anthracene 新英格兰爱国者 必要吗

SEMICONDUCTOR DEVICE, METHOD FOR MANUFACTURING SEMICONDUCTOR DEVICE, AND DISPLAY
WIPO Patent Application WO/
Disclosed is a semiconductor device which comprises an organic semiconductor
layer (10) and an oxide semiconductor layer (11), and emits light.
Inventors:
YANO, Koki (1280, Kamiizumi Sodegaura-sh, Chiba 93, 2990293, JP)
矢野 公規 (〒93 千葉県袖ヶ浦市上泉1280番地 Chiba, 2990293, JP)
NAKANOTANI, Hajime (6-10-1 Hakozaki, Higashi-ku, Fukuoka-sh, Fukuoka 81, 8128581, JP)
Application Number:
Publication Date:
10/16/2008
Filing Date:
03/26/2008
Export Citation:
IDEMITSU KOSAN CO., LTD. (1-1 Marunouchi 3-chome, Chiyoda-ku Tokyo, 21, 1008321, JP)
出光興産株式会社 (〒21 東京都千代田区丸の内三丁目1番1号 Tokyo, 1008321, JP)
KYUSHU UNIVERSITY (6-10-1, Hakozaki Higashi-ku, Fukuoka-sh, Fukuoka 81, 8128581, JP)
国立大学法人 九州大学 (〒81 福岡県福岡市東区箱崎六丁目10番1号 Fukuoka, 8128581, JP)
YANO, Koki (1280, Kamiizumi Sodegaura-sh, Chiba 93, 2990293, JP)
International Classes:
H01L51/50; H01L29/786; H01L51/05; H01L51/30; H05B33/10
View Patent Images:
&&&&&&PDF help
Domestic Patent References:
WOA1N/AWOA1N/A
Foreign References:
JPAJPAJPAJPAJPAJPA
Attorney, Agent or Firm:
WATANABE, Kihei (Shibashin Kanda Bldg, 3rd Floor 26, Kanda Suda-cho,1-chome, Chiyoda-k, Tokyo 41, 1010041, JP)
有機半導体層及び酸化物半導体層を備え、発光することを特徴とする半導体装置。
前記発光が、正孔及び電子の再結合により生じることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
請求項1又は2記載の半導体装置が、n型及びp型の両極性を示す、トランジスタであることを特徴とする半導体装置。
前記酸化物半導体層は、n型非縮退酸化物からなり、電子キャリア濃度が10 18
未満であることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の半導体装置。
前記酸化物半導体層は、In、Zn、Sn及びGaの少なくともいずれかを含む非晶質酸化物で形成されることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の半導体装置。
前記酸化物半導体層は、InとGaとZnとを含む非晶質酸化物、SnとZnとGaとを含む非晶質酸化物、InとZnとを含む非晶質酸化物、InとSnとを含む非晶質酸化物、InとGaとを含む非晶質酸化物、及び、ZnとSnとを含む非晶質酸化物のうち、いずれかで形成されることを特徴とする請求項5記載の半導体装置。
前記酸化物半導体層は、In、Zn、Sn、Gaのいずれかを含む多結晶酸化物で形成されることを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の半導体装置。
前記酸化物半導体層は、In及び正二価元素を含む多結晶酸化物で形成されることを特徴とする請求項7記載の半導体装置。
前記酸化物半導体層を、複数種類の層状酸化物を積み重ねた積層構造とし、該積層構造のうち、最も前記有機層側の層状酸化物の材料に、該層状酸化物の仕事関数が、その他の層状酸化物の仕事関数より大きくなるものを用いたことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の半導体装置。
前記有機半導体層は、p型の特性を有した有機物、両極性型の特性を有した有機物、又は、n型の特性を有した有機物、若しくは、それらのうちいずれか二種以上からなる積層物、又は、混合物で形成されることを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載の半導体装置。
前記有機半導体層は、正孔及び電子の再結合による発光を生じる有機物からなることを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載の半導体装置。
前記有機半導体層及び酸化物半導体層は、互いに接触することを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載の半導体装置。
前記有機半導体層及び酸化物半導体層が、発光部を形成することを特徴とする請求項1~12のいずれか一項に記載の半導体装置。
前記発光部に絶縁体層を介して第一の電極を設け、前記発光部に接し前記第一の電極と離間した第二の電極を設け、前記発光部に接し前記第一及び第二の電極とは離間した第三の電極を設けることを特徴とする請求項13に記載の半導体装置。
前記有機半導体層及び酸化物半導体層を薄膜に形成したことを特徴とする請求項14記載の半導体装置。
n型駆動時の電界効果移動度μ(n)とp型駆動時の電界効果移動度μ(p)の比μ(n)/μ(p)が、10 -5
≦μ(n)/μ(p)≦10 5
の範囲にあることを特徴とする請求項13~15のいずれか一項に記載の半導体装置。
前記請求項1~16いずれか一項に記載の半導体装置の製造方法であって、
酸化物半導体層を形成し、該酸化物半導体層を酸素及び/又はオゾン存在下に置き、その後、有機半導体層を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
請求項1~16記載のいずれか一項に記載の半導体装置を用いたことを特徴とする表示装置。
Description:
半導体装置、半導体装置の製造方法及び表示装置
本発明は、有機物を用いた発光を生じる半導体装置、半導体装置の製造方法、及び、半導体装置を用いた表示装置に関する。
近年、半導体に用いる材料として、有機物を用いた有機半導体が注目を集めている。
一般に、有機半導体に用いられる有機物は、スピンコート法や真空蒸着法といった簡便な成膜法によって容易に薄膜が形成でき、さらに、アモルファスまたは多結晶のシリコンを用いた従来の半導体装置に比べ、製造プロセス温度を低温化できるという利点がある。プロセス温度の低温化は、耐熱性の低いプラス
チック基板上への形成が可能となり、ディスプレイの軽量化や低コスト化、さらにはプラスチック基板のフレキシビリティを生かしたことによる用途の多様化など、多くの効果が期待できる。
従来、有機半導体としての有機物を用いた半導体装置としては、例えば、特許文献1に記載されている技術が知られている。
