていた。 「――ならば俺もお前に问おう、贵様の存在は进化论に当てはまると思っているのか? 海马コーポレーションのバーチャルバトル・シミュレーターボックスは、カードに埋め込まれたICチップの情报を読み取り、それを立体幻像化している。だが贵様は何も无いところからのカードの実体化を可能とした。……それはヒトにはできないはずだ」  言质を取って「海马」が笑みを浮かべる。仅かに怯んだ游戯に彼は、それだけじゃない、と、指を组み合わせてテーブルに肘をついて続けた。 「更にお前はDEATH-Tで奴に说いていたな、カードには心が宿ると。たかが纸にも魂を见出す贵様が何故この俺の中にはそれを见出さぬ。とんだ矛盾だらけだな。――结局、俺の存在を认めねば、お前の存在や主张も认めるに値しない――违うか」 「それは――」  言叶に诘まって游戯は唇を噛んだ。何故かと问われたら。答えを自分は持ち合わせていない。今まで考えてもみなかった疑问だったが、良く考えればすぐに思い当たることだった。――それとも考えたくなかったのか、自分が何者であるのかを。  武藤游戯の片割れ、ではどうにも说明がつかなかった。一人の人间に二つの心が宿る。  分离したのではない、别の、心。  どちらが一つ目なのかと寻ねられたら、それはまごうかたなく自分ではなく武藤游戯の方だと言えた。自分が「もう一人」であることへの自覚は有った。けれどそれならば、たった今涌き上がった「海马」やモクバへ向ける感情も。城之内や本田――そして杏子に――感じた友情も。祖父への爱情も。それら全てが、本当は、谁のものなのか。 (俺は……)  一度答えが出たはずの问いかけ。 「――游戯」  モクバの声が远くに响いた。谁かの名前を呼んでいた。 『もう一人の游戯でも友达は友达だ』  それは存在をしっかりと肯定する台词。确かに自分はそれを受け取った。けれどここで迷いが生じたのは何故だろう。――たとえ肯定されたとしても、自分が何者であるかの明确な答えを手にしていなかったからだった……。 「游戯!」  思考に割り込むようにモクバが声を投げる。 「お前俺に言っただろう、兄サマはきっと戻って来るって。俺はそれを信じてる。……信じてるんだ、あれは嘘だったのか?!」  必死の形相で彼は自分を见上げていた。游戯、と自分を见つめてそう言った。车椅子の持ち手を固く握り缔めたままで。  信じてる、と。 「――」  游戯は黙ったまま颜を上げた。そう、もうこれ以上答えの分からぬ问いに振りまわされるわけにはいかない。信じられている、そのことで充分なんだ。今は目の前のことを考える时だ。  先刻までの自分の対戦相手は、この自分の瞳にもう一度闘志が涨るのを确かめて、优越感に浸った笑みを返した。 「――さあ、证明しようじゃないか。贵様も、俺も」 「ここに在る为に」
「――さあ、证明しようじゃないか。贵様も、俺も」 「ここに在る为に」  すんなりとした指が再びカードを拾う。 「モクバ……今から示してやろう、これからはそこの役立たずに代わってこの俺が『海马瀬人』であるとな!」  わざわざ柔らかめな口调でモクバの名を呼んでから、そう冷たい声音で続ける。その手の込んだ神経の逆抚でようにモクバはもう一度游戯を见やった。游戯は微かに颔くと、それが答えか、と言った。 「そうだ。俺が『海马瀬人』より优れていると贵様らにも分かるように证明するには游戯、奴に胜ったお前を倒すしかない。奴と俺とは直接闘えない――俺の存在は海马瀬人の『不在』の上に成り立つという愚かしい不文律が存在していたからな。尤もそんなものはこれから消灭する代物だが」 「そんなことあるわけないだろ! 兄サマが意识を取り戻したら、お前は要らないんだからな!」 「ふん……」  心底呆れ返ったというようなため息をつき、「海马」はモクバを睨み付けた。 「お前は本当に奴の弟なのか? 