この特許文献1記載の半導体装置は、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)として用いられる技術であり、有機半導体層からなる発光部と、この発光部に電子を注入する電子注入電極と、有機半導体層に正孔を注入する正孔注入電極とを備えている。
そして、発光部において、電子注入電極からの電子及び正孔注入電極からの正孔の再結合により発光を生じさせている。
また、特許文献2には、n型の特性を備えた有機半導体層とp型の特性を備えた有機半導体層を組み合わせてなり、かつ、両極性の特性を有する発光部を備えた半導体装置を、表示装置?映像装置に用いる半導体装置の技術が記載されている。
特許文献3には、カーボンナノチューブ又は窒化ホウ素ナノチューブからなる両極性の特性を備えた発光部を備えた半導体装置の技術が記載されている。
このような半導体装置は、液晶素子と異なる自発光素子であり視野角依存性が無いなどの長所を持つ。
また、半導体装置は、発光部の発光輝度の制御のために、トランジスタなどにより、発光部を流れる直流電流が制御される。
また、特許文献2及び3には、半導体装置において、トランジスタは発光部とは別に設けると、製造工程が複雑になったり、開口率が低くなったりすることから、発光部自体にトランジスタ機能を持たせたいわゆる、有機発光トランジスタの技術の記載がある。
特開平5-315078号公報
特開号公報
特表号公報
ところで、このような半導体装置の発光部の発光機能効率を高めたり、良好なトランジスタ機能を得たりするためには、発光部に注入されるキャリア(正孔及び電子)のバランスを適切に定める必要がある。
しかしながら、このような半導体装置においては、発光部に有機物のみを用いているので、注入される双方のキャリアのバランスが適切に定めにくくなり、歩留まりが悪くなる。そのため、製造効率に劣るという問題があった。
本発明は上記問題にかんがみてなされたもので、有機半導体として有機物を用いて製造コストの低減に寄与できるようにするとともに、かつ、注入されるキャリアのバランスを適切に定めやすくして製造効率を向上させた半導体装置、半導体装置の製造方法、及び、半導体装置を用いた表示装置の提供を目的とす
上記目的を達成するため、本発明の半導体装置は、有機半導体層及び酸化物半導体層を備え、発光する構成としている。
また、前記発光が、正孔及び電子の再結合により生じることが好ましい。
また、前記半導体装置が、n型及びp型の両極性を示す、トランジスタであることが好ましい。
このような半導体装置によれば、発光部は、有機物からなる有機半導体層と、酸化物からなる酸化物半導体層とを組み合わせてなるので、発光部全部が有機物からなるものに比較して、注入される双方のキャリア(正孔及び電子)のバランスが適切に定めやすくなり、歩留まりが良好になる。これにより、製造効
率を向上させることができる。
また、発光部は、注入されるキャリアのバランスを良好にすることができる。そのため、発光効率の高効率化が容易になる。さらに、トランジスタ機能も容易に向上させることができる。
また、前記酸化物半導体層は、n型非縮退酸化物からなり、電子キャリア濃度が10 18
未満であることが好ましい。
また、前記酸化物半導体層は、In、Zn、Sn及びGaの少なくともいずれかを含む非晶質酸化物で形成されることが好ましい。
また、前記酸化物半導体層は、InとGaとZnとを含む非晶質酸化物、SnとZnとGaとを含む非晶質酸化物、InとZnとを含む非晶質酸化物、InとSnとを含む非晶質酸化物、InとGaとを含む非晶質酸化物、及び、ZnとSnとを含む非晶質酸化物のうち、いずれかで形成されることが好ましい。
また、前記酸化物半導体層は、In、Zn、Sn、Gaのいずれかを含む多結晶酸化物で形成されることが好ましい。
また、前記酸化物半導体層は、In及び正二価元素を含む多結晶酸化物で形成されことが好ましい。
また、前記酸化物半導体層を、複数種類の層状酸化物を積み重ねた積層構造とし、該積層構造のうち、最も前記有機層側の層状酸化物の材料に、該層状酸化物の仕事関数が、その他の層状酸化物の仕事関数より大きくなるものを用いることが好ましい。
上記のように半導体装置を構成すると、酸化物半導体層に注入されるキャリア濃度及びキャリア移動度の調整を容易に行うことができ、歩留まりが良好になる。そのため、製造効率を向上させることができる。また、発光効率及びトランジスタ機能の向上も期待できる。
また、前記有機半導体層は、p型の特性を有した有機物、両極性型の特性を有した有機物、又は、n型の特性を有した有機物、若しくは、それらの積層物、又は、混合物で形成されることが好ましい。
上記のような半導体装置とすると、有機半導体層に注入されるキャリア濃度及びキャリア移動度を調整しやすくなる。そのため、歩留まりが良好になり、製造効率を向上させることができる。また、発光効率及びトランジスタ機能の向上も期待できる。
また、前記有機半導体層は、正孔及び電子の再結合による発光を生じる有機物からなることが好ましい。
これにより、有機半導体層で発光を生じさせることができる。
また、前記有機半導体層及び酸化物半導体層は、互いに接触することが好ましい。
また、前記有機半導体層及び酸化物半導体層が、発光部を形成することが好ましい。
また、前記発光部に絶縁体層を介して第一の電極を設け、前記発光部に接し前記第一の電極と離間した第二の電極を設け、前記発光部に接し前記第一及び第二の電極とは離間した第三の電極を設ける構成が好ましい。
この半導体装置は、第一の電極をゲート電極として、第二及び第三の電極のいずれか電圧の低い方を電子注入電極として、いずれか電圧の高い方を正孔注入電極として用いる。電子注入電極及び正孔注入電極に電圧を印加すると、発光部に電子と、正孔が注入される。そして、注入された電子と正孔が発光部内で
再結合する。
そして、発光部1内で、電子と正孔とが再結合し、再結合によるエネルギーが発生する。再結合があった周囲の有機物分子又は酸化物分子は、基底状態から励起させられ、再び再び基底状態に戻るときに、差分のエネルギーを光として放出する。
そして、ゲート電極の電圧の制御などにより、第二の電極及び第三の電極間に流れる電流を制御する。このようにすると、発光部に注入されるキャリア(正孔及び電子)の量が増減する。これにより、発光部の発光輝度の制御を行うことができる。
また、前記有機半導体層及び酸化物半導体層を薄膜に形成することが好ましい。
また、n型駆動時の電界効果移動度μ(n)とp型駆動時の電界効果移動度μ(p)の比μ(n)/μ(p)が、10 -5
≦μ(n)/μ(p)≦10 5
の範囲にあることが好ましい。
上記した構成の半導体装置によれば、発光効率及びトランジスタ機能に優れる半導体装置を製造できる。
上記目的を達成するため、本発明の半導体装置の製造方法は、上記半導体装置の製造方法であって、酸化物半導体層を形成し、該酸化物半導体層を酸素及び/又はオゾンの存在下に置き、その後、有機半導体層を形成している。
このような構成からなる製造方法によれば、酸化物半導体層を形成した後に大気などの酸素存在下に置いたりオゾン処理などの表面洗浄?改質を行うことができる。
酸化物半導体は、酸素存在下に置かれると、酸素やオゾンの作用し、表面の-OHなど極性を持つ官能基が増え、電子?正孔の注入性が変化する効果を期待できる。
これにより、製造工程の自由度が大きく実用化も容易になる。
上記目的を達成するため、本発明の表示装置は、上記半導体装置を用いている。
これにより、発光機能及びトランジスタ機能を有した半導体装置を用いているので、構造が簡単になる。そのため、表示装置の製造工程も簡単になり、製造効率を向上させることができる。
本発明によれば、また、有機半導体層及び酸化物半導体層からなる発光部を備えたので、有機物からなる有機半導体層のみを備えるものに比較して、キャリアのバランスを安定させることが容易になる。これにより、製造効率を向上させることができる。
本発明の第一実施形態にかかる半導体装置の概略断面図である。 本発明の第一実施形態にかかる半導体装置の要部拡大断面図である。 本発明の第二実施形態にかかる半導体装置を示す概略断面図である。 本発明の第三実施形態にかかる半導体装置を示す概略断面図である。 本発明の第四実施形態にかかる半導体装置を示す概略断面図である。 本発明の第五実施形態にかかる半導体装置を示す概略断面図である。 本発明の第六実施形態にかかる半導体装置を示す概略断面図である。 本発明の第七実施形態にかかる半導体装置を示す概略断面図である。 本発明の第八実施形態にかかる半導体装置を示す概略断面図である。 本発明の第七実施形態にかかる半導体装置の変形例を示す概略断面図である。 本発明の一実施形態にかかる表示装置を示す図であって、(a)は、横断面図、(b)は、図10(a)中、A線視した第一~第三の電極の配線を示す図である。 本発明の実施例1にかかる半導体装置を示す図であって、(a)は、半導体装置内のキャリアの状態の概念を示す図、(b)は、各電極の電位差を示すグラフ図である。 本発明の実施例1にかかる半導体装置において、ドレイン電圧-ドレイン電流特性を示すグラフ図である。 本発明の実施例1にかかる半導体装置において、ゲート?ソース間電圧-ドレイン?ソース間電流の特性を示すグラフ図である。 本発明の実施例1にかかる半導体装置において、ドレインソース間電圧-輝度特性を示すグラフ図である。 本発明の実施例1にかかる半導体装置において、エレクトロルミネッセンススペクトルを、テトラセンのフォトルミネッセンススペクトルとともに示すグラフ図である。
本発明の実施例1にかかる半導体装置において、(a)は、ドレインソース間電圧-輝度特性を示すグラフ図、(b)は、ゲートソース間の電圧が低いとき(V GS
=-20V)の半導体装置内のキャリアの状態の概念を示す図、(c)は、ゲートソース間の電圧が高いとき(V GS
=-80V)の半導体装置内のキャリアの状態の概念を示す図である。
本発明の実施例2にかかる半導体装置において、ドレイン電圧-ドレイン電流特性を示すグラフ図である。 本発明の実施例2にかかる半導体装置において、ドレイン電圧-輝度特性を示すグラフ図である。 本発明の実施例2にかかる半導体装置において、ゲート電圧-ドレイン電流特性を示す図である。
以下図面に基づいて、本発明の半導体装置、半導体装置の製造方法、及び、半導体装置を用いた表示装置の実施の形態について説明する。
[第一実施形態]
図1は、本発明の第一実施形態に係る半導体装置の概略断面図を示している。
図1Aに示すように、半導体装置は、有機半導体層10及び酸化物半導体層11が形成する発光部1を備えており、この発光部1内において、正孔及び電子が再結合することによって発光する。
具体的には、発光部1内であれば、有機半導体層10、酸化物半導体層11、若しくは両方、又は、有機半導体層10と酸化物半導体層11の界面で発光させてもよいが、有機半導体層10あるいは有機半導体層10と酸化物半導体層11の界面近傍で発光させることが好ましい。
本実施形態の半導体装置は、有機物半導体層10及び酸化物半導体層11が形成する発光部1と、発光部1に絶縁体層3を介して設けられた第一の電極2と、発光部1に接し第一の電極2と離間した第二の電極4と、発光部に接し第一及び第二の電極2,4と離間した第三の電極5とを備えている。
この半導体装置は、発光素子として用いられるもので、基板6上に、各層が薄膜の状態で積層されている。
詳しくは、半導体装置は、第一の電極2として用いられる基板6と、基板6上に成膜された絶縁体層3と、絶縁体層3上に成膜された発光部1と、絶縁体層3と発光部1の間に離間して設けられた第二及び第三の電極4,5とを備えている。
本発明を構成する発光部1は、n型及びp型の両極性の特性とトランジスタ機能とを備えている。
発光部1は、有機物からなる有機半導体層10と、酸化物からなる酸化物半導体層11とを備え、有機半導体層10及び酸化物半導体層11が第二の電極4側から第三の電極5側に至るように形成されている。また、有機半導体層10及び酸化物半導体層11は、互いに接触している。
ここで、発光部1は、有機半導体層10の全体がp型の特性を備え、酸化物半導体層11の全体がn型の特性を備える組み合わせ、有機半導体層10の全体がn型の特性を備え、酸化物半導体層11の全体がp型の特性を備える組み合わせ、及び、有機半導体層10の全体が両極性型の特性を備え、酸化物半導体
層11の全体がp型又はn型の特性を備える組み合わせのうち、いずれかの組み合わせで構成することが好ましい。これらの組み合わせのうち、有機半導体層10の全体が、p型の特性を備え、酸化物半導体層11の全体が、n型の特性を備える組み合わせとした発光部1とすることが、n型の酸化物半導体のバ
ンドギャップがn型有機半導体のバンドギャップに対して大きいという理由により、好ましい。
有機半導体層10は、正孔及び電子の再結合による発光を生じる有機物からなる。
また、有機半導体層10は、p型の特性を備えた有機物、両極性型の特性を備えた有機物又はn型の特性を備えた有機物、若しくは、それらのうちいずれか二種以上からなる積層体又は混合体で形成されている。
具体的には、有機半導体層10は、正孔及び電子の再結合による発光を生じる有機物からなり、ペンタセンやオリゴチオフェン等の有機低分子、ポリチオフェン等の有機高分子、フタロシアニン等の金属錯体、C 60
、金属内包フラーレン(例えばディスプロシウム(Dy)を内包したフラーレン(Dy@C 82
))等のフラーレン類、及びカーボンナノチューブ類の群から選択される少なくとも一種から形成されている。
上記有機半導体層10のうち、p型の特性を備えた有機物又は両極性型の特性を備えた有機物、若しくは、それらの積層体又は混合物で構成されている有機半導体層10が好ましい。
特に、有機半導体層10のうち、p型の特性を備えた有機物若しくはp型の特性を備えた有機物の積層物又は混合物で構成されている有機半導体層10が、p型の特性を備えた有機物が大気に触れても特性の低下が少ないという理由により、より好ましい。
また、有機半導体層10を構成するp型の特性を備えた有機物としては、1,4-bis(4-methylstyryl)benzene(4MSB)や、1,4-bis(2-methylstyryl)benzene(2MSB)(ともにJapanese Journal of Applied Physics Vol. 45, No. 11, 2006, pp. L313-L315参照)、Pentacene、Tetracene、Anthracene、Phthalocyanine、α-Sexithiophene、α,ω-Dihexyl-sexithiophene、Oligophenylene、Oligophenylenevinilene、D
ihexyl-Anthradithiophene、Bis(dithienothiophene)、Poly(3-hexylthiophene)、Poly(3-butylthiophene)、Poly(phenylenevinylene)、Poly(thienylenevinylen
e)、Polyacetylene、α,ω-Dihexyl-quinquethiophene、TPD、α-NPD、m-MTDATA、TPAC、TCTA、Poly(vinylcarbazole)などを例示することができる。
また、有機半導体層10を構成するn型の特性を備えた有機物としては、C 6