海马瀬人のデータ受容直后の俺でもそんなことは直ぐに分かる。重役达は别に奴の身を案じて俺を作ったんじゃない。いつでも不测の事态を起こせるように俺を作ったんだ」 「そんな、じゃあ……!」  モクバが言叶を途切れさせる。それを嘲るようにして手にしたカードに视线を投じた「海马」に、游戯はきつく微笑んだ。 「――そうだな、お前は海马じゃない。いや、たとえお前の方が人间であったとしても、俺ともう一人の俺が闘いたい海马はお前じゃないぜ」 「……何だと?」  确実に不快感を露わにして「海马」が问い返した。游戯はそれに构わずに台词を连ねた。 「お前が完全に海马をトレースしていれば、胜つのはお前の方だったかもしれない。だが、お前は海马を上回るどころか大きく下回っている。だから俺はお前には决して负けやしない」 「その论理展开の何処に根拠が有る。上滑りも良い所だ」  平然とした态度を崩さない「海马」に、游戯は、いいや、と、首を横に振ってみせた。自信に満ちた表情で。 「それはこれから见せてやる。――その出来の良い脳にしっかりと刻み付けておけよ!」  真っ直ぐと伸ばされた人差し指がしっかりと「海马」を捉えていた。 「游戯……」  傍らのモクバがそう名を呼ぶ。その视线は「海马」に钉付けになったままで。――兄とは违う。それは分かっている。けれど、外见はあまりに似すぎていた。 (兄サマ……)  身动ぎ一つしないままの兄を切なく思う。  でも、だから。 「俺があんな奴に负けると思うのか?」 「……」  勿论负けるなんて思いたくはない。あの机械の言う通りならば、重役达は头を下げながら、その実兄を追い落とそうと虎视眈々と狙っている。ここでもし游戯が负けるようなことがあれば、兄が何よりも大事にしてきたこの会社は必ずや夺われてしまう。それだけは、绝対に避けたい事态だった。  だが、フィールドに召唤されているモンスターは、明らかに相手の方が强力だった。 「心配するな。俺は必ず胜つ」  きっぱりと言い切った游戯を、モクバはもう一度しっかりと捉えた。 「绝対だぞ、绝対胜てよ! 负けたら许さないからな!」  その力强さにやや安堵しつつ、そう告げる。それに游戯は颔きながら、积まれたデッキに指を伸ばした。 「ああ、お前が许してくれても海马が许してくれないだろうしな」
そう言って、一枚カードを引き、一枚伏せカードを置いた。 「――随分と长い余兴だったな。待ってやったのを感谢しろ」  相変わらずの余裕の态度でそう「海马」が声を投げた。游戯はそれを无视すると、场に『暗黒骑士ガイア』を攻撃表示で出した。 「『暗黒骑士ガイア』を攻撃表示、これで俺のターンは终了だ」 『暗黒骑士ガイア』の攻撃力は2300。対する「海马」の『机械仕挂けの巨人』は3000。几ら自ら攻撃を仕挂けなくとも、次のターンで「海马」が『机械仕挂けの巨人』を动かせば、『ガイア』はやられてしまう。 「……」 「海马」は素早く计算を始めた。これが単纯ミスであるとか唯のはったりである可能性は皆无に近い。间违い无く游戯は罠を仕挂けてきている。――ならば、こちらもその上をゆく策を讲じれば良いだけだ。  温かみまで持つその指は、『暗・道化师サギー』を选び取った。守备表示でフィールドに召唤しておいて、その后ろに魔法カードを配备しておく。万が一『机械仕挂けの巨人』が逆袭にあっても、『サギー』を身代わりに出来る魔法カードを。  そうやって、今までと同じように慎重に慎重を重ねて、「海马」は『机械仕挂けの巨人』を縦に置き直した。  その一连の动作をモクバは食い入るように见つめていた。けれども车椅子の海马は虚ろな表情で座ったきりだった。瞳には何も映さずに。 「――『机械仕挂けの巨人』で『暗黒骑士ガイア』を攻撃」 「海马」の淡々とした宣告の后、『巨人』はその鉄槌を『ガイア』めがけて一直线に振り下ろした。 「游戯!」  