-PTC、C 12
-PTC、C 13
-PTC、Bu-PTC、F 7
Bu-PTC*、Ph-PTC、F 5
Ph-PTC*、PTCBI、PTCDI、Me-PTC、TCNQ、C 60
フラーレンなどを例示することができる。
また、有機半導体層10を構成する両極性型の特性を備えた有機物としては、例えば、各々純度の高いPentacene、ルブレン、銅フタロシアニン、テトラセンなどを例示することができる。
また、有機半導体層に用いる有機物は蛍光量子収率が1%以上のものが好ましく、より好ましくは5%以上、さらに好ましくは10%以上、特に好ましくは20%以上である。
本実施形態において、有機半導体層10を形成する成膜方法としては、スプレー法、ディップ法、CVD法などの化学的成膜方法のほか、真空蒸着法などの物理的成膜方法も利用することができる。キャリア密度の制御性や、膜質の向上を考慮すると、物理的成膜方法の方が好ましい。
本実施形態においては、酸化物半導体層11として、n型の特性を備えた非縮退酸化物を用いている。この酸化物半導体層11は、透明酸化物半導体層となっている。
また、酸化物半導体層11は、その電子キャリア濃度が10 18
未満であることが好ましく、10 17
未満であることがより好ましく、5×10 16
未満であることがさらに好ましく、10 16
未満であることが特に好ましい。
また、下限に制限はないが、通常10 10
以上で、10 12
以上が好ましい。電子キャリア濃度が10 18
以上であると有機半導体との導電性のバランスが得られにくくなり両極性を示さないおそれがある。
この酸化物半導体層11は、In、Zn、Sn及びGaの少なくともいずれかを含む非晶質酸化物で構成されることが好ましい。また、酸化物半導体層11は、InとGaとZnとSnとを含む非晶質酸化物、InとGaとZnとを含む非晶質酸化物、SnとZnとGaとを含む非晶質酸化物、InとZnとを含
む非晶質酸化物、InとSnとを含む非晶質酸化物、InとGaとを含む非晶質酸化物、及び、ZnとSnとを含む非晶質酸化物のうち、いずれかで形成されることがさらに好ましい。In,Sn,Zn,Gaは、比較的大きなs軌道を持ち非晶質化しても良好なn型半導体の特性を示し、電子輸送特性が良好で
移動度などの半導体特性が高くなることを期待できる。
あるいは、酸化物半導体層11は、In、Zn、Sn、Gaのいずれかを含む多結晶酸化物で形成されることが好ましく、In及び正二価元素を含む多結晶酸化物で形成されることがさらに好ましい。In、Zn、Sn、Gaのいずれかを含む多結晶酸化物は作製時の酸素分圧や作製後の酸化処理でキャリア密度
を制御することができる。In,Sn,Zn,Gaは比較的大きなs軌道を持ち良好なn型半導体の特性を示し、電子輸送特性が良好で移動度などの半導体特性が高いことが期待できる。特に、Inは大きなs軌道を持ちさらに多結晶化しても粒界の散乱による電子輸送特性の低下が少ないことが期待できる。ま
た、450℃以上の高温で処理しなくとも正二価元素の濃度を変えることで比較的容易にキャリア濃度を所望の濃度に制御できる。
なお、この酸化物半導体層11は、In、Zn、Sn及びGaの少なくともいずれかを含む非晶質酸化物よりもIn、Zn、Sn、Gaのいずれかを含む多結晶酸化物で形成されることがより好ましい。これは、電子キャリア密度の制御(低減)と高い電子移動度が両立しやすく信頼性も高いからである。
正二価元素としては、例えば、Zn,Be,Mg,Ca,Sr,Ba,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Pd,Pt,Cu,Ag,Cd,Hg,Sm,Eu,Ybなどが挙げられる。これらのなかでも、Zn,Mg,Mn,Co,Ni,Cu,Caが好ましい。これらのなかでも、効率的にキャリア濃
度を制御できることから、Zn,Mg,Cu,Ni,Co,Caがより好ましく、添加によるキャリア制御の効果からはCu,Niが特に好ましく、透過率やバンドギャップの広さからはZn,Mgが特に好ましい。これらの正二価元素は、本実施形態の効果を失わせない範囲内で複数組合せて使用してもよい。
なお、ここでいう正二価元素とは、イオン状態での価数としてそれぞれ正二価を取りうる元素のことである。
さらに、酸化物半導体層11には、酸化インジウム、正二価元素の酸化物以外の元素や化合物が含まれていてもよい。ただし、通常は酸化インジウムと正二価元素の酸化物とを合わせて50質量%以上含ませるものとし、その含有量が50質量%より小さいと、移動度が低下するなど効果が十分に現れないおそれ
がある。効果が十分に現れるようにするには、酸化インジウムと正二価元素の酸化物と合わせて65質量%以上含むことが好ましく、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上であり、95質量%以上含むことが特に好ましい。また、キャリア制御の効果が十分に現れるようにするには、
Snなどの正四価元素の含有量が3質量%以下であることが好ましく、2質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることが特に好ましい。正四価元素を含むとキャリア密度を低濃度に制御できないおそれがある。
また、酸化物半導体層11中に含有されるインジウム[In]と正二価元素[X]の原子比[X/(X+In)]は、0.とすることができる。
原子比[X/(X+In)]が0.0001より小さく、正二価元素の含有率が少ないと、本実施形態の効果が現れずキャリア数が制御できないおそれがある。
一方、原子比[X/(X+In)]が0.5より大きくなり、正二価元素の含有率が過剰になると、界面あるいは表面が変質しやすく不安定になるおそれや、結晶化温度が高く結晶化が困難になったり,キャリア濃度が高くなったり、ホール移動度が低下したりするおそれがある。また、トランジスタを駆動させ
た際に閾値電圧が変動したり、駆動が不安定となったりするおそれがある。上記のような不具合をより有効に回避するためには、原子比[X/(X+In)]は0.であるのが好ましく、より好ましくは0.、さらに好ましくは0.001~0.09であり、0.005~0
.08が特に好ましい。0.01~0.07が最も好ましい。
なお、本発明において、X線回折スペクトルにおいて、ハローパターンが観測され、特定の回折線を示さない酸化物を非晶質酸化物といい、特定の回折線を示すものを多結晶酸化物という。
本発明に係る酸化物の電子キャリア濃度は、室温で測定する場合の値である。室温とは、例えば25℃であり、具体的には0℃から40℃程度の範囲から適宜選択されるある温度である。なお、本発明に係る酸化物の電子キャリア濃度は、0℃から40℃の範囲全てにおいて、10 18
未満を充足する必要はない。例えば、25℃において、キャリア電子密度10 18
未満が実現されていればよい。また、電子キャリア濃度を更に下げ、10 17
以下、より好ましくは10 16
以下にすると両極性を示す半導体装置が歩留まり良く得られる。
また、酸化物半導体層11は、ランタノイド類を含む酸化物であることが好ましい。酸化物半導体層にランタノイド類を含ませると、酸化物半導体層11の仕事関数を大きくすることができる。
さらに、酸化物半導体層11は、その仕事関数が4.8(eV)以上であることが好ましく、5.2(eV)以上であることがより好ましく、5.6(eV)以上であることが特に好ましい。
また、酸化物半導体層11は、そのバンドギャップが2.5(eV)以上であることが好ましく、2.8(eV)以上であることがより好ましく、3.1(eV)以上であることが特に好ましい。バンドギャップが2.5(eV)より小さいと可視光の吸収が多くなり透明性が低下したり、色が付いたり、光によ
り劣化しやすくなるおそれがある。
さらに、酸化物半導体層11の屈折率は2.3以下が好ましく、2.1以下がより好ましく、2.0以下が特に好ましい。屈折率が2.3より大きいと有機物半導体層10と積層した際など反射率が高くなるなどのおそれがある。
また、図1Bに示すように、酸化物半導体層11は、複数種類の層状酸化物110を積み重ねた積層構造に形成してもよい。層状酸化物の各層の組成などを調整することでトランジスタ特性や発光特性を調整することができる。特に有機半導体層10に接する酸化物半導体層の仕事関数を調整することで電子ある
いは正孔の注入特性を調整してP型、N型特性のバランスを調整し最適化を行うことができる。層状酸化物110の積層構造のうち、有機半導体層10側の層状酸化物110の材料に、層状酸化物110の仕事関数が、その他の層状酸化物110の仕事関数より大きくなるものを用いることが好ましい。
本実施形態において、酸化物半導体層11を形成する成膜方法としては、スプレー法、ディップ法、CVD法などの化学的成膜方法のほか、物理的成膜方法も利用することができる。
なお、酸化物半導体層11を形成する成膜方法としては、キャリア密度の制御性や、膜質の向上を考慮すると、物理的成膜方法の方が好ましい。
物理的成膜方法としては、例えば、スパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、パルスレーザーディポジション法などを挙げることができるが、工業的には量産性が高いスパッタ法が好ましい。
スパッタ法としては、例えば、DCスパッタ法、RFスパッタ法、ACスパッタ法、ECRスパッタ法、対向ターゲットスパッタ法などが挙げられる。これらのなかでも、工業的に量産性が高く、また、RFスパッタ法よりもキャリア濃度を制御しやすいDCスパッタ法や、ACスパッタ法が好ましい。また、成
膜による界面の劣化を抑えて、漏れ電流を抑制したり、on-off比などの酸化物半導体層11の特性を向上させたりするには、膜質の制御がしやすいECRスパッタ法や、対向ターゲットスパッタ法が好ましい。
また、スパッタ時の基板?ターゲット間距離(S-T距離)は、通常150mm以下、好ましくは110mm、特に好ましくは80mm以下である。S-T距離が短いとスパッタ時に基板がプラズマに曝されることにより、膜質の向上が期待できる。また、150mmより長いと、成膜速度が遅くなり工業化に適
さなくなるおそれがある。
スパッタ法を用いる場合、酸素を含有する焼結ターゲットを用いても、金属、あるいは合金ターゲットを用いて酸素などのガスを導入しながら、反応性スパッタを行なってもよい。
再現性、大面積での均一性、及びTFTにした際の特性から酸素を含有する焼結ターゲットを用いることが好ましい。
焼結ターゲットを製造するにあたり、焼結は還元雰囲気で行うことが好ましい。さらに、焼結ターゲットのバルク抵抗は0.001~1000mωcmであることが好ましく、0.01~100mωcmであることがより好ましい。焼結ターゲットの焼結密度は、通常70%、好ましくは85%以上、より好まし
くは95%以上、特に好ましくは99%以上である。
スパッタ法を用いる場合、到達圧力は、通常5×10 -2
Pa以下とする。到達圧力が、5×10 -2
Paより大きいと、雰囲気ガス中のH 2
Oなどから多量の水素原子が供給されて移動度が低下するおそれがある。これは、水素原子が結合することで酸化インジウムの結晶構造に変化が生じたためと考えられる。
このような不具合をより有効に回避するためには、到達圧力は、好ましくは5×10 -3
Pa以下、より好ましくは5×10 -4
Pa以下、さらに好ましくは1×10 -4
Pa以下であり、5×10 -5
Pa以下であるのが特に好ましい。
また、雰囲気ガス中の酸素分圧は、通常40×10 -3
Pa以下とする。雰囲気ガス中の酸素分圧が40×10 -3
Paより大きいと、移動度が低下したり、キャリア濃度が不安定となったりするおそれがある。これは成膜時に雰囲気ガス中の酸素が多すぎると、結晶格子間に取り込まれる酸素が多くなり散乱の原因となったり、容易に膜中から離脱し不安定化したりするためと推定される。
このような不具合をより有効に回避するためには、雰囲気ガス中の酸素分圧は、好ましくは15×10 -3
Pa以下、より好ましくは7×10 -3
Pa以下であり、1×10 -3
Pa以下であるのが特に好ましい。
また、雰囲気ガス中の水H 2
O、又は水素H 2
の濃度は、通常1.2体積パーセント以下とする。1.2体積パーセントより大きいとホール移動度が低下するおそれがある。このような不具合をより有効に回避するためには、雰囲気ガス中の水H 2
O、又は水素H 2
の濃度は、好ましくは1.0体積パーセント以下、より好ましくは0.1体積パーセント以下であり、0.01体積パーセント以下であるのが特に好ましい。
また、このような成膜工程において、酸化物半導体層11が多結晶からなる場合には、多結晶膜を成膜する方法、又は成膜してから後処理で結晶化させるかあるいは結晶性を向上させる方法のいずれによってもよい。
多結晶膜を成膜する方法では、通常、基板温度250~550℃で物理成膜する。基板温度は、好ましくは300~500℃、より好ましくは320~400℃である。250℃以下では、結晶性が低くキャリア密度が高くなるおそれがある。550℃以上では、コストが高くなり、また、基板が変形するおそれ
成膜してから後処理で結晶化させるかあるいは結晶性を向上させる方法では、通常は、基板温度250℃以下で物理成膜する。基板温度が250℃より高いと後処理の効果が十分に発揮されず、低キャリア濃度、高移動度に制御することが困難となるおそれがある。このような不具合をより有効に回避するために
は、基板温度は、好ましくは200℃以下、より好ましくは150℃以下、さらに好ましくは100℃以下であり、特に好ましくは50℃以下である。
結晶質を含む膜を成膜する方法は、プロセスが単純で工業的に好ましいが、高い半導体特性を得るには、成膜してから後処理で結晶化させる方法の方が、結晶性がよく、膜応力も少なく、キャリアを制御しやすいため好ましい。また、後処理で結晶化する前に結晶を含んでいても良いが、いったん非晶質膜を成膜
してから、後処理により結晶化させる方が、結晶性の制御が行いやすく、良質な半導体膜が得られるため好ましい。
なお、大面積をスパッタ法で成膜する場合、膜質の均一性を持たせるため、基板を固定したフォルダーは回転させる、マグネットを動かしエロージョン範囲を広げるなどの方法をとることが好ましい。
このような成膜工程を終えた後に、酸化処理工程あるいは結晶化処理を施すことで、透明酸化物半導体層11中のキャリア濃度を制御することもできる。
なお、成膜時に酸素などのガス成分の濃度を制御して、キャリア濃度を制御する方法もあるが、このような方法では、ホール移動度が低下するおそれがある。これは、キャリア制御のために導入したガス成分が、膜中に取り込まれ散乱因子となっているものと推定される。
また、酸化物半導体層11は、多結晶膜を用いる場合は非晶質膜として成膜した後に、酸化処理時に結晶化させるのが好ましく、これにより、ホール移動度を高く維持したまま、低いキャリア濃度が実現できる。
また、酸化処理工程あるいは結晶化処理としては、酸素存在下又は酸素の非存在下で、通常80~650℃、0.5~12000分の条件で熱処理する。酸化処理工程あるいは結晶化処理は、酸素の存在下で行うと、酸素欠損の減少が同時に起こることが期待でき好ましい。
熱処理の温度が80℃より低いと処理効果が発現しなかったり、時間がかかりすぎたりするおそれがあり、650℃より高いとエネルギーコストが高くなったり、タクトタイムが長くなったり、トランジスタとしたときの閾値電圧が大きくなったり、基板が変形したりするおそれがある。このような不具合をより