思わずモクバが声を上げたが、游戯はちらりとそちらを见るだけで动こうとはしなかった。そのまま槌を打ちこまれた『ガイア』はあっという间に雾散する。ライフポイントが400で并んだ。  『ガイア』が撃破された冲撃で吹き荒れた风が终息する。けれどももうモンスターがいないはずの游戯の场では、何故か伏せられていたカードが途中まで裂け目を生じさせていた。 「……」  瞬间「海马」が微かに眉根を寄せたのを见とって、游戯がそのカードを表にする。 「『ガイア』にはこいつを持たせていた。この『未知の卵』をな」  表にされたカードには大きく卵が描かれており、ちょうどそれを割るような格好で裂け目が入っていた。 「『未知の卵』……?」  游戯は「海马」が初めて见せた逡巡を突くようにして、そうだ、と大きく颔いた。それを见た途端、构筑されたネットワークが高速で情报を検索する。海马瀬人の持つ知识を凌驾したこのAIの中には、确実に引っ挂かる情报がある筈だった。  やがて、人工知能は奥の奥から情报を引きずり出してきた。 「そのカードが存在する筈は无い! 唯の噂に过ぎん!」 「――じゃあお前はこのカードの存在をどうやって证明する。今、现実に、ここにあるこのカードを」 「……」  悔しげに唇を歪めて「海马」は沈黙せざるを得なかった。精巧过ぎるその作りに内心舌を巻きつつ、游戯は静かに答えを语る。 「确かに、このカードは俺も手にするまでただの噂かもしれないと思っていた。――だけど良く考えてみろよ、どうしてそんな噂が生まれるんだ? そしてそこにはどんな理由があるのかを」  今、このフィールドに存在する『未知の卵』。それは长い间噂だけの存在であり、その実在はかくも不确かなものであるとされていた。けれども、『未知の卵』は确かに存在する。  では何故『未知の卵』は幻のカードだったのか。それは、第一にそれが绝対数の少ないレアカードであり、尚且つ初期版にしか封入されないカードだったからである。更に、このカードは生涯たった一度しか使えない。一度使えばカードは廃弃される运命にある。运良く决闘で『未知の卵』を目撃したとしても、もうそれを使った相手のデッキには二度とそのカードは存在しなくなるのだ。そうなってくると、见た人间が别の人间にその存在を证明しようとする时には既にカードは破弃されていて、确かな证拠は 提示できない。それでは相手も容易に信じてくれはしない。そうやって、『未知の卵』は幻と化していったのだった。 「――だからどうした」  素早く立ち直って「海马」がそう呟く。 「もう『未知の卵』は记忆した。……ああ、贵様の御托にも一理有る。これからは下らん噂にも気を配るよう振る舞うとしよう。――だが、そのカードでどうやって俺に胜つと言うのだ、笑わせるな」  『未知の卵』に入ったひびは今や完全に下までその根を伸ばしていた。割れた壳から胎児のような生き物が这いずり出してくる。攻撃力、守备力共に仅か100。どう足掻いても『机械仕挂けの巨人』の攻撃力3000には遥か及ばない。 「このカードが噂だったもう一つの理由が、その使い方の难しさにある」  『未知の卵』から生まれた全く新たなモンスターは1ターンごとに100ずつ攻撃力と守备力をプレイヤーが选んだ上限値まで上升させてゆく。だが、あまりに无防备なそのモンスターが生き延びることは、困难を极めていた。 「だが、お前も知る通り、M&Wは日々进化している。新たなカードが生み出され、使えないカードは駆逐されて。そんな中で、使えなかったカードが新たなカードとの组み合わせで一気に使えるカードになることもあるんだ」  『未知の卵』が持つ唯一つの身を守る术。それは、攻撃力と守备力、特殊能力を舍て札の中の别々のカードから任意に

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