有効に回避するために、処理温度は、好ましくは120~500℃、より好ましくは150~450℃、さらに好ましくは180~350℃であり、200~300℃が特に好ましい。220~290℃が最も好ましい。
また、熱処理の時間が0.5分より短いと内部まで伝熱する時間が不足し処理が不十分となるおそれがあり、12000分より長いと処理装置が大きくなり工業的に使用できなかったり、処理中に基板が破損?変形したりするおそれがある。このような不具合をより有効に回避するために、処理時間は、好ましく
は1~600分、より好ましくは5~360分、さらに好ましくは15~240分であり、30~120分が特に好ましい。
また、酸化処理工程あるいは結晶化処理としては、酸素存在下又は酸素の非存在下、ランプアニール装置(LA;Lamp Annealer)、急速熱アニール装置(RTA;Rapid Thermal Annealer)、又はレーザーアニール装置により熱処理することができ、酸化処理工程あるいは結晶化処理として、大気プラズマ処理、酸素プラズマ処理、オゾン処理や紫外線などの照射処理を適用することもできる。また、基板を加熱しながら紫外線を当てオゾン処理するなど、これらの方法を組合せて
用いても良い。
熱処理をする場合は、熱処理時の膜面の温度が、成膜時の基板温度より100~270℃高い方が好ましい。この温度差が100℃より小さいと熱処理効果が無く、270℃より高いと基板が変形したり、半導体薄膜界面が変質し半導体特性が低下したりするおそれがある。このような不具合をより有効に回避す
るには、成膜時の基板温度より熱処理時の膜面の温度が130~240℃高いものがより好ましく、160~210℃高いものが特に好ましい。
基板6は、無機物材料又は有機物材料で形成されている。
具体的には、無機物材料で形成された基板6としては、例えば、ホウ素(B)、リン(P)、アンチモン(Sb)等が不純物として添加されたp型の単結晶シリコン基板,n型の単結晶シリコン基板,ガラス基板,又は,石英基板などが例示される。
また、有機物材料の基板6としては、ポリメチルメタクリレート,ポリエーテルスルフォン及びポリカーボネート等のプラスチィック基板などが例示される。
本実施形態では、基板6は、これを第一の電極2としても用いるので、例えば、シリコン基板6で構成されている。
絶縁体層3には、例えば、SiO 2
,MgO,ZrO 2
などの酸化物や、SiNx,AlNなどの窒化物を用いることができる。これらのなかでも、SiO 2
,SiNx,Al 2
を用いるのが好ましく、より好ましくはSiO 2
であり、特に好ましくはY 2
である。これらの酸化物の酸素数は、必ずしも化学量論比と一致していなくともよい(例えば、SiO 2
でもSiOxでもよい)。
このようなゲート絶縁膜3は、異なる2層以上の絶縁膜を積層した構造でもよい。また、ゲート絶縁膜3は、結晶質、多結晶質、非晶質のいずれであってもよいが、工業的に製造しやすい多結晶質か、非晶質であるのが好ましい。
また、絶縁体層3には、パリレン、ポリスチレンなどの有機絶縁体を用いることもできる。
第二及び第三の電極4,5は、その材質については、特に限定されることなく、各種の金属や金属酸化物、及び炭素や有機導電材料等を用いることができる。具体的には、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、Mg-Ag合金、Li-Al合金、カルシウム(Ca)、イ
ンジウム-スズ酸化物(ITO)、インジウム-亜鉛酸化物、亜鉛-錫酸化物、錫酸化物、亜鉛酸化物、チタン-ニオブ酸化物などが好適とされる。
次に、本発明の半導体装置の製造方法を説明する。
本実施形態では、基板6にSi基板を用い、絶縁体層3は、Si基板6を熱酸化して得られたSiO 2
熱酸化膜とする。また、酸化物半導体層11の材料として、n型の特性を備えた酸化物を用い、有機半導体層10の材料として、p型の特性を備えた有機物を用いる。
まず、基板6に、絶縁体層3を成膜し、この絶縁体層3上に、真空蒸着法で第二及び第三の電極4,5を形成する。次に、酸化物半導体層11をスパッタリング装置などを用いて成膜し、その後、酸素及び/又はオゾンの存在下に置く。その後、有機物を、真空蒸着法で酸化物半導体層11の上側に成膜する。
このような構成からなる製造方法によれば、酸化物半導体層11を形成した後に大気などの酸素存在下に置いたりオゾン処理などの表面洗浄?改質を行うことができる。
通常、n型の特性の有機半導体層を用いる場合に、酸素及び/又はオゾンの存在下に置かれると、特性が劣化してしまうので、真空などの無酸素の状態で製造しなければならない。これに対し、本発明のように、n型の特性の酸化物半導体層11は、酸素存在下に置かれると、逆に、酸素やオゾンが作用し、表面
の-OHなど極性を持つ官能基が増え、電子?正孔の注入性が変化する効果を期待できるからと思われる。
すなわち、有機半導体層10に、p型の特性を備えた有機物を用い、酸化物半導体層11にn型の特性を備えた酸化物を用いたので、製造中に、n型の特性を備えた酸化物半導体層11が大気に触れても特性の低下が少ない。これにより、製造工程の自由度が大きく実用化も容易になる。
この半導体装置を用いるときには、第一の電極2は、ゲート電極として、第二の電極4及び第三の電極5のうち、いずれか電圧が高い方は正孔注入電極として、いずれか電圧が低い方は電子注入電極として用いる。
そして、第一~第三の電極2,4,5のそれぞれに印加する電圧を調整し、正孔注入電極からの正孔は、主に有機半導体層10に注入する。また、電子注入電極からの電子は、主に酸化物半導体層11に注入する。
このようにすると、半導体装置では、発光部1内で、電子と正孔とが再結合し、再結合によるエネルギーが発生する。再結合があった周囲の有機物分子又は酸化物分子は、基底状態から励起させられ、再び基底状態に戻るときに、差分のエネルギーを光として放出する(エレクトロルミネッセンス(electr
oluminescence))。
また、このとき、有機半導体層10あるいは有機半導体層10と酸化物半導体層11の界面近傍で、正孔及び電子が再結合すると、有機物分子が励起し、上記のように有機物分子から発光する。これにより、発光効率を良好にできる。
なお、有機半導体層10あるいは有機半導体層10と酸化物半導体層11の界面近傍以外で、正孔及び電子の再結合を行なってもよいが、例えば、酸化物半導体層11は、発光以外でエネルギーを失活やすく、発光量子効率が低くなる。また、バンドギャップが大きく、所望の波長の発光を得にくいので、発光視
感効率も低くなる。
また、例えば、第一の電極2及び第二の電極4に印加する電圧を固定して、第三の電極5に印加する電圧を変化させたり、第二の電極4及び第三の電極5に印加する電圧を固定して、第一の電極2に印加する電圧を変化させたりするなどし、第二の電極4及び第三の電極5間に流れる電流を制御する。
このようにすると、発光部1に注入されるキャリア(正孔及び電子)の量が増減する。
これにより、各電極2,4,5の電圧を調整することで、発光部1に注入されるキャリア(正孔及び電子)の量を調整でき、発光輝度を制御できる。
また、半導体装置は、有機半導体層10と酸化物半導体層11とを備えているので、両極性型の特性が安定する。また、発光部1は、有機半導体層10及び酸化物半導体層11とからなり、有機物と酸化物とが組み合わされて形成されるので、注入される双方のキャリアのバランスを適切に定めやすくなり、歩留
まりが良好になる。そのため、製造効率を向上できる。
また、半導体装置は、発光部1に、p型又は両極性型の特性を備えた有機物とn型の特性を備えた酸化物とを用いているので、電子のキャリアの移動度が安定したものとなる。そのため、発光部1の発光効率が向上するだけでなく、トランジスタとしても機能する。特に、大気中でのトランジスタ機能が良好にな
るので、実用化も容易になる。
本実施形態において、半導体である発光部1の電界効果移動度は、通常10 -4
/Vs以上とする。電界効果移動度が10 -4
/Vsより小さいと、スイッチング速度が遅くなったり、両極性を示さないおそれがある。このような不具合をより有効に回避するために、電界効果移動度は、好ましくは10 -3
/Vs以上、より好ましくは10 -2
/Vs以上、さらに好ましくは10 -1
/Vs以上であり、特に好ましくは1cm 2
/Vs以上である。
また、n型駆動時の電界効果移動度μ(n)とp型駆動時の電界効果移動度μ(p)の比μ(n)/μ(p)は、通常10 -5
≦μ(n)/μ(p)≦10 5
の範囲、好ましくは10 -3
≦μ(n)/μ(p)≦10 4
の範囲、より好ましくは10 -2
≦μ(n)/μ(p)≦10 3
の範囲、特に好ましくは10 -1
≦μ(n)/μ(p)≦10 2
の範囲である。μ(n)/μ(p)が上記の範囲外だとn型とp型のバランスが悪く両極性の発現が不明瞭となるおそれがある。
また、チャネル幅Wとチャネル長Lの比W/Lは、通常0.1~100、好ましくは1~20、特に好ましくは2~8である。W/Lが100を越えると漏れ電流が増えたり、on-off比が低下したりするおそれがある。0.1より小さいと電界効果移動度が低下したり、ピンチオフが不明瞭になったりする
おそれがある。
さらに、チャネル長Lは通常0.1~1000μm、好ましくは1~100μm、さらに好ましくは2~10μmである。0.1μm以下は工業的に製造が難しくかつショートチャネル効果が起こったり漏れ電流が大きくなるおそれがある。また、1000μm以上では素子が大きくなりすぎて好ましくない。
また、駆動時の各電極間にかかる電圧は、通常100V以下、好ましくは50V以下、より好ましくは20V以下、さらに好ましくは10V以下である。100Vより大きいと、消費電力が大きくなり実用性が低下するおそれがある。
また、ここで両極性を示すとは、ゲート電圧を上げるとドレイン電流が増加する領域とゲート電圧を下げるとドレイン電流が増加する領域があるようなドレイン電圧が存在する場合をいう。
[第二実施形態]
図2は、本発明の第二実施形態に係る半導体装置の概略断面図を示している。
本実施形態の半導体装置は、上記実施形態と略同様であるが、基板6と第一の電極2とが別体に形成されている点が異なる。
すなわち、本実施形態の半導体装置は、基板6上の中央に、基板6とは別体の第一の電極2が設けられている。この第一の電極2は、上記第一実施形態の第二及び第三の電極4,5で用いた材料で形成されている。また、絶縁体層3は、基板6及び第一の電極2上に設けられている。
その他の構成は上記のものと同様である。
本実施形態の半導体装置は、上記第一実施形態と同様に、発光素子として用いられる。作用及び効果は、上記とほぼ同様である。
このような構成からなる半導体装置によれば、第一の電極2と第二及び第三の電極4,5との重なりが少ないので、漏れ電流を少なくすることができる。
[第三実施形態]
図3は、本発明の第三実施形態の半導体装置の概略断面図を示している。
本実施形態の半導体装置は、上記実施形態とは異なり、第二及び第三の電極4,5が、絶縁体層3と酸化物半導体層11の間になく、有機半導体層10の上側に設けられた構成となっている。
このような構成からなる半導体装置によれば、第一の電極2と第二及び第三の電極4,5との間の電界が酸化物半導体層11及び有機半導体層10に効果的に印加されるので、トランジスタの移動度を高く調整しやすくできる。
[第四実施形態]
図4は、本発明の第四実施形態の半導体装置の概略断面図を示している。
本実施形態の半導体装置は、上記実施形態とは異なり、第二及び第三の電極4,5が、絶縁体層3と酸化物半導体層11の間になく、有機半導体層10と酸化物半導体層11の間に設けられた構成となっている。
第一の電極2と第二及び第三の電極4,5との間の電界が、酸化物半導体層11に効果的に印加されるので、トランジスタの移動度を高く調整しやすい。また、酸化物半導体層11を後から構成するため、第二及び第三の電極5の成膜時に有機半導体層10にダメージを与える心配がない。
[第五実施形態]
図5は、本発明の第五実施形態に係る半導体装置の概略断面図を示している。
本実施形態の半導体装置は、上記実施形態と異なり、第三の電極5が、絶縁体層3と酸化物半導体層11の間になく、有機半導体層10と酸化物半導体層11の間に設けられた構成となっている。
第二及の電極と第三の電極の間に有機半導体層10と酸化物半導体層11の界面があるため電子と正孔が効率よく再結合でき発光効率を高くすることができる。また、酸化物半導体層11を後から構成するため、第二及び第三の電極4,5の成膜時に有機半導体層10にダメージを与える心配がない。
[第六実施形態]
図6は、本発明の第六実施形態に係る半導体装置の概略断面図を示している。
本実施形態の半導体装置は、上記第一の実施形態と異なり、第三の電極5が、絶縁体層3と酸化物半導体層11の間になく、有機半導体層10の上側に設けられた構成となっている。
第二及の電極と第三の電極の間に有機半導体層10と酸化物半導体層11があるため電子と正孔が、特に効率よく再結合でき発光効率を高くすることができる。
[第七実施形態]
図7は、本発明の第七実施形態に係る半導体装置の概略断面図を示している。
本実施形態の半導体装置は、上記第一の実施形態と異なり、第二の電極4のみが酸化物半導体層11に覆われるとともに、有機半導体層10は、酸化物半導体層11及び第三の電極5を覆う構成となっている。
第二及の電極と第三の電極の間に有機半導体層10と酸化物半導体層11の界面があるため電子と正孔が効率よく再結合でき発光効率を高くすることができる。
[第八実施形態]
図8は、本発明の第八実施形態に係る半導体装置の概略断面図を示している。
本実施形態の半導体装置は、上記第一の実施形態と異なり、第二の電極4と第三の電極5との間において、有機半導体層10の一部が絶縁体層3側に延設されている。そして、この延設部分が、酸化物半導体層11を、第二の電極4側と、第三の電極5側とに隔てる構成となっている。
第二及の電極4と第三の電極5の間に有機半導体層10と酸化物半導体層11の界面があるため電子と正孔が効率よく再結合でき発光効率を高くすることができる。
第三~第八実施形態の半導体装置の構成によれば、発光部1の有機半導体層10及び酸化物半導体層11に対する、第二及び第三の電極4,5の位置を上記のように配置してもよいので、半導体装置を用いた回路の設計の自由度を増すことができる。
また、上記各実施形態に係る半導体装置において、例えば、図9に示すように、有機半導体層10と酸化物半導体層11の間に、有機発光層15を設けて、この層15で発光させるなど、有機ELで用いられている多層化技術を利用してもよい。このようにすると、発光効率が向上できたり、発光波長の調整がで
きるので好ましい。
また、上記実施形態に係る半導体装置において、有機半導体層10と酸化物半導体層11の間に保護層を設けたり、酸化物半導体11の表面を表面処理したりするなどすると、有機半導体層10と酸化物半導体層11の間のエネルギー移動を制限することによって消光を防止することができ、好ましい。
また、上記実施形態に係る半導体装置において、その他有機ELで用いられている各種の技術を自由に応用できる。そのような技術は、例えば、「有機ELディスプレイ」(オーム社、平成16年8月20日発行)などに記載されている。
[表示装置]
また、第一~第八実施形態の半導体装置は、例えば、図10に示す表示装置に用いられる。
本実施形態の表示装置は、図10(a)及び図10(b)に示すように、複数の第二実施形態の半導体装置が、基板の平面方向に行列状に列設されてなる。
また、有機物半導体層10、酸化物半導体層11及び基板6は、全面に亘って一体に成膜されている。
また、図10(b)に示すように、行方向に並ぶ半導体装置の第一の電極2は、導電体2aで互いに接続されている。また、行方向に並ぶ半導体装置の第二及び第三の電極4,5も、第一の電極2と同様に、導電体4a,5aにより互いに接続されている。
そして、例えば、第一の電極2及び第二の電極4に印加する電圧を固定して、第三の電極5に印加する電圧を変化させたり、第二の電極4及び第三の電極5に印加する電圧を固定して、第一の電極2(ゲート電圧)に印加する電圧を変化させたりするなどし、発光部に発光(L)を生じさせる。
このような、発光機能及びトランジスタ機能を有した半導体装置を用いているので、表示装置の構造が簡単になる。これにより、表示装置の製造工程も簡単になり、製造効率を向上させることができる。
上記の実施形態以外にも、機能一体型発光トランジスタ?PN接合機能分離発光トランジスタ?静電誘導発光トランジスタ?メタルベース有機トランジスタ?RGB独立方式?カラーフィルター(CF)方式等の各種の発光方式?カラー化方法?パネル構造?製造プロセスなどのn型有機半導体をn型酸化物半導
体に変えることで自由に応用することができる。これらの各種の発光方式?カラー化方法?パネル構造?製造プロセスなどは、例えば「絵で見る有機発光トランジスタ製造プロセス06年版」(E Express Inc.)に記載されている。
[実施例1](トップコンタクト)
図3に示すように、本実施例に係る半導体装置は、以下のようにして製造された。
まず、基板6として導電性のSi基板を用い、これを熱酸化して形成された絶縁体層3を設けた。次に、スパッタリング装置を用い、酸化物半導体層11を成膜した。成膜条件は、ターゲットに、In 2
-ZnO(元素比が、In=93at%,Zn=7at%となる酸化物、IZO(登録商標))を用い、到達真空度:8.2×10 -4
Pa,スパッタ真空度:1.9×10 -1
Pa,スパッタガス:Ar 32sccm,スパッタ出力:50Wとし、基板加熱は行わなかった。スパッタ製膜後に大気下で300℃1時間熱処理した。大気暴露しUVオゾン処理を15分行った後、テトラセン(tetracene)を、真空蒸着法で酸化物半導体層11の上側に成膜した。
そして、真空蒸着法で、メタルマスクを用いAuを成膜し、第二及び第三の二つの電極4,5を形成した。
このようにして作製された半導体装置は、Si/SiO 2
膜:300nm(基板(第一の電極)及び絶縁層),Au膜:50nm(第二及び第三の電極),In 2
-ZnO膜(多結晶):5nm(酸化物半導体層11),テトラセン(tetracene)膜:50nm(有機半導体層10),チャンネル長L(第二の電極4及び第三の電極5間の距離):200μmとなった。なお、チャンネル幅Wは、2mmである。
本実施例の半導体装置は、図11A及び図11Bに示すように配線され、第一の電極2をゲート電極、第二の電極4をソース電極(正孔注入電極)として、第三の電極5をドレイン電極(電子注入電極)とした。
図12~図16に、この半導体装置のトランジスタ特性と発光特性を示す。
この半導体装置によれば、ゲート電圧あるいはドレイン電圧で発光輝度を制御できる(図11及び図12)。また、この半導体装置は、両極性を示すことがわかる(図13)。
また、本実施例の半導体装置のEL(エレクトロルミネッセンス)スペクトルとテトラセン(tetracene)のPL(フォトルミネッセンス)スペクトルがよく一致していることから(図15)、本装置はIn 2
-ZnO膜からテトラセン(tetracene)膜への電子注入が起こり、テトラセン(tetracene)膜中にて再結合が生じて発光しているものと考えられる。
また、ゲート電圧の増加にともない、EL外部量子効率の増加が観測された(図16(a))。これは、ゲート電圧が低いときには、有機半導体層10中に注入される正孔の量が小さいが(図16(b))、ゲート電圧を高めていくと、有機半導体層10中に注入される正孔の量が大きくなるからであると考えら
れる(図16(c))。
すなわち、この半導体装置によれば、ゲート電圧あるいはドレイン電圧を変化させることで、発光部1に注入されるキャリアの量を増減でき、発光輝度を制御できる。
[実施例2](ボトムコンタクト)
図1に示すように、本実施例に係る半導体装置は、以下のようにして製造した。
まず、基板6として導電性のSi基板を用い、これを熱酸化して形成された絶縁体層3を設けた。次に、絶縁体層3上に、ポジ型のフォトレジストをスピンコートして塗布し、フォトレジストを、所定温度でプリベークして固化し、基板6中央を露光した。その後、リンス液で基板6中央以外の部分のフォトレジ
ストを除去し、ポストベークして不要なリンス液を気化させた。そして、この基板6に、真空蒸着法で、Cr及びAuを成膜し、溶剤でリフトオフして基板6中央以外の部分に、第二及び第三の二つの電極4,5を形成した。
次に、この第二及び第三の電極4,5が形成された基板6に、酸化物半導体層11をスパッタリング装置を用いて成膜した。成膜条件は、ターゲットに、In 2
-ZnO(元素比が、In=93at%,Zn=7at%となる酸化物)を用い、到達真空度:8.2×10 -4
Pa,スパッタ真空度:1.9×10 -1
Pa,スパッタガス:Ar 10sccm
1sccm,スパッタ出力:50Wとし、基板加熱は行わなかった。スパッタ製膜後に大気下で300℃1時間熱処理した。大気暴露しUVオゾン処理を15分行った後、1,4-bis(4-methylstyryl)benzene (4MSB)を、真空蒸着法で酸化物半導体層11の上側に成膜した。
なお、4MSBの蛍光量子収率は約40%である。
このようにして作製された半導体装置は、Si/SiO 2
膜:300nm(基板(第一の電極)及び絶縁層),Cr膜:1nm,Au膜:39nm(第二及び第三の電極),In 2
-ZnO膜(多結晶):1.5nm(酸化物半導体層11),4MSB膜:50nm(有機半導体層10),チャンネル長L(第二の電極4及び第三の電極5間の距離):25μmとなった。なお、チャンネル幅Wは、4mmである。
本実施例の半導体装置も上記実施例と同様に、第一の電極をゲート電極とし、第二の電極をソース電極とし、第三の電極をドレイン電極とした。
この半導体装置のトランジスタ特性と発光特性を図17A、図17B及び図18に示す。この半導体装置によれば、ゲート電圧あるいはドレイン電圧で発光輝度を制御できる(図17B)。この半導体装置は、両極性を示すことがわかる(図18)。
酸化物半導体層を設けなかった他は実施例1,2と同様に半導体装置を作製した。この半導体装置はトランジスタ特性を示したが、両極性および発光特性は示さなかった。
以上、本発明の半導体装置、半導体装置の製造方法及び表示装置について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明に係る装置は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、表示装置は、第二実施形態の半導体装置を列設した構成としたがこれに限定されるものでなく、上記の他の実施形態の半導体装置であってもよく、適宜設計変更してよい。
& 2004-. All rights reserved.

我要回帖

更多关于 hydroxyanthracene 的文章

 

随机推荐